見出し画像

近藤プロの左腕が光る日

 「レフトの日」の2022年2月10日(木)。Мリーグ2021-22の第2試合でセガサミーフェニックスの近藤誠一プロの左腕が光りました。南1局に的確な山読みで満貫をツモって勢いに乗り、その後も要所であがりを重ねて見事にトップを獲得しました。

 「0210」の「0」を「レ」、「2」を「フ」、「10」を「ト」とごろ合わせすることから2月10日はレフトの日とされています。左利きの近藤プロにとってげんの良さそうな日です。

 レフトの日に行われた第2試合はTEAM雷電の黒沢咲プロ、EX風林火山の勝又健志プロ、KONAMI麻雀格闘倶楽部の高宮まりプロ、セガサミーフェニックスの近藤誠一プロの並び順です。

 近藤プロは東場でほとんど手が入らず、ラス目で南1局を迎えました。持ち点は南家・勝又30800、西家・高宮26800、東家・黒沢23600、北家・近藤18800です。

 近藤プロにようやくチャンスが訪れ、4巡目に3萬をツモった手牌です。

左1

 「7萬・9萬」か「2筒・4筒」のどちらのカンチャン待ちのターツを外してイーシャンテンに取るかの選択です。近藤プロは4筒を切りました。

左2

 勝又プロが2枚、高宮プロが1枚、9萬を捨てており、近藤プロの持つ1枚を含め、9萬が4枚全て見えていました。それを受け、近藤プロは8萬が山に残っている可能性が強いと読みました。筒子を切ればイーペーコーの役がなくなるものの、3筒よりも8萬のほうが先に入ると判断しました。

 その読みは的中していました。3筒は黒沢プロと勝又プロにそれぞれ1枚あり、近藤プロにも1枚あるので残りは1枚のみ。一方、8萬は黒沢プロが1枚持っているだけで山に3枚残っていました。

 近藤プロは5巡目に8萬をずばっと引き入れ、2筒を切って4索・7索待ちでリーチします。

左3

 8巡目に4索をツモり、裏ドラが1枚乗って、リーチ・ピンフ・ツモ・裏ドラ1・赤ドラ1の2000、4000です。

左4

 この山読みはぜひ参考にしたいと思いました。近藤プロは勝又プロと2000点差の2着目に浮上しました。

 南2局は4人の手がぶつかり合いました。

 東家の勝又プロが8巡目に中をポンしていち早く4萬・7萬待ちで聴牌。

左5

 西家の近藤プロは「678」の三色を目指し、イーシャンテンでした。

左6

 8巡目に三色にならない5索をツモり、8索を切って聴牌。自身が4萬を2枚、6萬を1枚、9萬を1枚捨てていることや4萬の筋牌で出やすいとみて、カンチャンの7萬待ちでリーチします。

左7

 北家の黒沢プロが近藤プロの切ったこの8索をチーし、6萬・9萬待ちで聴牌。一気通貫の役があるので出あがりできます。

左8

 一方、勝又プロは10巡目に白をツモり、鳴き仕掛けをした黒沢プロに切れず、安全牌の5筒を切って聴牌を崩します。

左9

 近藤プロと黒沢プロのめくり合いになるものと思っていましたが、南家の高宮プロも10巡目に追いつき、1萬・4萬待ちで聴牌します。

左10

 「789」の三色が確定しており、4萬が出ればピンフ・三色・ドラ1の満貫、1萬が出ればチャンタが付いて跳満です。高宮プロは黙聴に構えました。

 高宮プロが絶好の大物手を聴牌した直後、黒沢プロが7萬をつかみ、近藤プロにリーチ・ドラ1の2600点を放銃しました。持ち点は近藤29400、勝又28800、高宮24800、黒沢17000で、近藤プロが2着目の勝又プロと600点差でトップ目に浮上しました。

 続く南3局は勝又プロが近藤プロから2600点を直撃し、近藤プロに4600点差で再びトップ目に立ちました。

 しかし、この日はまさにレフトの日で近藤プロに最後に追い風が吹きました。南4局に親の近藤プロは5巡目にドラの8筒を重ね、3萬・6萬待ちで聴牌しリーチ。

左11

 10巡目に力強く6萬をツモりました。リーチ・ツモ・ドラ2・赤ドラ1の4000オールです。

左12

 このあがりで大きくリードした近藤プロはトップを飾りました。インタビューでも「絶口調」。第1試合のインタビューで平均打点について「さがっちゃいました」を「しゃがっちゃいました」と言い間違えた松本圭世アナウンサーにお茶目な一撃。

 試合の振り返りで近藤プロは「唯一残念だったのはニーロクとかあがって平均打点が『しゃがっちゃったんじゃないか』と思ってね」とにやり。さらに、「有名なアナウンサーの方が話していたので、そうなんだ『しゃがった』が正しいのだと勉強になったと思っていました」と突っ込み、苦笑しながら「さがっちゃったです」と抵抗するまつかよアナとまさに漫才のようなやり取り。視聴者を爆笑の渦に包みこみました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?