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刀川プロ国士無双返しの次は小四喜 豪運のダブル役満の道も 【鳳凰戦A2】
国士無双返しの次は小四喜です。
2023年7月18日(火)に行われた日本プロ麻雀連盟の第40期鳳凰戦A2リーグ第4節D卓。刀川昌浩プロが1回戦の南2局に小四喜をあがりました。
刀川昌浩プロは2023年5月30日(火)のA2リーグ第3節A卓の3回戦で、前原雄大プロと国士無双の応酬を繰り広げています。
東2局に前原プロが刀川プロから直撃すれば、南4局1本場に刀川プロが前原プロからやり返すという劇的な一戦でした。
刀川プロは第4節D卓で小四喜をあがりました。ダブル役満の道もあった豪運の一撃です。
1回戦は刀川昌浩プロ、紺野真太郎プロ、三浦智博プロ、石川正明プロの並び順。
南2局を迎え、持ち点は西家・石川38400、南家・三浦31100、東家・紺野25500、北家・刀川25000です。
ラス目で親番のなくなった刀川プロの配牌です。場風の南と東がトイツで筒子のホンイツが狙える手が入りました。
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刀川プロは1巡目に6筒を重ねて二萬を切り、まっしぐらで一色手に向かいます。
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刀川プロは2巡目に一枚目の南をポンしました。
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すると、3巡目に西を重ねて1筒を切りました。
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さらに、4巡目に北も重ねて白を外しました。
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小四喜がとても現実味を帯びてきました。
刀川プロは5巡目に切ったばかりの白をツモり、トイツの6筒を1枚外しました。
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刀川プロは6巡目に3索をツモ切りました。
解説の前田直哉プロが指摘していたように、3索を残して6筒を続けて外したほうが、他家に索子の一色手に見せることを強調できたと思います。
刀川プロは7巡目に親の紺野プロが切った北をポン。小四喜のイーシャンテンです。
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一方、鳴き仕掛けをしていたトップ目の石川プロが10巡目に4筒・5索のシャンポン待ちでいち早く聴牌しました。
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刀川プロも11巡目に東を暗刻にして、2筒・5筒待ちで小四喜を聴牌しました。
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その直後、紺野プロが12巡目に5筒を切って放銃。刀川プロは小四喜の32000点です。
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紺野プロは刀川プロの手を索子の一色手と読んだようです。役満を放銃した紺野プロですが、この日の4試合で14.5ポイントのプラスでまとめたのはさすがです。
◎白を残していたらダブル役満!
刀川プロは見事に小四喜を決めました。
それでも、4巡目に白を残して、トイツの6筒を先に外していたらダブル役満をあがっていたかもしれません。
刀川プロが4巡目に北を重ねた手牌です。
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役満をあがるのには、筒子の3筒・4筒のターツか6筒のトイツのいずれかは不要となります。
ここでは、場に1枚も出ていない白を残して6筒のトイツを1枚外す選択がありました。
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もし、6筒を切っていれば、5巡目に白を重ねていました。
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この手順でもおそらく紺野プロは北を切っていたと思います。
7巡目にその北をポン。ここで白を外さずにダブル役満に狙いを絞れば、4筒を外してイーシャンテンです。
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刀川プロは10巡目に白を暗刻にしてドラの3筒を切り、東・西のシャンポン待ちで小四喜・字一色のダブル役満の聴牌です。
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そして、11巡目に東をツモあがります。小四喜・字一色の16000、32000です。
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ただし、7巡目にドラの3筒を先切りして、4筒を残したまま10巡目に聴牌したときに切れば、石川プロのタンヤオに放銃となります。
8巡目か9巡目にドラそばの4筒は3筒に続けて切っているはずなので、その可能性は低いです。
この一局では、その可能性が十分あっただけに、役満に愛されている刀川プロに激レアのダブル役満を見せてほしかったです。