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戦略家の強豪雀士・ムツゴロウさんの死を悼む
「ムツゴロウ」の愛称で親しまれた畑正憲さんが2023年4月5日(水)に心筋梗塞のため87歳で死去しました。
動物王国で有名な畑さんですが、強豪雀士としてタイトル戦などで活躍しました。「一日で役満を8回あがった」をはじめ、数々の伝説があります。
長期戦が得意な「雀魔王」の異名を持つ畑さん。動物に造詣の深い方だったので、その打ち筋は今でいう「ボディ麻雀」のような頭よりも身体で感じて打つイメージを持つ人もいると思います。
ところが、畑さんの麻雀は緻密で戦略に満ちていました。
畑さんの全盛期に対戦したことある人に打ち筋について取材したことがあります。
その特長は対戦相手のくせを徹底的に見抜きます。盲牌の仕方で聴牌を察知して放銃を防いだり、字牌の残す順番を見極め、単騎待ちの振り込みを誘導したりするものです。
さらに、鳴き仕掛けが巧みで、早いチー・ポンでライバルのチャンス手をつぶすのにも長けていたそうです。
また、畑さんの公式戦の牌譜を見て感じたことはターツの選択に秀でていたことです。山読みがとても鋭かったのだと思います。
そして、何よりもすごいのは勝利への執念。負けず嫌いで戦いを終えるまで絶対にあきらめません。大きく負けていても逆転を目指し、徹底的に粘りに粘ります。そのプレッシャーの掛け方は半端なかったそうです。
畑さんの麻雀に関する著作では「精密麻雀」があります。読み応えがあるのでお薦めです。
戦略家の強豪雀士・ムツゴロウさんの麻雀を全盛期に観戦する機会がなかったことはとても残念です。
謹んで心から哀悼の意を表します。