独歩プロの国士無双で見えたあるある
山田独歩プロが2022年6月19日(日)の「麻雀最強戦2022 男子プロ理詰めの極致」のB卓で国士無双をあがりました。
放銃したのは茨城啓太プロです。国士無双で典型的な「麻雀あるある」のあがりでした。
B卓は茨城啓太プロ、山田独歩プロ、石川遼プロ、齋藤豪プロの並び順。東4局を迎え、持ち点は北家・石川38500、西家・独歩25100、東家・齋藤18700、南家・茨城17700です。
独歩プロの配牌です。1・9・字牌が9種10牌あります。
1巡目に9萬をツモって6筒を切り、いきなりリャンシャンテンです。
2巡目に1筒をツモって4萬を切り、超スピードでイーシャンテンになりました。
独歩プロの欲しい牌は東と中。東は山に1枚、中は2枚残っていました。
◎安全牌としての残しが裏目に
石川プロが4巡目、親の齋藤プロが5巡目に続けて東を切りました。
親の下家の茨城プロが5巡目に4萬をツモった手牌です。字牌が多く、聴牌に時間がかかりそうな手です。
茨城プロは石川プロ、齋藤プロに合わせて東を切らず、2人への安全牌として残して西を切りました。
手がバラバラなので複数に通る安全牌を持ちたくなるのは自然です。しかし、これが結果的に裏目となりました。共通安全牌として残した字牌が国士無双の放銃牌になることは麻雀で「あるある」だと思います。
◎今のうちにのつもりが手遅れ
独歩プロは5巡目に9索をツモって8筒を切りました。
手牌は全て1・9・字牌だけになりました。
独歩プロは7巡目に中をツモって9索を切り、東単騎待ちで国士無双の聴牌です。
東は場に2枚切られ、茨城プロが1枚持っていて、山に1枚残りです。
どう見ても国士無双狙いの独歩プロから捨て牌に初めて1・9・字牌が出ました。聴牌にかなり近づいていることが読めます。
石川プロは独歩プロが9索を手出ししたとき、もう1・9・字牌は切れないと判断したそうです。
けれども、まだ7巡目なのでこの局面では独歩プロの手はイーシャンテンと判断し、今のうちに1・9・字牌を処理しようとする打ち手も多くいるのではないかと思います。
茨城プロが8巡目に8筒をツモった手牌です。
茨城プロはここから場に2枚出ていた東を切り、独歩プロに国士無双を放銃しました。
今うちならばまだ間に合うと切った字牌が手遅れで国士無双の放銃牌になるのも麻雀で「あるある」ではないでしょうか。
国士無双をあがった独歩プロは石川プロとともに決勝に進出しました。
決勝は石川プロが大逆転で優勝しました。
麻雀最強戦に初出場だった茨城プロには厳しい結果となりました。けれども、将来最強位になれば、「初出場で国士無双を放銃した男が捲土重来で栄冠に輝いた」と新たな伝説になります。
リーグ戦やタイトル戦などで活躍している茨城プロが麻雀最強戦でリベンジする日を楽しみにしています。