優プロ逆転条件満たす渾身の手作り3発 あと1牌届かず【Мトーナメント】
オーラスに逆転で勝ち上がり条件を満たす渾身の手作りは、3発ともあとわずか1牌届きませんでした。
U-NEXT Pirates・鈴木優プロが2023年6月26日(月)のМトーナメント2023の予選1stステージJ卓で敗退しました。
それでも、優プロは第2試合のオーラスで予選2ndステージ進出を成し遂げる倍満ツモ、三倍満ツモの逆転条件に届く手を3度にわたり聴牌。
あと1牌が遠く、あがりには結びつかなかったものの、必死の粘りで麻雀ファンを魅了しました。
予選1stステージJ卓はU-NEXT Pirates・鈴木優プロ、セガサミーフェニックス・東城りおプロ、日本プロ麻雀協会・浅井堂岐プロ、日本プロ麻雀連盟・石井良樹プロが対戦しました。
堂岐プロと石井プロは「麻雀最強戦2023 タイトルホルダー頂上決戦」の決勝に続き、連日の対戦です。
2戦の総合ポイント上位2人が勝ち上がります。
第1試合の結果は堂岐76.2、石井12.7、東城-22.0、優-66.9。
第2試合は優プロ、堂岐プロ、東城プロ、石井プロの並び順です。
流局が続き、石井プロは南4局5本場(供託1)でラス親を迎えました。持ち点は北家・東城58400、南家・優プロ38300、西家・堂岐29800、東家・石井-27500です。
堂岐プロは2ndステージ進出が確実。残り一つの座を東城プロ、石井プロ、優プロが争っています。
第1試合でラスに沈んだ優プロ。2ndステージに勝ち上がるためには、三倍満ツモのほか、堂岐プロか石井プロから三倍満、東城プロから跳満の直撃が必要です。
いち早く聴牌したのは親の石井プロです。6巡目に1索・4索待ちでリーチしました。
石井プロは高めの4索であがれば、リーチ・タンヤオ・ピンフ・三色・イーペーコー・ドラ1・赤ドラ1の親の倍満。安めの1索でも親満、裏ドラが1枚乗れば親の跳満です。
優プロはこの手に飛び込めば、2ndステージの望みは絶たれます。
石井プロはなかなかツモれず、他家から出あがりもできません。
優プロは13巡目に危険牌の1筒を押して、チートイツの二萬単騎待ちで聴牌しました。
優プロはドラの3索がトイツなものの、三倍満ツモの逆転条件を満たす手ではありません。
黙聴に構え、2人聴牌の流局で倍満ツモに逆転条件が緩和される次局に懸けました。
優プロは石井プロのリーチに全くひるまず、危険牌を続けて通して2人聴牌の流局にこぎ着けました。
◎絶好の西単騎待ちは実らず
南4局6本場(供託2)で持ち点は北家・東城56900、南家・優39800、西家・堂岐28300、東家・石井-27000です。
優プロの逆転条件はツモだけ、三倍満ツモから倍満ツモになりました。
優プロの配牌。倍満ツモを狙うには厳しい手です。
優プロはドラ色の筒子のホンイツに向かわざるを得ず、萬子や索子を外していきました。
筒子のツモが効き、5巡目までに9筒とドラの2筒を重ね、赤5筒と西も引き入れました。
聴牌にはまだ遠いものの、大物手の予感が漂ってきました。
逃げきりを図る東城プロは7巡目に6筒、8巡目には8索を続けてチー。白の後付けでイーシャンテンです。
東城プロは10巡目に八萬をチー。1筒・白のシャンポン待ちでいち早く聴牌しました。白でしかあがれません。
優プロは9巡目に6筒をツモり、12巡目に發を重ね、リャンシャンになりメンゼンホンイツ・チートイツ・ドラ2・赤ドラ1の倍満の手です。
親の石井プロは連荘を目指して13巡目に六萬をチー。2筒・5筒待ちで追いつきました。
石井プロは一気通貫の役があるので出あがりできます。
優プロは13巡目に北を重ね、8筒を切ってようやくイーシャンテンにたどり着きました。
優プロが14巡目にツモったのが5筒。6筒を切ってついに、絶好の西単騎待ちで聴牌です。
その直後、堂岐プロが14巡目に西を切りました。メンゼンホンイツ・チートイツ・ドラ2・赤ドラ1の倍満で三倍満には届きません。
逆転条件を満たさず、優プロはもちろんあがりを見送ります。
次にツモ切りリーチを掛けようとしていた優プロ。ツモ番が来る前に親にあがられてしまいました。
石井プロが15巡目にドラの2筒をツモ。一気通貫・ドラ1の1000オール(+3800)です。
◎ドラの単騎待ちも空振り
南4局7本場で持ち点は北家・東城55300、南家・優38200、西家・堂岐26700、東家・石井-20200です。
優プロの逆転条件は倍満ツモのほか、堂岐プロか石井プロから三倍満、東城プロから跳満の直撃が必要です。
大逆転の勝負手が不発となった優プロ。それでも試合が続く限り、絶対にあきらめません。
この一局で親の石井プロは鳴き仕掛けで加点を狙いました。
石井プロは9索と白をポンし、12巡目に二萬・9筒のシャンポン待ちで聴牌です。
優プロも12巡目にドラの7索単騎待ちでリーチしました。
優プロはツモって裏ドラが1枚乗れば、リーチ・三暗刻・ツモ・ドラ2・赤ドラ1・裏ドラ1の倍満ツモ。大逆転で勝ち上がりです。一発ツモでも条件を満たします。
ドラの7索は山に1枚残っていました。
優プロが13巡目に一発でツモったのは4索。あがれず、裏ドラが必須となりました。
優プロは14巡目に二萬をつかみ放銃。石井プロはトイトイ・白の7700点(+3100)です。
優プロは今回もあがれませんでした。
南4局8本場で持ち点は北家・東城55300、南家・優27400、西家・堂岐26700、東家・石井-9400です。
優プロの逆転条件は三倍満ツモのほか、堂岐プロか石井プロから役満、東城プロから倍満の直撃が必要です。
7本場の石井プロへの放銃で条件はかなり厳しくなりました。
それでも、「戦闘民族」はけっして下を向きません。
8本場は石井プロが堂岐プロからリーチ・南の3900点(+2400)をあがり、しぶとく連荘しました。
「強引グ・マイウェイ」の異名で知られ、猛烈な攻めが売りの石井プロですが、この粘り強さも魅力です。
◎ツモり四暗刻も山にあがり牌残らず
南4局9本場で持ち点は北家・東城55300、南家・優27400、西家・堂岐20400、東家・石井-3100です。
優プロの逆転条件は8本場を迎えたときと変わりません。
優プロはこの一局でなんと、13巡目にツモり四暗刻を聴牌しました。4筒・6筒のシャンポン待ちです。
けれども、4筒・6筒は山に1枚も残っていませんでした。
優プロの渾身の手作りはあと1牌だけ、どうしても手に届きません。
9本場は優プロと土壇場で形式聴牌した石井プロの2人聴牌で流局。
めったいにない長期戦となり、南4局10本場(供託1)を迎えました。
持ち点は北家・東城53800、南家・優27900、西家・堂岐18900、東家・石井-1600です。
最後はあっけない決着でした。
堂岐プロが2巡目に白をポンし、一萬・四萬待ちで超特急の聴牌。
堂岐プロは4巡目に6筒をツモり、9筒を切りました。
堂岐プロは6巡目に二萬をツモって、手の中から二萬を切って一萬・四萬待ちを目立たせました。
東城プロはこの二萬の空切りを見て、6巡目に一萬を差し込みました。
堂岐プロは白の1000点(+4000)です。
ようやく堂岐プロと東城プロの勝ち上がりが決まりました。
第2試合の最終結果は東城49800、優27900、浅井23900、石井-1600。
予選1stステージJ卓の最終結果は浅井60.1、東城47.8、石井-48.9、優プロ-59.0です。
優プロ渾身の勝負手は一つぐらい実ってほしかったです。あがっていれば、Mトーナメントで語り継がれる一撃になったと思います。
特に、南4局6本場のメンゼンホンイツ・チートイツの西単騎待ちはツモる場面を見たかったです。
優プロがインタビューで話しているように麻雀は聴牌がゴールではありません。これからの対局でぜひ、「伝説のあがり」を決めてほしいです。