
白銀プロ一牌の後先で悲運 幻の国士無双【AKRacing杯】
一牌の後先で幻の国士無双の悲運です。
日本プロ麻雀連盟・白銀紗希プロが2023年8月31日(木)の2023AKRacing杯
の予選C卓で惜しくも決勝進出を逃しました。
白銀プロは2着目で迎えた2回戦の南3局1本場。北か發をツモれば国士無双聴牌というイーシャンテンで、4枚目の北が切られた直後に發をツモって聴牌。
国士無双はあまり警戒されていなかったようで、先に發をツモって聴牌していれば、役満の一撃で勝ち上がりを決めていました。
白銀プロにとって痛恨の一局となりました。
AKRacing杯は2戦勝負で順位点はなく、合計得点を競い、トップ者のみ勝ち上がれます。
予選C卓はEX風林火山・二階堂亜樹プロ、KADOKAWAサクラナイツ・岡田紗佳プロ、セガサミーフェニックス・魚谷侑未プロ、日本プロ麻雀連盟・白銀紗希プロが対戦。
2回戦は白銀プロ、岡田プロ、魚谷プロ、亜樹プロの並び順。
勝負どころとなったのは南3局1本場です。
1・2回戦を合わせた持ち点は南家・亜樹49600、西家・白銀34400、北家・岡田21000、東家・魚谷15000。
2着目の白銀プロの配牌です。1・9・字牌が8種10牌あります。

白銀プロは萬子のホンイツ狙いに見せながら、国士無双を目指しました。
2巡目に東、3巡目に9筒を引き入れ、リャンシャンテンです。

5巡目に1筒をツモり、早くもイーシャンテンです。八萬より先に9索を切りました。

白銀プロの欲しいのは北とドラの發。北は魚谷プロが2枚、岡田プロが1枚持っていました。發は岡田プロに1枚あり、山に3枚残っていました。
白銀プロが国士無双をあがるのではないかと、わくわくしていました。
白銀プロは6巡目に白を重ね、八萬を切りました。

ここまでの捨て牌は4索、2筒、8索、2筒、9索、八萬。他家からは国士無双よりも萬子のホンイツ手に見えたようです。
3着目の岡田プロが6巡目に北を切りました。
トップ目の亜樹プロが7巡目に4枚目の北をツモりました。チートイツのイーシャンテンで攻守兼用で残し、5筒を外しました。

山に北はなくなりました。けれども、白銀プロはすぐ發をツモって国士無双を聴牌すれば、亜樹プロか魚谷プロから直撃するチャンスです。
ラス目で親の魚谷プロが8巡目に5筒をツモった手牌です。

魚谷プロは「345」の三色やタンヤオ・ピンフへの移行を図り、トイツの北を1枚外しました。

北が親の現物になったので、亜樹プロは8巡目に5索をツモ切り、北を残します。

ここで白銀プロが發をツモれば、国士無双の大チャンスです。
ところが、白銀プロが8巡目にツモったのが白。聴牌できません。

魚谷プロと亜樹プロは9巡目に不要牌をツモ切り、北は残ったままです。
けれども、白銀プロも9巡目に發をツモれません。
魚谷プロは10巡目に3筒をツモって5索を切りました。北を安全牌としてまだ手牌に残しています。

亜樹プロも10巡目に7筒をツモ切り、親のリーチに備え、北を安全牌としています。

大チャンスの続く白銀プロですが10巡目も2筒をツモ切り、イーシャンテンのまま変わりません。

魚谷プロは11巡目に「お帰り」の5索をツモりました。ついに北を切りました。

北は亜樹プロの手牌にある1枚のみになりました。
亜樹プロは11巡目に3枚目の二萬をツモって空切り。北を親に合わせて外しません。

白銀プロは11巡目も五萬をツモ切り。もう一牌がなかなか引けません。
亜樹プロは12巡目に四萬をツモり、6索を切りました。

白銀プロは12巡目に3筒をツモ切り。結果的に最後のチャンスを逃した形となりました。

亜樹プロは13巡目に八萬をツモり、4枚目の北を外しました。

ついに白銀プロの国士無双は露と消えました。
その直後、亜樹プロの下家の白銀プロが13巡目に引き入れたのがなんと發です。白を切って北単騎待ちで国士無双の聴牌ですが、すでに4枚全て場に出ています。

一牌の後先で運命が大きく変わる麻雀の恐ろしさをまざまざと見せつけられました。
この一局は親の魚谷プロの1人聴牌で流局しました。
国士無双を逃した白銀プロですが、南3局2本場(供託1)に岡田プロから跳満をあがり、トップ目の亜樹プロに600点差まで迫りました。
しかし、白銀プロは南4局に亜樹プロに親満を放銃。惜しくも及びませんでした。
白銀プロは今年4月の「麻雀最強戦2023 最強&インフルエンサー決戦」の決勝でも字一色を聴牌したものの、あがれませんでした。
白銀プロが「三度目の正直」で役満をあがる場面をぜひ見たいです。