与那城プロ奇跡の四暗刻から大逆転で決勝進出【PRINCESS OF THE YEAR】
日本プロ麻雀協会・与那城葵プロが奇跡の四暗刻から大逆転で決勝進出を果たしました。
2023年9月8日(金)に行われたPRINCESS OF THE YEAR2023 SemifinalのB卓です。
SemifinalはA卓とB卓に分かれ、それぞれ3戦で総合ポイント上位2人が勝ち上がります。
与那城プロは総合ポイント4位で迎えた最終戦(3回戦)の南3局1本場に四暗刻をツモ。2位に100点差まで迫ったオーラスにタンヤオ・赤ドラ1の2000点をあがり、逆転で決勝進出です。
◎御崎プロのあがらずから「ドラマ」
B卓はいずれも日本プロ麻雀協会の御崎千結プロ、与那城葵プロ、水崎ともみプロ、田なべもえプロが対戦しました。
2回戦終了時の総合ポイントは水崎44.4、御崎35.0、田なべ-30.7、与那城-48.7。
最終戦は与那城プロ、田なべプロ、御崎プロ、水崎プロの並び順。
南3局1本場を迎え、持ち点は東家・御崎37800、西家・与那城22900、南家・水崎20300、北家・田なべ19000です。
総合ポイントで下位の田なべプロと与那城プロは親番を終え、御崎プロと水崎プロの決勝進出が濃厚となっていました。
ここから与那城プロの大逆転の「ドラマ」が始まります。
きっかけは御崎プロの「あがらず」でした。
3筒・6筒待ちで黙聴の御崎プロが13巡目に3筒をツモった手牌。
あがればピンフ・ツモ・赤ドラ1の1300オール(+300)です。
最終戦で御崎プロはトップ目です。連荘して次局、他家に高い手をあがられるよりもノーテンで流局し、オーラスに持ちこんだほうが良いと判断。悩んだ結果、あがらずに5筒を切り、聴牌を崩しました。
2人勝ち上がりで総合ポイント1位に立っているので、十分ありの選択です。ところが、これがとんでもないまさかの裏目となりました。
総合ポイントで大きく沈む与那城プロが17巡目に6索をツモり、四暗刻の8000、16000(+300)です。
御崎プロは4200点を増やすことができたのに、16000点の親被りとなりました。
◎オーラスぎりぎりの攻防
南4局を迎え、持ち点は南家・与那城55200、北家・御崎21700、東家・水崎12200、西家・田なべ10900です。
総合ポイント3位になった与那城プロは2位の水崎プロと100点差まで迫りました。あがれば大逆転で決勝進出です。
前局に激痛の御崎プロですが総合ポイント1位を確保。ラス親の水崎プロに逆転されず、与那城プロに12000点以上放銃しなければ勝ち上がりです。
総合ポイント4位の田なべプロはダブル役満をあがるしかありません。
わずか100点差をめぐり、オーラスはぎりぎりの攻防となりました。
いち早く聴牌したのは鳴き仕掛けをしていた与那城プロです。9巡目に四萬・七萬のノベタン待ちに取りました。
水崎プロは四萬が浮いていて大ピンチでした。
11巡目に四萬に引っつく五萬を引き入れ、6索を外して放銃をきわどくかわしました。
水崎プロは14巡目に追いつきました。六萬をツモり、5筒・8筒待ちで聴牌です。
その直後、与那城プロが14巡目にツモったのが8筒です。
与那城プロは8筒をツモ切り、四萬・七萬のノベタン待ちを維持すれば、水崎プロに放銃。大逆転の夢は絶たれます。
与那城プロは七萬を切って、5筒・8筒待ちに変えました。こちらも紙一重のところで放銃回避です。
御崎プロも自ら決着をつけにいきました。14巡目に四萬をチー。一気通貫の確定した東単騎待ちで聴牌しました。
東は山に3枚残っていました。オリることのできない与那城プロと水崎プロは東をつかめば放銃です。
まさに、手に汗握るぎりぎりの攻防となりました。
水崎プロが17巡目にツモったのが7筒です。
与那城プロには切りにくい危険牌。水崎プロは9筒を外し、7筒・2索のシャンポン待ちに変えました。
この待ち変えの一打が明暗を分けました。
田なべプロが17巡目に8筒を外して放銃。親の水崎プロに連荘してもらおうと、差しこみに行き、与那城プロにあがられてしまったようです。
与那城プロはがっちりと決勝の「切符」をつかむタンヤオ・赤ドラ1の2000点です。
もし、水崎プロが7筒を押して待ちを変えず、5筒・8筒待ちを維持していれば、頭ハネで水崎プロのあがりでした。
解説の浅井堂岐雀王が激賞する熱戦。B卓から御崎プロと与那城プロが決勝進出しました。
麻雀では度々、「あがらず」の選択から全く予想だにしないことが起こります。
これまでも何度か、そのような場面を観戦してきました。その中でも特に今回の与那城プロの大逆転は劇的でした。