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欲張りすぎるとまさかの落とし穴

 ラス目で迎えたオーラスの親番。大物手をあがって一気にトップ目に浮上し、大きくリードしました。波に乗って連荘でさらに加点を目指したくなるものです。

 けれども欲張りすぎると、まさかの落とし穴でもったいない結果に終わることがあります。第22回モンド杯予選第11戦の石橋伸洋プロがそうでした。獲得できたはずのポイントが雲散霧消。麻雀の恐ろしさをまざまざと見せつけられました。

 モンド杯は12人のプロが予選で各自6戦し、上位2人が決勝進出、下位2人が敗退となります。残る8人が準決勝で各自1戦し、上位2人が決勝進出します。予選ではどのプロも準決勝を戦わずに決勝に行ける2位以内を目指しています。

 第11戦は佐々木寿人プロ、柴田吉和プロ、浅井堂岐プロ、石橋伸洋プロの並び順です。

 各自3戦を終えた個人総合ポイントはU-NEXT Piratesの石橋プロが108.9ポイントで3位、KONAMI麻雀格闘倶楽部の寿人プロが69.9ポイントで4位、柴田プロが53.4ポイントで5位、浅井プロが7.9ポイントで6位です。

 流局が続いて石橋プロが親番を迎えた南4局2本場(供託2)。持ち点は西家・柴田36500、北家・浅井24100、南家・寿人21500、東家・石橋15900です。

 ここでラス目の石橋プロが大物手をあがります。

まさか1

 トイトイ・三暗刻・白・ドラ3・槓ドラ2の8000オール(+2600)です。

 親の倍満ツモあがりで、持ち点は石橋42500、柴田28300、浅井15900、寿人13300です。石橋プロは一気にトップ目に浮上しました。

 石橋プロは勢いに乗り、続く3本場ではリーチしてツモあがりしました。

まさか2

  裏ドラが1枚乗り、リーチ・ツモ・ドラ1・裏ドラ1の4000オール(+900)です。親満のあがりで持ち点は石橋55400、柴田24000、浅井11600、寿人9000です。石橋プロは2着目に30000点超の大きなリードを得ました。

 石橋プロは4本場でもリーチします。4筒・7筒待ちでリーチ・タンヤオ・ピンフ・ドラ1の親満確定の手です。 

まさか3

 しかし、石橋プロの1人聴牌で流局。持ち点は石橋57400、柴田23000、浅井10600、寿人8000です。

 絶好の手をあがれなかったので、石橋プロは5本場(供託1)ではオリて、トップ確定で対局を終わらせるものと見ていました。

 ところが、石橋プロは連荘を選択しました。

 5本場で石橋プロは最後のツモ番を迎え、イーシャンテンでした。

まさか4

 ここから上家の浅井プロが切った7索をチーして4索を切り、4萬・7萬待ちで聴牌。柴田プロの1人ノーテンで流局し、6本場を迎えることになりました。

まさか5

 石橋プロは個人総合ポイントで上位につけていることもあり、さらなる加点を目指しました。これがまさかの落とし穴にはまり、欲張りすぎる結果となってしまいました。

 6本場(供託2)でラス目の寿人プロが四暗刻をツモ。大逆転でトップを獲得し、石橋プロは痛恨の2位に落ちました。

 第11戦を終えた6位までの個人総合ポイントです。

 ①白鳥翔163.4②石橋伸洋129.7③佐々木寿人125.7④村上淳109.0➄柴田吉和24.8⑥鈴木達也6.8

 石橋プロは2位に上がったものの、3位とわずか4ポイント、4位とは20.7ポイントの差です。2位以内に入ってストレートに決勝進出するためには、予選残り2戦が予断を許しません。

 さらに、モンド杯4回優勝を誇る寿人プロを好位置につけさせたのも懸念材料です。

 一方、石橋プロが5本場で聴牌せず、流局で対局を終えていたら6位までの個人総合ポイントはこのようになっていました。

 ①石橋伸洋175.8②白鳥翔163.4③村上淳109.0④柴田吉和54.9➄佐々木寿人29.4⑥鈴木達也6.8

 石橋プロは1位に上がり、3位と66.8ポイント、4位とは120.9ポイントの差です。予選残り2戦に関してかなり余裕を持って臨めます。

 また、石橋プロは6本場を選択したことにより、結果的に取れるはずの46.1ポイントをあっという間に失いました。これは痛手です。

 もちろん、オーラスにトップ目がラス目に役満でまくられることなどめったにありません。けれども、そのまさかが起こるのが麻雀の面白く、恐ろしいところだと思います。

 すごく手が入っていたので、石橋プロがポイントを稼げるときに稼ごうと連荘を選択した気持ちはよく分かります。それでも個人総合ポイントを考えると、5本場で欲張りすぎず、冷静に牌を伏せて流局することが正解だったと思います。



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