『1万円起業』心覚え(1)何をビジネスにするか?
3つの円とNESW・・・成功するビジネス領域は、他人にとって有用である
『1万円起業ーーー片手間で始めてじゅうぶんな収入を稼ぐ方法』(※1)を読んで、起業するにあたって一番大事なことは「何をビジネスにするか」ということに改めて思い至った。この点を掘り下げて考えるため、自分の頭に残ったものを図にしておきたい。それが、『3つの円とNESW・・・成功するビジネス領域は、他人にとって有用である』の図である。
※1 飛鳥新社刊・クリス・ギレボー著・本田直之監訳
■ ニーズ(Needs)、情熱(Enthusiasm)、スキル(Skills)、欲求(Wants)
覚えやすくするため、北(North)、東(East)、南(South)、西(West)と同じ頭文字の語を配した。
■ 本質的なニーズ(Needs)を満たすものは買ってもらえる
たとえば、ノドが渇いているとき、水が欲しい。ノドの渇きをいやしたいというニーズに対して、具体的な手段として水が欲しいとなる。このとき、ミネラルウォーターを提供すれば、売れるであろう。本質的なニーズを見込み客が具体的に語ることは少ない。言葉にされないニーズを探り、それを具体的な商品・サービスと提供する。必ず売れるだろう。
■ 欲求(Wants)されるもの。それを提供する。
起業を考えるとき、好きなこと(情熱)、できること(スキル)を考えることは大事だが、顧客のニーズを満たす具体的な商品・サービスとして「お金になること」を提供するという観点は必須である。
本書『1万円起業』と「3つの円とNESW」
「3つの円とNESW」と頭に入れながら、『1万円起業』の第1部「気がつけば、起業家」の関連する部分を見ていこう。
■ 第1章 自分を再発見しようーーーあなたが「やってきたこと」には必ず別の使い道がある
この章の「KEY POINTS」の「最重要項目!」として強調されているのは「自分の情熱とスキルを、他人にとって有効なものと一致させよう」ということ。これは「3つの円とNESWの図」そのもの。
■ 第2章 「魚」を与えよ!ーーー幸せを箱に入れて売る方法
第2章はニーズ(N)を掘り下げもの。
お客様は「魚の取り方」を教えてもらいたいのではない。おいしくて幸せになれる「魚」が欲しい。
顧客のニーズを見誤ってはならない。本当のニーズ、コア・ベネフィットを満たすものを売ろうということ。
■ 第3章 情熱だけでは成功しないーーーあなたのしたいことを他人がほしがるものにリンクさせよう
すぐれたビジネスは他人の問題に回答を与えるもの。したいこと(情熱)をお金になること(Wants)に結びつけたい。
■ 第4章 ノマド起業の真実ーーー場所にとらわれない働き方をしたい?本当に?
「人に何を与えれらるのか」が第一。どこでも仕事ができるというのは二の次に。ノマドであることよりも、求められる商品・サービス(Wanted)は何かとの問いかけのほうが大事だ。
■ 第5章 顧客の年齢層を調べるなーーーあなたの顧客には共通点がある。ただしそれは古臭い分類には当てはまらない
ニーズの主役、顧客を理解することが大事。
顧客は、信念や価値観を共有する人たち。年齢、人種、性別に分ける必要はない。「私にいちばんしてほしいことは何ですか?」と聞くのもよし。
何をビジネスにするか?
本書の第1部では、何をビジネスにするかについての着眼点を与えてくれる。いろいろな人の起業の例が示されていて、何をビジネスにすべきかヒントを与えてくれるだろう。国も違えば、経験も好みも環境も異なる人たちの話だが、ビジネスのコアな部分は同じ。「3つの円とNESWの図」を自分に当てはめて考えてみよう。
おわりに・・・第2部、第3部は?
本書『1万円起業』の第2部は「さあ、街で売ろう」、第3部は「利益を増やす次の一手」。人の心をつかむ売り込みのコツ、事業を成長させる方法と続いていく。何かメモすべきことが見つかれば、同じように「心覚え」を残したい。