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大舞台の経験を糧にりなたんのさらなる飛躍を期待【麻雀最強戦】
大舞台の経験を糧にりなたんのさらなる飛躍を期待したいです。
日本プロ麻雀連盟・安藤りなプロは2023年11月12日(日)の「麻雀最強戦2023 ザ・リベンジ」のA卓で敗退。12月の「麻雀最強戦2023 ファイナル」の進出を逃しました。
2人勝ち上がりのこの試合では、スピードで他家に遅れることが多く、厳しい展開を強いられました。
U-NEXT Pirates・鈴木優プロが抜け出し、安藤プロは三つどもえとなった2位争いを懸命に戦いましたがラスで終了しました。
それでも、プロ雀士ならば誰もが参戦したい麻雀最強戦の舞台に立ち、Мリーガーら強豪と戦った経験は今後につながると思います。
A卓は日本プロ麻雀連盟・内田みこプロ、U-NEXT Pirates・鈴木優プロ、最高位戦日本プロ麻雀協会・村上淳プロ、日本プロ麻雀連盟・安藤りなプロの並び順。
この試合で安藤プロにとって痛恨の一局となったのは東2局1本場です。
持ち点は東家・優40200、西家・安藤24000、北家・内田23800、南家・村上12000。
東2局に村上プロから親満を直撃した優プロがトップ目に立ち、残り1つの決勝進出の座をめぐり、安藤プロ、内田プロ、村上プロが三つどもえで争う展開となっています。
3着目の内田プロと200点差で安藤プロは2着目につけています。
安藤プロは自風の西と役牌の發をトイツ、ドラを1枚持っていました。6巡目に8筒をツモり、イーシャンテンです。
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8巡目に五萬をツモり、6索を外しました。
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ドラの三萬を引き入れてイーペーコーを完成させ、西・發のシャンポン待ちで聴牌すればベストです。
トップ目で親の優プロが9巡目に發をツモ切りました。
安藤プロは9巡目にこの發をポン。いち早く三萬・六萬待ちで聴牌です。
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優プロの親を流そうと、鳴き仕掛けで早い聴牌を優先。あがりに向かいました。
ラス目の村上プロが12巡目に八萬をツモり、追いつきました。ペンチャンの三萬待ちでリーチです。
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安藤プロが14巡目につかんだのは村上プロに無筋で危険牌の4索です。
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安藤プロは4索を押せず、現物の8筒を外して聴牌を崩しました。
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安藤プロは2位以上を確保するため、親満を放銃して沈んでいるラス目の村上プロとは戦いたくないという判断です。
これが痛恨の裏目となりました。
村上プロが15巡目に六萬をツモ切りました。
もし、安藤プロが4索を勝負していたら發・ドラ1の2000点(+1300)でした。悔しいあがり逃しです。
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この一局は村上プロの1人聴牌で流局しました。
試合後のインタビューで安藤プロはこの一局を後悔していました。あがっていたらその後の展開も違っていたので残念です。
解説を務めていた最強位連覇中のTEAM瀬戸雷電・瀬戸熊直樹プロは、安藤プロが4索をツモったとき、「やめはないと思う」と述べました。
麻雀最強戦のような短期決戦では、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の格言通り、リスクを背負って攻めに出たほうが良い結果につながることは多いです。
瀬戸熊プロはそれを経験則でよく理解しているので、押しを推奨したのだと思います。
安藤プロはトップ取りの試合ならば、迷わず4索を勝負していたはず。2人勝ち上がりの条件がいつもより慎重にさせました。
これも「最強戦の魔物」かもしれません。
A卓の結果は優37200、内田29200、村上17100、安藤16500。
たくさんの麻雀ファンが観戦する大舞台でぎりぎりの攻防を経験したりなたん。それを糧として、きっと大きく飛躍すると確信しています。