若武者・渡辺史哉プロの大三元
活躍を期待している若手麻雀プロの一人が日本プロ麻雀連盟の渡辺史哉プロです。
プロ1年目の2021年11月に24歳で王位のタイトルを獲得した若武者。今年はチャレンジマッチを勝ち上がり、25歳でモンド杯初出場を果たしました。
ゲーム回しが巧みで、渋谷ABEMAS・白鳥翔プロの若いころをほうふつさせる賢い打ち手の印象があります。
また、勝負どころで大物手を決める力強さもあります。
記憶に新しいのは渡辺プロが今年3月、第13期麻雀グランプリMAX ベスト16D卓であがった大三元です。
総合ポイント最下位で迎えた最終戦(5回戦)に東1局に決めた一撃は強烈でした。2人勝ち上がりのベスト8進出は逃したものの、麻雀ファンの心を確実につかみました。
最終戦は西川淳プロ、渡辺史哉プロ、石井良樹プロ、奈良圭純プロの並び順。ここまでの総合ポイントは西川74.2、石井0.8(誤ツモで-20のペナルティー)、奈良-19.1、渡辺-75.9です。
渡辺プロはベスト8に勝ち上がるためには、最終戦で大きなポイントを獲得しなければいけません。
東1局の南家・渡辺プロの配牌。筒子のホンイツを軸とし、白が2枚、發、中がそれぞれ1枚あるので大三元を視野に手を進めます。
渡辺プロは1巡目に北、2巡目に絶好の發を引き入れました。
3巡目に6筒をツモり、トイツの2索を1枚外しました。大三元をにらみながら筒子の一色手へまっしぐらです。
渡辺プロは4巡目に北を重ね、メンゼンホンイツ・チートイツのリャンシャンテンです。
西家・石井プロと北家・奈良プロが6巡目に發を続けて切りました。
渡辺プロは大三元を狙い、2枚目の發を7巡目にしぶしぶポン。トイツの北を1枚外しました。
メンゼンホンイツ・チートイツを見切り、最低でも小三元、願わくば大三元を狙う若武者らしい打ち回しです。
渡辺プロは8巡目になんと待望の中を重ねました。もう1枚の北を外し、大三元のイーシャンテンです。
渡辺プロの北のトイツ落としに他家の大三元への警戒は強まります。
親の西川プロは手の内にある白を絶対に切らない構えを見せ、手牌の真ん中に置きました。
一方、石井プロにはチャンス手が入っていました。11巡目にドラの五萬を引き入れ、暗刻にした手牌です。
石井プロはあがりに向かい、白を切りました。
渡辺プロが12巡目にこの白をポン。7筒・中のシャンポン待ちで聴牌しました。
中は山に1枚だけ残っていました。
渡辺プロは18巡目に中をツモ。大三元で8000、16000です。
劣勢でも全くひるまず、思いきりのよい打ち回しで華やかな一撃を決めた渡辺プロにスター性を感じました。
KONAMI麻雀格闘倶楽部の佐々木寿人プロと滝沢和典プロはモンド杯で活躍し、人気プロへの道を駆け上りました。
渡辺プロも初出場の第23回モンド杯で活躍して、大きく羽ばたいてほしいです。