河野高志プロの百戦錬磨の鋭い勝負勘【令昭位戦A1】
百戦錬磨の鋭い勝負勘に魅せられました。
2023年8月10日(木)に行われた第15期令昭位戦A1リーグ第7節B卓の1回戦です。
RMU・河野高志プロが南4局に抜群の切れ味の一撃を決めました。
第7節B卓の1回戦は仲川翔プロ、松ヶ瀬隆弥プロ、筒井七夜プロ、河野高志プロの並び順。
南4局を迎え、持ち点は北家・筒井43000、南家・仲川29900、東家・河野27600、西家・松ヶ瀬19500です。
ラス目の松ヶ瀬プロが6巡目にいち早く聴牌。2索・5索待ちでリーチしました。
松ヶ瀬プロはリーチ・ピンフ・ドラ1の手です。ツモって裏ドラが1枚乗れば3位、2枚乗れば2位に浮上できます。
松ヶ瀬プロの捨て牌は東、9筒、北、南、4索、二萬。強い河で待ちが読みにくいです。
3着目で親の河野プロがリーチ直後の7巡目にカンチャンの7筒を引き入れた手牌です。
河野プロは萬子と筒子が好形のイーシャンテン。安全牌もなく、チャンス手なので反撃したいところです。
河野プロは3筒の暗刻を頼りにまず2筒を押しました。
そして8巡目に絶好の4索を引き入れました。
松ヶ瀬プロが7巡目にツモ切りしたので、7筒が現物になっています。
けれども、急所のカンチャンを続けてツモって聴牌しました。当然、勝負に向かいます。どの聴牌に取るかの選択です。
3筒を切れば五萬・八萬待ちに取れます。タンヤオ・ピンフ・ドラ1の手なので、リーチすれば親満確定です。
ただし、筒井プロが五萬を1枚、八萬を2枚すでに切っていました。自身の手牌にある五萬を含め、五萬・八萬が4枚見えています。
七萬を切れば三萬・六萬待ちです。三萬・六萬は場に1枚も出ていませんが、ピンフの役はなくなります。
六萬を切ればノベタンの四萬・七萬待ちです。四萬・七萬は場に1枚も出ていませんが、こちらもピンフの役はなくなります。
四萬を切れば六萬単騎待ちです。これは現実的ではないと思います。
難しい選択を迫られた河野プロは危険牌の六萬を力強く押し、ノベタンの四萬・七萬待ちでリーチしました。
これがずばり的中しました。松ヶ瀬プロが8巡目に四萬をつかみ、一発で放銃。
河野プロは裏ドラが1枚乗り、リーチ・タンヤオ・一発・ドラ1・裏ドラ1の12000点(+1000)です。
重要な局面で鋭い勝負勘を働かせ、「正解」を導きだして一撃を決めるのが河野プロの特長。令昭位3回、十段戦3連覇などさまざまなタイトルを獲得している強さの秘訣がここにあります。
河野プロの持ち点は40600点となり、トップ目の筒井プロと2400点差の2着目に浮上。続く南4局1本場は筒井プロがあがり、逃げきってトップを獲得しました。
惜しくも2位だった河野プロですが、持ち味を十分発揮した一局でした。
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