新鳳凰位・HIRO柴田プロの切れ味鋭い四暗刻単騎
「無冠の帝王」を返上です。
日本プロ麻雀連盟・HIRO柴田プロが第39期鳳凰位決定戦で優勝し、初の個人タイトルを獲得しました。
HIRO柴田プロはさまざまなタイトル戦で決勝に進出している強豪。ところが、あと一歩のところで栄冠に手が届いていません。
捲土重来で臨んだ今回の鳳凰位決定戦。3連覇を狙ったKONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人プロ、元鳳凰位の前田直哉、吉田直の両プロに対し、HIRO柴田プロは持ち前の攻守にバランスの取れた打ち回しで、着実にポイントを重ねて勝利しました。
日本プロ麻雀連盟の最高峰タイトルに輝いた安定感のある巧みなゲーム回しは素晴らしかったです。
HIRO柴田プロで印象に残る一局は、2017年11月の第34期鳳凰戦A1リーグ第11節C卓4回戦であがった四暗刻単騎のツモあがりです。
前田プロからダブルリーチを受けながらも、的確に放銃を避け、切れ味鋭く役満を仕上げました。
新たな鳳凰位に就いたHIRO柴田プロを祝い、この役満を振り返ります。
C卓4回戦は前田直哉プロ、伊藤優孝プロ、沢崎誠プロ、HIRO柴田プロの並び順。
南1局1本場を迎え、持ち点は西家・沢崎45900、東家・前田31900、北家・HIRO柴田23700、南家・優孝18500です。
親の前田プロがペンチャンでドラの3萬待ちでダブルリーチです。
前田プロはツモれば4000オールでトップ目に立てます。
山には3萬が3枚残っていました。
HIRO柴田プロの配牌。現物は索子のペンチャンターツの1索だけです。
1巡目に1筒をツモって1索を切りました。
字牌に手を掛けず、現物のあるペンチャンターツを外すHIRO柴田プロらしい丁寧な一打です。
HIRO柴田プロは2巡目に2筒、3・4巡目に続けて2索をツモりました。現物や筋の牌、字牌を切って放銃を避けながらリャンシャンテンです。
危険牌を次々と押していたトップ目の沢崎プロが5巡目に5萬をツモってイーシャンテンになりました。
沢崎プロの手はドラ色の萬子のホンイツ。前田プロのダブルリーチに一歩も引かず、あがりに向かいます。
HIRO柴田プロも5巡目に白を重ねてイーシャンテン。初めて危険牌の9萬を勝負しました。
守りを重視しながら打点の価値がある手になったら、しっかりと危険牌を押して攻めるHIRO柴田プロらしいバランスの取れた打ち回しです。
前田プロはなかなかあがれません。
HIRO柴田プロは7巡目に危険牌の5索をつかみ、初牌の中を切りました。
この中を沢崎プロが8巡目にポン。前田プロに追いつき、5索を切ってカンチャンの2萬待ちで聴牌しました。
沢崎プロはホンイツ・中・ドラ1の満貫の手です。
HIRO柴田プロは8巡目に3索をツモり、現物となった5索を切りました。
優孝プロは完全にオリに回っています。
沢崎プロは9巡目に5萬をツモ切りました。自身の手から4萬が4枚見えていたので、5萬を残して1萬を外す4萬・7萬待ちには変えず、カンチャンの2萬待ちに懸けました。
HIRO柴田プロは10巡目に7索をツモり、筋の3索を切りました。
HIRO柴田プロはなかなか欲しい牌が入りません。それでも11巡目に初牌で筋の1萬をツモ切り、イーシャンテンを維持します。
12巡目に8索を暗刻にしました。7索を押し、三暗刻確定のカンチャンの3筒待ちで聴牌です。
HIRO柴田プロは四暗刻への手変わりを狙って黙聴に構えました。3筒は山に3枚残っていました。
HIRO柴田プロは13巡目に白を暗刻にしました。2筒で四暗刻単騎待ちの聴牌です。
2筒は山に2枚残っていました。
けれども、HIRO柴田プロも聴牌した勢いから小休止して、一気にあがれません。
沢崎プロは17巡目にドラの3萬をツモり、3萬・發のシャンポン待ちに変えました。
その直後、HIRO柴田プロが17巡目に2筒をツモりました。
HIRO柴田プロは四暗刻の8000、16000(+1000)です。
前田プロのダブルリーチに対し、HIRO柴田プロは序盤は安全牌を切りながら静かに手を進めました。勝負手になったら一気に真っ向勝負に転じた切れ味鋭い役満のあがりです。
HIRO柴田プロには悲願の初タイトル獲得を機に、さらなる活躍を期待したいです。
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