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実録映像だけで制作されたドキュメンタリー。桜田 通がハマった「アメリカン・マーダー: 一家殺害事件の実録」

著名人の方々にネトフリでお気に入り作品を訊く連載シリーズ。
Netflixシリーズ「今際の国のアリス」のニラギ役、「全裸監督」シーズン2のケンちゃん役で話題の俳優・桜田 通さんが登場。「NetflixでホラーやSFをよく観る」という桜田さんがハマった作品は、2018年に米コロラド州で起こった殺人事件を題材にしたドキュメンタリー「アメリカン・マーダー: 一家殺害事件の実録です。(ネトフリ編集部)

桜田 通:俳優。1991年12月7日生まれ、東京都出身。2006年に舞台『テニスの王子様』の主役に最年少で抜擢される。2008年に映画『劇場版さらば仮面ライダー電王 ファイナル・カウントダウン』にて映画初主演。その後、映画『BECK』(2010)『orange-オレンジ』(2015)、ドラマ「クズの本懐」(2017)「コーヒー&バニラ」(2019)などに出演。Netflixシリーズ「今際の国のアリス」(2020)のニラギ役、「全裸監督」シーズン2(2021)のケンちゃん役が話題に。
公式サイト/公式Twitter @s__dori/公式Instagram @dorisakurada

実録映像だけのドキュメンタリー

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普段、殺人事件や痛ましい事件のニュースを見たとき、事件の状況と犯人の動機をニュースキャスターさんが話しているのを聞いて「なんでこんなことが起きてしまうんだろう」と思うことはあるんですけど、当事者じゃないので正直どこか現実とリンクしていないと思ってしまう感覚があります。僕が出ている芝居でも、人を殺してしまうようなシーンがあるけど、実際の事件を基にして作っていても結局は作り物なんです。

「アメリカン・マーダー: 一家殺害事件の実録」は、2018年に実際に起きてしまった事件なんですけど。4人家族で、奥さんと子供2人が行方不明になったから、旦那さんが捜索願を出して。実際の防犯カメラとか、隣人に聞き込みに行っている映像とかが使われていて。非常に生々しいとかそういうものじゃなくもう生の作品です。この作品のすごいところは、本当に実際の犯人が映っているし、行方不明になる前の親子の映像が使われていたりするから、よりリアルに感情が入ってきてしまうんですよ。

これは楽しめる作品でも、面白い作品でも、簡単に人にすすめられる作品でもありません。僕も観ていてすごくつらい気持ちになりました。ただ僕にとって深く心に刻まれた部分があって、目を背けてはいけない側面も描いています。

胸が痛くなる自供シーン

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とくに印象に残っているのが、実際のFacebookとかSNSの投稿の画面ですね。奥さんが結構SNSを多用している方だったんですよ。だからこそ失踪したときに、SNSが止まったりするわけじゃないですか。みんなそんなつもりがあって使ってないけど、いざ事件に巻き込まれてしまうと、それすらもちょっとした材料になってしまうというか。現代ならではのそういう要素なのか、怖いなって思いましたね。

あと、最後に犯人がしっかりと出てきて、自供するシーンがあるんですよね。取調室のシーンなんですけど。これまで僕も作品で犯人役をやったことがあるし、いろんな作品で犯人の自供のシーンを観てきたんですけど、本当の映像は観たことがなかったんですよね。この作品の犯人の自供のシーンを観て、すごく胸が痛くなるし。何も言えないって、このことだなっていう感じですね。

また犯人の動機が非常に悲しいんですよね。殺人を犯してしまうってことは許されないことなんですけど、ただそこに普段のニュースでは描ききれない犯人の動機とか、本当に苦しんでいる姿を見ると、同情だって言われるかもしれないですけど、犯人もどうにかして救うことができなかったのかなって思ってしまうんです。

生き方を見直す問題提起がある

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こうやって僕が話している間にも、世の中のどこかで犯罪に手を染めてしまう人たちがいて事件が起きてしまっているかもしれないと思うと、そこから目を背けてはいけないですよね。そこから自分の生き方を見つめ直して、自分の周りの人や環境も大切にしていこうという問題提起みたいなものは浮かびます。それが僕のなかでこの作品の唯一の学びだったり、今後に活かせることなのかなと思っています。

しかし、非常にショッキングな作品なので、視聴するかはご自身で考えて観ていただけたらいいなと思います。

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