清水プロが女流モンド杯優勝
「セメントクイーン」の異名で知られる清水香織プロが第19回女流モンド杯で優勝しました。第1回の覇者が8年ぶりの出場で18年ぶりの栄冠。女流プロのレジェンドが見事に復活を果たしました。
清水プロは女流モンド杯のナビゲーターを務めていて、今回が復帰戦となりましたがその攻めは健在でした。
予選の序盤は苦戦を強いられましたが終盤にギアを上げて決勝進出。代名詞の一気通貫をあがって勢いに乗りました。
魚谷侑未、日向藍子、清水香織、池沢麻奈美の4プロによる第1戦と第2戦の総合ポイントで争う決勝戦では、第1戦で持ち前の攻めがさく裂。四暗刻をあがって総合トップに立ちました。
第2戦は流局6回のじりじりとした戦いになりました。魚谷プロ、清水プロ、池沢プロ、日向プロの並び順です。
最初に抜け出したのは第1戦でラスだった池沢プロです。東2局2本場に南家で跳満をあがります。
北家の魚谷プロが南を放銃し、ホンイツ・南・發・ドラ2の12000点(+1600)です。池沢プロは続く東3局でも親で2000オールをあがります。
しかし、東4局2本場に南家の魚谷プロが北家の池沢プロとのリーチ合戦を制し、池沢プロから5200点(+1600)を直撃して接戦となりました。
南1局を迎え、第2戦の持ち点は池沢32200、日向24600、清水24400、魚谷18800。第1戦で2位だった魚谷プロがラス目なので、清水プロには良い展開です。けれども点差が少ないので魚谷プロがトップに浮上すれば、総合順位もすぐ逆転されます。
南1局が勝負どころとなりました。西家の池沢プロがカンチャンの2索待ちで聴牌。ジュンチャン・三色・ドラ1の満貫の手です。
北家の日向プロもカンチャン5萬待ちで聴牌。イーペーコー・ドラ2の手で黙聴に構えます。
清水プロも7萬と3筒のシャンポン待ちで聴牌していました。
清水プロが最後にツモったのが2萬です。
2萬、5萬、7萬を切れば聴牌を維持できますが5萬は日向プロのあがり牌です。2萬、7萬はジュンチャン系の仕掛けをしている池沢プロに危険そうです。
清水プロは「あがれるものならばあがってみろ」と言わんばかりに力強く2萬をツモ切りし、放銃を避けて聴牌を維持しました。セメントクイーンらしいこの強気な選択は大きかったです。当面のライバルの魚谷プロが1人ノーテンで最後の親番もなくなりました。
その後、流局が3回あり、南場のあがりは南3局2本場の魚谷プロのリーチ・ツモの500、1000(+1600)だけ。第2試合は最終点数が池沢29000、日向23900、清水23700、魚谷23400の大接戦でした。
清水プロは丁寧な打牌で放銃を避け、取れる聴牌料はきちんと取って、1度もあがりがないものの1度も放銃せず、第1試合のリードを守りきりました。第2試合はセメントクイーンには珍しい「ノー和了・ノー放銃」です。
清水プロは25周年の節目に成し遂げた優勝にインタビューで「感無量で言葉も出てきません」と喜んでいました。モンド王座決定戦でも活躍を期待したいです。
今回初めて女流モンド杯のナビゲーターを担当した望月雅継プロの解説はとても良かったです。打ち手の狙いを分かりやすく説明してもらえ、ゲスト解説の女流プロに気配りし、コメントを引き出すのも巧みでした。来年もぜひ継続してほしいです。
◇第19回女流モンド杯決勝最終ポイント
①清水+43.7②池沢-1.7③魚谷-16.8④日向-25.2