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これぞ「セレブ打法」跳満3発【Mリーグ】

 TEAM雷電・黒沢咲プロがМリーグ2021-22の2021年12月3日(金)の第2試合で、チームを今季19戦ぶりの勝利に導くトップを飾りました。自身は開幕戦以来の2勝目です。

  長いトンネルの先から光が見えるトップをもたらしたのは、これぞ「セレブ打法」といえる強烈な跳満3発でした。

 黒沢プロは鳳凰戦A1リーグに所属し、プロクイーンなどを獲得しているプロ雀士です。大胆な攻めの打ち筋から「強気のヴィーナス」の愛称で知られています。

 優雅な雰囲気と普通は仕掛けるところでも鳴かずにメンゼンを貫き、高打点を仕上げることから「セレブ打法」の打ち手として人気を集めています。

 Мリーグでは毎季、個人ランキング上位に入り、「セレブ打法」の破壊力を見せつけていますが、今季は苦戦を強いられ、チームも最下位に低迷しています。

 この日の第1試合でチームメイトの萩原聖人プロがオーラスでまくられ、2位にとどまった直後の第2試合。黒沢プロは悪い流れを断ち切り、必ず勝利しようという強い思いで臨みました。

 赤坂ドリブンズ・園田賢プロ、TEAM雷電・黒沢咲プロ、KADOKAWAサクラナイツ・沢崎誠プロ、渋谷ABEMAS・白鳥翔プロの並び順です。

 黒沢プロは南家でスタートした東1局から好調でした。5巡目に6萬とドラの西のシャンポン待ちでリーチします。

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  少し時間はかかりましたが、12巡目にドラの西をツモり、リーチ・ツモ・ドラ3・赤ドラ1の3000、6000です。これが1発目の跳満でした。

 2発目は南1局。南家の黒沢プロは7巡目に聴牌し、1索・4索待ちでリーチします。

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 リーチ合戦の相手となった園田プロから4索を打ち取りました。槓ドラに4萬、裏ドラに7筒が乗ってリーチ・イーペーコー・ドラ1・裏ドラ2・赤ドラ1の12000点です。

 しかし、沢崎プロが「まむたん」らしいさすがの粘りで黒沢プロにぴたりと追走。南3局2本場を迎えて700点差でトップ目となります。

 黒沢プロは跳満を2回あがっていたにもかかわらず、2位に転落していました。持ち点は沢崎41600、黒沢40900、白鳥19100、園田-1600です。

 北家の黒沢プロにまずまずの配牌が入りました。

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 黒沢プロは最初に6萬をツモり、1筒を切ります。高打点を狙ったいきなりのトイツ落としで、「セレブ打法」らしい思いきった手順です。

 順調にツモが伸び、7巡目でイーシャンテンになります。

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 10巡目に上家の園田プロから5筒が切られました。黒沢プロは全く微動だにせず、チーしませんでした。

 親番のなくなった終盤の南3局で、トップ目とはわずか700点差であることから、ここでは次のように5筒をチーして8筒を切り、喰いタンヤオ・ドラ1・赤ドラ1の2萬・5萬待ち3900点の聴牌に構える人が多いと思います。

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 しかし、ここで鳴かず大物手に仕上げるのが「セレブ打法」の真骨頂です。

 黒沢プロはチーを見送った直後に7筒をツモって2萬・5萬待ちでリーチ。リーチ・タンヤオ・ドラ1・赤ドラ1の満貫確定の手となりました。

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 黒沢プロは14巡目に赤5萬をツモあがりします。リーチ・タンヤオ・ツモ・ドラ1・赤ドラ2の3000、6000(+600)です。

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 得意の打ち筋が見事に決まった3発目の跳満で黒沢プロはトップ目に立ち、沢崎プロに18100点差をつけました。この大量リードを守って逃げ切り、待望のトップで対局を終えました。

 黒沢プロは勝利インタビューで雷電ユニバースと麻雀ファンへの感謝の言葉を述べるとともに、「これをきっかけに(TEAM雷電の)4人で駆け上がりたい」と決意を示しました。

 チームメイトに勇気を与え、長いトンネルを抜け出す貴重な勝利だったと思います。瀬戸熊直樹プロとの「雷電ダービー」など活躍が楽しみです。


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