内川プロ光る二萬押し 苦戦続きから待望の今年初勝利【Мリーグ】
安堵の表情を浮かべながら、試合後の優しい笑顔が印象的でした。
2024年4月16日(火)のMリーグ2023-24セミファイナル第11戦です。
レギュラーシーズンで苦戦の続いていたKADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎プロが、待望の今年初勝利です。
東1局に見せた強気な二萬ツモ切りからの満貫が見事でした。
第11戦はKONAMI麻雀格闘倶楽部・高宮まりプロ、渋谷ABEMAS・松本吉弘プロ、KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎プロ、赤坂ドリブンズ・浅見真紀プロの並び順。
内川プロは東1局でめくり合いを制しました。
いち早く聴牌したのは南家・松本プロです。9巡目に2筒をチー。カンチャンの六萬待ちです。
松本プロは白・赤ドラ2の3900点の手です。
連荘を目指し、鳴き仕掛けをしていた東家・高宮プロ。11巡目に1索をツモり、五萬・八萬待ちで追いつきました。
高宮プロは中のみの1500点の手です。
高宮プロは12巡目に初牌でドラの東をツモりました。
安い手の聴牌でドラを切ることはさすがにできず、1索を切ってイーシャンテンに戻しました。
松本プロは13巡目に五萬をツモって七萬を切り、三萬・五萬のシャンポン待ちに変えました。
萬子のチンイツの手を進めていた西家・内川プロ。13巡目にこの七萬をチー。一萬を外し、四萬・七萬待ちで聴牌です。
北家・浅見プロも13巡目に5索を重ね、チートイツのドラの東単騎待ちで聴牌しました。
浅見プロは黙聴に構えました。
親の高宮プロも14巡目に東を重ね、五萬・八萬待ちで再び聴牌です。
高宮プロは中・ドラ2の5800点の手になりました。
東1局からいきなり、4人の手がぶつかり合う勝負どころです。
内川プロが14巡目にツモったのが二萬です。
五萬を切れば、一萬・三萬・四萬・六萬・七萬・九萬待ちで聴牌。ただし、一萬を切っているのでフリテンです。
しかも、五萬は高宮プロと松本プロに通りません。頭ハネで高宮プロのあがりとなります。
三萬を切れば、五萬・八萬待ちで聴牌。
しかし、松本プロに通りません。
八萬を切れば、一萬・三萬・四萬・六萬・七萬待ちで聴牌。
これもフリテンで、しかも高宮プロに通りません。
内川プロは手を止めて考えた後、二萬をツモ切りしました。四萬・七萬待ちを続行です。
難しい選択を迫られながらも放銃をぎりぎりのところで回避し、強気に二萬を押す正解を導きだしました。
すると、高宮プロが16巡目に3枚目のドラの東を引き入れました。
内川プロは見え見えの萬子の一色手です。高宮プロが六萬と七萬を勝負しにくく、東を切れば、黙聴の浅見プロに放銃となります。チートイツ・ドラ2の6400点です。
高宮プロは六萬か七萬を切り、いずれかの単騎待ちに取れば、ダブ東・中・ドラ3の18000点の聴牌です。
高宮プロは七萬を切り、六萬単騎待ちを選び放銃。
内川プロはチンイツの8000点です。
幸先良いスタートを切ってトップ目に立った内川プロ。その後、高宮プロに逆転されたものの、持ち前のバランスの取れた打ち回しで再逆転。Mリーグで今年初勝利を飾りました。
第11戦の結果は内川47900、高宮29700、松本11800、浅見10600。
内川プロは東1局のいきなりきた勝負どころを強気な二萬押しで制し、勢いに乗ったことが大きかったです。
内川プロは今季のレギュラーシーズンで厳しい戦いが続き、個人ポイントは-204.8で36人中31位。
KADOKAWAサクラナイツでは、4選手の中で一人だけマイナスでした。
チームのリーダーとして人一倍責任感の強い内川プロなので、不甲斐ない成績に、じくじたる思いはあったはずです。
それだけに試合後のほっとした様子と笑顔に、喜びがひしひしと伝わってきました。
このトップをきっかけに内川プロの巻き返しを期待したいです。