【漫才台本】ダイエット(無料)
所要時間:約3分
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<あの突然なんやけど、ちょっと最近ダイエットせなアカンなと思てて>
「ダイエット?」
<うん>
「え、でもそんな太ってなくない?」
<いや、おれ脱ぎ太りするタイプやから>
「・・・着やせかな?」
<着やせ?>
「うん、脱いだら太るってことは」
<あ、お前の地元では着やせって言うんや!>
「地方性の違いではないと思うわ」
<へえー!じゃああれは?けいどろ?どろけい?>
「まぁけいどろやけど・・・」
<やっぱちゃうなぁ!おれの地元どろけいやねん>
「いや知らんけど・・・」
<え、じゃあ大富豪?大貧民?>
「大貧民」
<これも違うかあ!『じゃあ大貧民しよー』って言うんや。変な感じ。口が慣れてへん。え、じゃあ、じゃんけん?いんじゃん?>
「ダイエットは!?」
<・・・。>
「何、お前、地方性の違いの話で盛り上がりたいの?そんなもん大学生がサークルの飲み会でやるやつや。ダイエットの話してたんちゃうの?」
<あ、そやそや。おれダイエットせなアカンねん>
「そやろ、その話や」
<結構体重増えてもうてて>
「今何キロあんの?」
<今75キロ>
「結構あるね。全然見えへんけど」
<そやねん>
「元々は?」
<元々は3500グラム>
「産まれた時じゃなくて」
<元々って>
「元戻りすぎや。大人になってからのこと聞いてんねん」
<大人なってからな。・・・でも、おれ未だに子供っぽいって言われるからなぁ>
「どうでもいいどうでもいい。精神年齢の話は知らん。違うやんだから、何キロまで落としたいの?」
<あぁ、そういうことな>
「分かるやろだいたい」
<そやな、65キロにはしたいな>
「じゃあ、マイナス10キロや」
<どうしたらいいと思う?>
「まあ、とりあえず運動ちゃう?」
<運動って?>
「走ったりとかさ」
<なんでそんなことせなアカンの?>
「え?」
<なんでそんなしんどいことせなアカンの?>
「いやお前が言うたんやん」
<言ってない>
「言ったやん。痩せたいって」
<痩せたいとは言うたけど、走りたいとは言うてない>
「だから痩せたいんやったら、走ったら?って言うてんねん」
<君はバカか?>
「は?」
<おれは、楽して痩せたいねん>
「お前がバカや。今まで楽してきたから痩せなあかん状態になったんやろ」
<ええから、運動以外でないの?>
「無茶苦茶やな。ああ、じゃあ甘いもん食べんのやめえや。お前甘党やから、甘いもん控えるだけでだいぶ変わると思うで」
<あーなるほどな。でも、我慢は体によくないと思うねん。仮に痩せたとしても、リバウンドするかもしれへんし>
「それは、痩せた後も食べ過ぎんかったらええだけやん」
<それが出来ないから、今日(こんにち)の僕があるわけだ>
「なんやねんその喋り方」
<もっと楽に好きなもの食べて痩せる方法が、いいんだな>
「いいんだな、じゃないねん。そんな楽して痩せれる方法なんかないねん」
<あ、じゃあさ、一緒にやろうや>
「一緒に?」
<そう。誰かと一緒にやったら多少しんどくても頑張れる気がする>
「えー?おれもやらなアカンの?」
<うん。お前何キロ?>
「55キロぐらいちゃう?」
<じゃあ、どっちが先65キロまでいけるか勝負>
「おれ太らなアカンやん」
<ん?ああちゃうわ。どっちが先10キロ痩せれるか勝負>
「嫌やわ。おれ別に痩せたいと思ってへんし」
<お願い、おれのために>
「イヤイヤ。自分で頑張って」
<えぇー・・・。じゃあなんか楽に痩せれる方法ないの?>
「いやだから・・・、あ、1個いいのあるわ」
<なになに?>
「どんだけ好きなもん食べてもいいねん」
<ほう>
「ただ、夕方の6時以降は何も食べたらアカンねん」
<ああそれな>
「あ、知ってる?昔ちょっと流行ったよな?」
<それ1回試してん。で、1週間で3キロ落ちたわ>
「すごいやん。もっかいやったらええやん」
<ただ、これ1つ落とし穴があるって知ってる?>
「落とし穴?」
<うん>
「え、何?」
<おなかすく>
「当たり前や。だから、そういうのを我慢すんのがダイエットやねん」
<いやーおれには向いてないと思ったね>
「いやお前は自分に甘いだけや。そんなんやから、いつまでたっても痩せられへんねん」
<うーん、まあ、そういうとこも、甘党なんやろな>
「・・・ボケだけはガリガリ。 ありがとうございました」