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杉浦プロ最強戦女流プロ最強新世代優勝 選手が配牌取り違い気づかず続行は残念

 日本プロ麻雀連盟の杉浦まゆプロが2022年8月14日(日)の「麻雀最強戦2022 女流プロ最強新世代」で優勝し、12月に行われる「麻雀最強戦2022」のファイナルに進出しました。

 優勝の懸かった南4局1本場の配牌取りで山から牌のこぼしがあった後、西家と北家の最後に取る牌が入れ違ったのに選手全員が気づかず、そのまま続行してしまったことは残念でした。

 杉浦プロは決勝で持ち前の粘り強さを発揮。南2局1本場から3局続けてあがって逆転し、ファイナルの切符を獲得しました。

 女流プロ最強新世代はA卓で日本プロ麻雀協会の鳥井ゆうプロと最高位戦日本プロ麻雀協会の高津柚那プロ、いずれも日本プロ麻雀連盟の蒼井ゆりかプロ、後藤咲プロ、B卓では最高位戦日本プロ麻雀協会の辻百華プロと日本プロ麻雀協会の御崎千結プロ、いずれも日本プロ麻雀連盟の杉浦まゆプロ、西城凛プロが対戦しました。

 決勝に勝ち上がったのは鳥井プロ、蒼井プロ、杉浦プロ、辻プロ。並び順は辻、蒼井、鳥井、杉浦です。

 東1局に西家の鳥井プロが南家の蒼井プロとのリーチ合戦を制し、リーチ・チートイツ・裏ドラ2の8000点(+1000)をあがってリードしました。

杉浦1

 鳥井プロは蒼井プロのリーチにひるまず、危険牌の6萬を勝負して西単騎待ちでリーチし、蒼井プロからあがったのが見事でした。裏ドラが乗ったのも好調さを示していました。

 鳥井プロがトップ目の南2局1本場(供託1)。持ち点は南家・鳥井39100、西家・杉浦23500、東家・蒼井20800、北家・辻15600です。

 ここから杉浦プロの反撃が始まります。場風の南を鳴き、自風の西を暗刻にして6筒・9筒待ちの筒子のホンイツを聴牌。

杉浦2

 親の蒼井プロもリーチしていましたが杉浦プロが6筒をツモりました。

杉浦3

 杉浦プロはホンイツ・南・西の2000、4000(+2300)のあがりです。

 南3局で持ち点は東家・鳥井37000、南家・杉浦33800、北家・蒼井15700、西家・辻13500です。杉浦プロは鳥井プロに3200点差までに迫ってきました。

 杉浦プロはこの局では1索・4索待ちでリーチ。1索をツモりました。

杉浦4

 杉浦プロはリーチ・ピンフ・ツモの700、1300のあがりです。鳥井プロを逆転してトップ目に立ちました。

 南4局で持ち点は東家・杉浦36500、北家・鳥井35700、西家・蒼井15000、南家・辻12800です。

 親の杉浦プロは鳥井プロとわずか800点差です。ノーテンで伏せることはできず、あがりに向かいます。

 杉浦プロの配牌です。聴牌に時間がかかりそうです。

杉浦5

 一方、鳥井プロの配牌です。杉浦プロよりも良い手が入りました。再逆転のチャンスです。

杉浦6

 鳥井プロのツモが効き、4巡目に3萬をツモった手牌です。

杉浦7

 5筒か7筒のどちらを切ってイーシャンテンに取るかの選択です。

 5筒を残すと、その後に4筒をツモったときなどで何を切るかの選択に悩む恐れがあります。鳥井プロはまぎれをなくそうと5筒を切ります。

杉浦8

 この7筒を残し、そのまま聴牌まで切らなかったことが杉浦プロの粘りで裏目となりました。

 杉浦プロは丁寧に字牌を切って手を進め、9巡目に鳥井プロの切った2萬を鳴き、イーシャンテンにこぎ着けました。

杉浦9

 鳥井プロは9巡目に1索をツモり、7筒を切って4索・7索待ちで聴牌。1000点でもあがれば逆転優勝なので黙聴に構えました。

杉浦10

 杉浦プロはこの7筒をチーし、6萬・2筒のシャンポン待ちで聴牌し、鳥井プロに追いつきました。

杉浦11

 杉浦プロは11巡目に8索をツモって暗槓。リンシャン牌から2筒をツモりました。

杉浦12

 タンヤオ・リンシャンツモの1600オールのあがりです。

 続く南4局1本場で持ち点は東家・杉浦41300、北家・鳥井34100、西家・蒼井13400、南家・辻12800です。

 杉浦プロは懸命な粘りで聴牌し、リンシャンツモというツキにも恵まれ、鳥井プロへのリードを拡大。7200点差にしました。

 鳥井プロには5筒の1牌を切る後先が勝敗を左右したようです。もし、先に7筒を切っていたら杉浦プロのあがりや聴牌はなく、優勝していたかもしれません。

 南4局1本場は鳥井プロがツモれば逆転の手でリーチしましたがあがれず、鳥井プロの1人聴牌で流局。杉浦プロの優勝が決まりました。

 決勝では、杉浦プロの地道に粘り強く手を進める丁寧な打ち筋が印象的でした。

 ◎西家と北家の最後の牌が入れ替わり

 熱戦のフィナーレとなった南4局1本場でがっかりさせられることがありました。

 配牌を取るとき、親の杉浦プロがチョンチョンをした後、南家の辻プロが最後の牌を取るとき、山にぶつけて次に西家の蒼井プロが取る牌を見せ、こぼしてしまいました。牌は2筒でした。

 なぜか、こぼした牌を山に戻すとき位置をずらしました。それを直すときにバタバタして、西家の蒼井プロが本来、最後に取る牌と北家の鳥井プロが取る牌が入れ替わってしまいました。

 選手は全員そのことに気づかず、そのままの配牌で試合は続けられました。放送を見て気づいてSNSで指摘する麻雀ファンもいました。

 麻雀は1牌の違い、後先が勝敗を大きく左右する競技です。

 それだけに配牌で本来と違った牌を取るのはあってはならないことだと思います。選手や運営の皆さんには再発防止を徹底してほしいです。

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