
マルチな才能あふれる浅見プロの役満
最高位戦日本プロ麻雀協会の浅見真紀プロが8月30日に誕生日を迎えました。
プロ雀士としての試合はもちろん、タイトル戦の実況、選手へのインタビュー記事、千葉大学工学部デザイン工学科で培った技術を活かしたポスターや動画のデザイン・企画など最高位戦のPR活動でも多彩な才能を発揮しています。
特に、今年の最高位戦A1リーグ開幕に関する企画・デザインは秀逸で魅せられました(選手それぞれの写真は日本プロ麻雀協会の愛内よしえプロが担当しています)。
開幕まであと1週間です。#最高位戦A1リーグ pic.twitter.com/wh06Kxx9DO
— 最高位戦日本プロ麻雀協会 (@saikouisen) March 2, 2022
また、タイトルを続けて獲得している小宮悠プロへのインタビュー記事も読み応えがあり、素晴らしい内容でした。
そこで、マルチな活躍の目立つ浅見プロの誕生日を祝福し、2011年の第9回女流モンド杯予選第4戦であがった懐かしい国士無双を紹介します。
浅見プロは全く他者にスピードが遅れていたバラバラの手からツモが効いて追いつき、ラス目から一撃を決めたとても印象に残る役満でした。
浅見プロが強烈なあがりをものにした一局を振り返ります。
予選第4戦は二階堂亜樹プロ、宮内こずえプロ、涼崎いづみプロ、浅見真紀プロの並び順。東3局1本場を迎え、持ち点は西家・亜樹44800、東家・涼崎25600、北家・宮内18200、南家・浅見11400です。
ラス目の浅見プロの配牌です。8種8牌のバラバラの手です。
浅見プロは国士無双と萬子のホンイツの両天秤で手を進めます。
3巡目までに1・9・字牌を1枚も引き入れず、4巡目にようやく1筒をツモりました。
親の涼崎プロは5巡目にイーシャンテンです。
トップ目の亜樹プロも6巡目にイーシャンテンです。
3着目の宮内プロには大物手が入っていました。6巡目にツモり四暗刻のイーシャンテンです。
浅見プロだけスピードが遅れ、1人だけ取り残された場況でした。
ところが、捨て牌が2列目となった7巡目から浅見プロのツモが効きます。7巡目に南、9巡目に9筒、10巡目に1萬をツモり、国士無双のイーシャンテンです。
欲しい牌は北と中です。北は宮内プロと涼崎プロがそれぞれ1枚切っていて残り2枚、中は亜樹プロが2枚切っていてこちらも残り2枚、山に残っていました。
宮内プロは8巡目に7筒をツモりました。8筒を切れば4筒・西のシャンポン待ちで聴牌です。
しかし、宮内プロはあくまでも四暗刻狙いで7筒をツモ切り、聴牌に取りませんでした。
亜樹プロは9巡目に3萬をツモり、メンツ手とチートイツの両天秤のイーシャンテンに構えます。
いち早く聴牌したのは一番スピードの遅れていた浅見プロでした。11巡目に北をツモり、国士無双の中単騎待ちで黙聴に取ります。
ここまで1・9・字牌が1枚も余っていません。浅見プロの聴牌を察知するのはなかなか難しいです。
涼崎プロが12巡目に追いつき、ペンチャンの7萬待ちでリーチしました。
涼崎プロはリーチ・一気通貫の手で、ツモれば4000オールです。
浅見プロは12巡目に6索をツモりました。涼崎プロに通っていませんが当然ツモ切ります。
浅見プロが親のリーチに一発で危険牌を切ったことで、国士無双の聴牌、もしくはイーシャンテン濃厚と周囲に伝わりました。
一方、亜樹プロは11巡目と12巡目に続けてドラの5筒を引き入れ、チートイツの5萬単騎待ちで聴牌。黙聴に構えます。
大物手が入っていて四暗刻狙いで聴牌に取らなかった宮内プロが1人だけイーシャンテンです。
亜樹プロが13巡目につかんだのは自身で3枚目となる中です。亜樹プロは浅見プロの国士無双がイーシャンテンと判断したようでツモ切りました。
これが浅見プロに放銃。浅見プロは国士無双の32000点(+1300)のあがりです。一気にラス目からトップ目に浮上しました。
浅見プロはこの役満で勢いに乗り、第9回女流モンド杯では予選を首位で決勝に進出しました。決勝では石井あやプロに敗れましたが予選、決勝を通じて巧みな打ち筋が光りました。
また、浅見プロが試合で活躍する姿を楽しみにしています。