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点棒授受の誤り 「雨降って地固まる」に【Mリーグ】
点棒授受の誤りで後味の悪い一戦になってしまいました。2022年3月29日(火)のMリーグ2021-22のセミファイナル第12戦です。選手と組織が一体となって、早期に再発防止を進めてほしいです。
第12戦はKADOKAWAサクラナイツ・岡田紗佳プロ、U-NEXT Pirates・石橋伸洋プロ、KONAMI麻雀格闘倶楽部・伊達朱里紗プロ、EX風林火山・勝又健志プロの並び順です。
ラス前の南3局1本場に親の伊達プロが北家の石橋プロに跳満を放銃。伊達プロは点棒授受の際、無意識のうちに誤って供託の千点棒を自分の点数箱に入れてしまいました。
伊達プロだけでなく、あがった石橋プロや岡田プロ、勝又プロも気づかず、そのままオーラスの南4局が行われました。
正しい持ち点は西家・石橋31400、南家・岡田29100、東家・勝又28600、北家・伊達10900です。
ところが、選手たちは点棒授受の誤りに気づいていなかったので、石橋プロが1000点少なく、伊達プロが1000点多い持ち点で認識していました。自動卓には石橋30400、伊達11900と表記されていたようです。
本来ならばトップ目の石橋プロと2着目の岡田プロの点差は2300点ですが岡田プロは1300点差と思っていました。
1300点差ならば石橋プロからの1000点直撃や300、500のツモあがりで逆転し、トップに立てます。岡田プロは喰いタン1000点の手で鳴き仕掛けをしました。
ABEMAの放送では正しい持ち点が視聴者に示されていました。岡田プロの逆転トップに届かない仕掛けに首をひねった人もたくさんいたはずです。解説の瀬戸熊直樹プロも説明できず言葉を失っていました。
視聴者が見ている持ち点と選手の認識が違ったので、こんな理解不能なことが起きてしまったのです。あってはならないことです。
岡田プロの仕掛けがあった後、審判が対局を中断して持ち点の誤りの指摘しました。これで岡田プロの狙いがようやく分かりました。1300点差ならば喰いタンは十分ありえます。
審判の指摘を受け、伊達プロから石橋プロに千点棒が渡されました。2人の持ち点を正しいものにして、対局はそのまま続行となりました。
石橋プロと2300点差になったので、岡田プロはすでに直撃してもツモあがりしても逆転できません。
結局、岡田プロが勝又プロからあがって2位のまま終了。点棒授受の誤りに気づかなかった全選手の責任なのですが、すっきりしなかったはずです。
対局を視聴していて、岡田プロは本来ならばしなかったはずの仕掛けをしてしまったのが分かり、後味の悪さが残りました。多くのМリーグファンももやもやした気持ちだったと思います。
試合の行方を左右する持ち点は麻雀の根幹です。持ち点によって取れる戦術は変わります。今回のようにたった1000点でも大きな違いがあります。岡田プロは2300点差ならば同じ仕掛けをしていません。点棒授受と持ち点の誤りは絶対に避けたいです。
せっかく審判がいるのだからすぐ気づいてほしいです。Мリーグで点棒授受の誤りを何度か見たことがあります。次局がだいぶ進んでから審判が選手に修正を求める場面もありました。
審判の業務が大変なのは理解するものの遅すぎます。もっと早く確認できるようにしなければいけません。
デジタル化の時代です。自動卓の選手の点数を審判がリアルタイムで見て確認できるなど新たな方策を実施してほしいです。
また、ゲスト解説の日などに審判が試合後の選手インタビューまで担うのは理解しがたいです。Мリーグの組織には、審判が本来の業務に集中し、きちんと機能する体制を築いてもらいたいです。それが今できていないのならば課題を見つけ、できるように改善しなくてはいけません。
もちろん点棒授受で一番責任あるのは選手たちです。点棒授受の際、確認をもっと徹底する必要があります。特に、放銃した選手とあがった選手の2人だけに絡むロンあがりの場合は要注意です。他の2人はどうしてもチェックが甘くなるからです。
人間だからミスがあるのは仕方ありません。それでも対局者4人でしっかりと確認し、審判のチェックも行き届けば、点棒授受が誤ったままの対局続行はなくなると考えます。
今季のМリーグは大詰めを迎えています。今回のようなことがまた起こると、せっかくの盛り上がりが興ざめになります。
今回の件を糧にして、選手と組織が力を合わせ、識者からもアドバイスを受け、抜本的な再発防止策を打ち出してほしいです。「雨降って地固まる」になるよう願っています。