石川プロが理詰めの極致で大逆転優勝
日本プロ麻雀連盟の石川遼プロが2022年6月19日(日)の「麻雀最強戦2022 男子プロ理詰めの極致」で優勝し、12月に行われる「麻雀最強戦2022」のファイナルに進出しました。
石川プロは決勝のオーラスに懸命な手作りで跳満をツモり、ラス目からの大逆転で優勝に輝きました。
石川プロは「すずめクレイジー」の天鳳ネームで第4代天鳳位になった強豪です。守りが堅く、メンゼンで高打点を目指す丁寧な手作りに定評があります。
男子プロ理詰めの極致は理論派として知られるプロ雀士が出場。A卓で園田賢、鈴木たろう、村上淳、朝倉康心、B卓では山田独歩、石川遼、齋藤豪、茨城啓太の8人のプロが激戦を繰り広げました。
決勝に勝ち上がったのは園田、たろう、独歩、石川の4プロ。独歩、石川、園田、たろうの並び順です。
たろうプロが勝負どころで跳満をあがり、トップ目で迎えた南4局。持ち点は東家・たろう35300、北家・園田24500、南家・独歩20900、西家・石川19300です。
逆転優勝する条件は園田プロが満貫ツモ、独歩プロと石川プロが跳満ツモです。
石川プロはなかなか手が入らない耐えに耐える厳しい展開が続きました。それでも粘り強さと我慢で、南4局を迎えてラス目だったものの跳満ツモでトップの条件を残しました。
石川プロの配牌です。萬子の一色手かドラを重ねたチートイツで跳満ツモを狙いたい手です。
場風の南は園田プロと持ち持ちでした。
石川プロは3筒をトイツで重ね、1萬を2枚続けて引き入れた6巡目の手牌です。
ここから4萬を外して萬子の一色手を見切り、チートイツ・ドラ2の手を目指します。
一方、園田プロもチートイツ・ドラ2の手作りをしていました。10巡目に7筒をツモった手牌です。
園田プロは7筒を暗刻にして残し、5萬を切ってチートイツからトイトイ・三暗刻へ狙いを変更します。
石川プロは12巡目に7萬を重ね、イーシャンテンです。
園田プロも12巡目に6筒を暗刻にしてイーシャンテンです。
さらに、13巡目には独歩プロが切った7索を鳴き、ドラの4索を切って聴牌です。
園田プロは5索と南のシャンポン待ちです。トップに立つためには三暗刻が付くツモあがりが必要です。南は石川プロと持ち持ちで、5索が1枚山に残っていました。
独歩プロが14巡目に5索をツモって聴牌。園田プロのあがり牌はなくなり、逆転トップの可能性はなくなりました。
独歩プロは1萬・4萬待ちです。ピンフ・ドラ1の手で跳満ツモの条件を満たすには裏ドラ期待になるので手変わりを待って黙聴に構えます。
たろうプロはオリに回り、流局での逃げきりを目指していました。
石川プロは15巡目に待望のドラの4索を重ねて聴牌しました。
ツモれば逆転トップの条件を満たすチートイツ・ドラ2の9萬単騎待ちでリーチです。山には1枚あがり牌が残っていました。
独歩プロも17巡目に最後の勝負を懸け、一発ツモを狙ってツモ切りで1萬・4萬待ちでリーチします。
その直後、石川プロが17巡目にツモったのが9萬です。リーチ・チートイツ・ツモ・ドラ2の3000、6000(+1000)のあがりです。
最終点数は石川32300、たろう29300、園田21500、独歩16900です。石川プロは見事な逆転優勝です。
手が入らない展開でも辛抱し、たろうプロに点数が大きく離されないよう粘り強く戦ったことがオーラスの土壇場で跳満ツモにつながりました。
初進出となったファイナルでもその持ち味を発揮してほしいです。