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滝沢プロの華麗な大三元

 滝沢和典プロが2022年5月11日(水)のKONAMI麻雀格闘倶楽部最強戦出場マッチで優勝しました。チームメイトとの激戦を制し、6月5日(日)の「麻雀最強戦2022Mリーグスペシャルマッチ」の出場権を獲得しました。

 佐々木寿人プロ、滝沢和典プロ、高宮まりプロ、伊達朱里紗プロが対戦。滝沢プロの決め手となったのは大三元の聴牌に取らずにあがったホンイツ・小三元の跳満です。

 滝沢プロは次の手牌のイーシャンテンでした。

滝沢1

 ここから白をポン。7萬を切れば6萬と發の高め大三元のシャンポン待ちに取れます。

滝沢2

 しかし、滝沢プロはあがりやすさを優先して6萬を切って5萬・8萬待ちの聴牌を選択しました。

滝沢3

 滝沢プロはすぐに5萬をツモり、大きくリードしてそのままトップで逃げきりました。

滝沢4

 役満にこだわらない自然な手順です。この一局を見ていて、滝沢プロが2010年の第11回モンド杯予選第14戦で華麗にツモった大三元を思い出しました。そのあがりを振り返ります。

 予選第14戦は鈴木達也プロ、石橋伸洋プロ、滝沢和典プロ、佐々木寿人プロの並び順。南1局を迎えて持ち点は東家・達也39800、北家・寿人25000、南家・石橋22600、西家・滝沢12600です。

 滝沢プロの配牌です。メンツはないものの、發と中をトイツ、白を1枚持ち、大物手を狙いたい手です。

滝沢5

 滝沢プロは1巡目にドラの7萬をツモった後、2巡目に發をポンします。

滝沢6

 手牌はバラバラです。けれども、ここからツモが効きます。

 3巡目に9萬を重ね、5巡目には6索をツモりました。さらに6巡目に中を暗刻にしてリャンシャンテンです。

滝沢7

 滝沢プロは7巡目に7索をツモりました。

滝沢8

 多くの打ち手がドラの7萬のくっつきを狙って4萬を切ると思います。

滝沢9

 ところが、滝沢プロはドラの7萬を切ってイーシャンテンに構えました。

滝沢10

 白が場に見えていないことから、大三元に不要なドラを早めに切り、白の2枚引きによるあがりを目指しました。この選択がずばり的中です。白は山に3枚残っていました。

 滝沢プロは8巡目に白をツモり、9萬と白のシャンポン待ちで聴牌です。

滝沢11

 9萬は達也プロと持ち持ちで山にはなく、白だけ2枚残っていました。

 一方、メンゼンで「678」の三色の手を作っていた寿人プロが12巡目に滝沢プロが切った7筒をチーして聴牌です。

滝沢12

 5索・8索待ちで高めの8索であがれば、タンヤオ・三色・ドラ2の満貫です。

 麻雀では鳴きが入ることによって、ツモ順が変わり、役満のあがりにつながることがよくあります。この一局もそうでした。

 滝沢プロは13巡目に白をツモりました。大三元で8000、16000です。

滝沢13

 滝沢プロは第11回モンド杯の予選ですでに四暗刻をあがっており、2つ目の役満でした。ドラを早めに処理した華やかな大三元です。

 スター性のあるタッキーには役満がよく似合います。KONAMI麻雀格闘倶楽部最強戦出場マッチを観戦していて、大三元の聴牌に取らないのは当然と考えながらも、それでも狙ってほしかったという思いがしばらく消えませんでした。


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