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不撓不屈の麻雀 魚谷プロの真髄

 不撓不屈の麻雀を目の当たりしました。強い意志を持ってどんな困難にもくじげず、最後まであきらめずに戦う魚谷侑未プロの真髄です。

 女性対決となった「麻雀最極決定戦!サバイバルバトル極雀 season35極雀」の最終戦でセガサミーフェニックスの魚谷侑未プロが大逆転優勝を目指し、驚異の追い上げを見せました。

 四暗刻ツモをきっかけに勢いに乗り、圧倒的に優位な立場だったフリーアナウンサーの松本圭世さんを一時ハコ下に沈め、極めて厳しい優勝条件を満たしました。

 けれども、松本さんが懸命にハコ下から抜け出し、極雀位に輝きました。魚谷プロは2位に終わったものの、観戦していた麻雀ファンを魅了する闘牌でした。

 魚谷プロが強烈な粘りを見せた最終戦を振り返ります。

 極雀は特別ルールです。全て東場で50分打ち切り。1本場1500点です。

 順位を重視しており、8戦して星の獲得総数を競います。各試合で1位は3個、2位は2個、3位は1個、4位は0個です。

 ただし、点数がハコ下になると星はマイナス2個となります。例えば3位で終えてもハコ下だったら星はマイナス1個となります。

 マイナス分の星は1位に加算されます。通常は星3個ですが、1人ハコ下だったら5個、2人ハコ下だったら7個、3人ハコ下だったら9個獲得できます。

 最終戦を迎え、星の獲得数は松本さん19個、魚谷プロ13個、フリーアナウンサーの阿部あき子さん6個、女流棋士の香川愛生さん4個です。

 優勝の可能性があるのは松本さんと魚谷プロです。星が6個差あります。魚谷プロは最終戦でトップを取って、松本さんをハコ下にしなければ優勝できません。

 松本さんはハコ下にさえならなければラスでも逃げきれます。とても優位な立場で最終戦に臨みました。

◎ゆーみん四暗刻で逆転の口火

 最終戦は阿部さん、香川さん、松本さん、魚谷さんの並び順。東2局にいきなり魚谷プロの大物手がさく裂しました。持ち点は西家・魚谷27000、東家・香川25000、南家・松本25000、北家・阿部23000です。

 魚谷プロの配牌です。トイツが3組あります。

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 ここからツモが縦にすごく効きました。2巡目に西を重ね、4巡目に7萬、5巡目に2萬を暗刻にしてイーシャンテンです。

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 7巡目に5索を重ね、8巡目に西を暗刻にしてツモり四暗刻の聴牌。1索・5索のシャンポン待ちです。

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 魚谷プロは松本さんからの直撃を狙って黙聴に構えました。

 12巡目に1索をツモ。8000、16000のあがりです。

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 魚谷プロは四暗刻で逆転の口火を切りました。

 続く東3局。南家の魚谷プロは自風の南を3巡目に鳴き、いち早く4萬・7萬待ちで聴牌しました。

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 ドラを2枚、赤ドラを1枚持ち、8000点の手です。

 親の松本さんも負けじと7巡目に7筒単騎待ちでリーチしました。

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 リーチ・メンゼンホンイツ・チートイツ・赤ドラ1の手です。親の跳満確定でツモれば倍満です。これをあがれば優勝がぐっと近づきます。

 2人の一騎打ちとなりましたがあがったのは魚谷プロです。9巡目に7萬をツモりました。南・ドラ2・赤ドラ1の2000、4000(+1000)です。

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 東4局を迎え、持ち点は魚谷68000、阿部13000、松本12000、香川7000。魚谷プロの連続あがりで松本さんに余裕がなくなってきました。ひたひたと迫る魚谷プロのすごいプレッシャーを感じていたのではないかと思います。

 ここから一矢報いようと、今度は香川さんがあがりを重ねます。

 東4局にリーチしていた松本さんから1600点、東5局には魚谷プロから満貫をあがりました。

 東6局を迎え、持ち点は魚谷60000、香川17600、阿部13000、松本9400です。松本さんはラス目になりました。

 魚谷プロ、香川さん、松本さんの3人の手がぶつかりました。

 西家の魚谷プロが7巡目に7萬・5筒・8筒待ちでリーチしました。

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 親の香川さんも追いつき、8巡目にドラの5萬と南のシャンポン待ちでリーチです。

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 松本さんは發を鳴いて筒子の一色手を進めていました。2人のリーチ直後の手牌です。

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 松本さんは香川さんのリーチ宣言牌の3筒をチー。南を切ってイーシャンテンに取りました。

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 この南で香川さんに放銃。香川さんはリーチ・ドラ2の7700点です。

 東6局1本場を迎え、持ち点は魚谷59000、香川26300、阿部13000、松本1700です。松本さんの持ち点プラスは風前の灯火です。

 香川さんがまたもあがりをものにしました。5萬とドラの發のシャンポン待ちでリーチし、5萬をツモりました。

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 香川さんはリーチ・ツモ・ドラ2・赤ドラ1の4000オール(+1500)です。

 東6局2本場を迎え、持ち点は魚谷54500、香川39800、阿部8500、松本-2800です。

 ついに魚谷プロが逆転条件を満たしました。このまま終了すれば魚谷プロが逆転優勝し、極雀位に就きます。

◎まつかよ攻め貫きハコ下から浮上

 ここから「まつかよ」の愛称で人気を集めている松本さんが反撃します。

 東6局2本場はリーチした松本さんの1人聴牌で流局。東7局3本場は魚谷プロが阿部さんの7筒を打ち取り、2600点(+5500)加点しました。

 東8局を迎え、持ち点は魚谷61600、香川38800、阿部400、松本-800です。松本さんがハコ下から浮上できるかが焦点です。

 この大事な一局で松本さんに起死回生のあがりが出ました。4筒・7筒待ちで「567」の三色の手を聴牌。黙聴に構え、高めの7筒をツモりました。

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 松本さんはピンフ・三色・ツモ・ドラ1の2000、4000です。

 持ち点は魚谷57600、香川36800、松本7200、阿部-1600です。松本さんは攻めを貫き、ハコ下から浮上しました。

 松本さんは東9局には魚谷プロから3900点を直撃し、そのままプラスで試合を終えて優勝しました。

 魚谷プロの追い上げは素晴らしかったです。「絶対にあきらめない」という思いの伝わる闘牌でした。

 その魚谷プロの追い上げを振りきって極雀位を獲得した松本さんも見事でした。Mリーグのリポーターなどで活躍し、トッププロの激戦を間近で多く体感している経験が活かされているように感じました。

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