優プロと渋川プロの明暗を分けた一局【Мリーグ】
南2局の選択が明暗を分けました。
2023年12月8日(金)のMリーグ2023-24レギュラーシーズン第96戦です。U-NEXT Pirates・鈴木優プロがKADOKAWAサクラナイツ・渋川難波プロとのトップ争いを制し、個人連勝を果たしました。
渋川プロは南2局の選択が裏目となり、トップ目で親の優プロから満貫直撃を逃し、逆に2900点を放銃。
放銃を逃れて連荘した優プロは南2局2本場に決め手となる6000オールをあがりました。
KADOKAWAサクラナイツ・渋川難波プロ、U-NEXT Pirates・鈴木優プロ、BEAST Japanext・猿川真寿プロ、セガサミーフェニックス・茅森早香プロの並び順。
優プロと渋川プロが激しいトップ争いを演じました。
東2局に東家・優プロは南家・猿川プロ、西家・茅森プロとの三つどもえのリーチ合戦を制しました。
リーチ・タンヤオ・ツモ・赤ドラ1・裏ドラ1の4000オール(+2000)です。持ち点は38600点となり、トップ目に立ちました。
しかし、東2局1本場に東家・優プロは西家・茅森プロとのめくり合いに敗れ、裏ドラ3枚が乗った満貫を放銃しました。
茅森プロはリーチ・ドラ1・裏ドラ3の8000点(+300)です。
東3局を迎え、持ち点は北家・優30300、南家・茅森29800、西家・渋川20300、東家・猿川19600。
トップ目の優プロは2着目の茅森プロと500点差の接戦となりました。
この一局で渋川プロが一気にトップ目に浮上します。
渋川プロは親の猿川プロとのリーチ合戦に勝ち、会心の一発ツモを決めました。リーチ・タンヤオ・ピンフ・一発・ツモ・ドラ1・赤ドラ1の3000、6000(+1000)です。
渋川プロの持ち点は33300点となり、2着目に落ちた優プロに6000点差をつけました。
さらに、東4局に南家・渋川プロはリーチ・ツモ・裏ドラ1の1000、2000をあがってリードを広げました。
南1局を迎え、持ち点は東家・渋川37300、南家・優26300、北家・茅森24800、西家・猿川11600。
この一局で優プロが逆転して再びトップ目に立ちます。
優プロは茅森プロとのリーチ合戦に勝利。リーチ・チートイツ・ツモ・赤ドラ1の2000、4000(+1000)です。
リーチ棒が飛び交う攻め合いが続いています。
南2局を迎え、持ち点は東家・優35300、北家・渋川33300、西家・茅森21800、南家・猿川9600。
満貫の親被りで渋川プロとはトップ目の優プロと2000点差の2着目になりました。
この一局が優プロと渋川プロの明暗を分けました。
親の優プロは5巡目に白をポン。いち早くイーシャンテンです。
一方、渋川プロは8巡目に絶好の赤5索を引き入れ、「345」の三色のイーシャンテンです。
渋川プロは浮いているドラの一萬を引っ張っています。
危険牌になりそうなドラを先切りしたいところを、高打点にこだわって残す渋川プロらしい攻めの打ち筋です。
この粘りが見事に的中。9巡目に一萬を重ねました。
渋川プロは10巡目に4筒を重ね、1索を外しました。
渋川プロは11巡目に5筒をチー。4筒を切って二萬・五萬・八萬待ちで聴牌です。
ただし、「345」の三色がつかない二萬ではあがれません。
優プロが12巡目にこの4筒をポン。すかさず5索・8索待ちで追いつきました。
渋川プロが12巡目にツモったのが3枚目のドラの一萬です。
六萬を切れば、「345」の三色確定の七萬単騎待ちに取れます。三色・ドラ3・赤ドラ1の8000点の手です。
渋川プロは3巡目に四萬を切っていて、筋の七萬は五萬・八萬よりも出やすいです。また、後から単騎待ちの牌を変えられるメリットもあります。
さらに、二萬をツモったときにフリテンになるのが嫌なので、七萬単騎待ちにしても良いのではないかと思っていました。
しかし、渋川プロは場に1枚も出ていない五萬・八萬待ちに手応えを感じていたようです。少考後に一萬をツモ切りました。
これが痛恨の裏目となりました。
優プロは13巡目に七萬をツモりました。
優プロはノータイムで七萬をツモ切りました。
もし、渋川プロは七萬単騎待ちに取っていれば、優プロから満貫を直撃していたと思います。
試合後に優プロはYouTubeの配信で渋川プロの待ちを「五萬・八萬」が本命と読んでいたことを明かしています。
おそらく、渋川プロが手出しで六萬を外して七萬単騎待ちに変えても、優プロは七萬をツモ切りしていたのではないでしょうか。
渋川プロはトップ目からの満貫直撃を逃しました。
優プロは14巡目に赤五萬を引き入れ、二萬を切って入れ替えました。
渋川プロは二萬ではあがれません。
渋川プロはその直後、14巡目に8索をつかみ放銃。優プロはタンヤオ・赤ドラ1の2900点です。
優プロは結果的に2着目への満貫放銃を逃れ、逆に2900点を打ち取りました。親番を維持する価値の高いあがりとなりました。
一方、渋川プロはトップ目に浮上するチャンスを逃し、悔しい一局です。
勢いに乗った優プロは南2局1本場に東のみの1500点(+300)をあがって親番をつなぎ、2本場に一発ツモの一撃を決めました。
優プロは渋川プロ、猿川プロとのめくり合いを制し、リーチ・タンヤオ・一発・ツモ・ドラ1・赤ドラ1の6000オール(+1600)です。
この日の優プロは赤ドラに愛されていました。東2局に続き、親でリーチして赤ドラのツモあがりです。
優プロの持ち点は59600点となり、大きく抜け出しました。
その後、渋川プロが猛追したものの届かず、優プロは逃げきりました。
第96戦の結果は優50700、渋川41100、茅森4800、猿川3400。
優プロは第87戦に続き、個人連勝です。
「戦闘民族」の名にふさわしい切れ味鋭い攻めに魅せられました。