さや姉が打点女王の本領発揮
セガサミーフェニックスの茅森早香プロはМリーグ2021で高打点のあがりを連発し、平均打点ランキングで32選手のトップを走っています。2022年1月7日(金)の第2試合でも本領発揮し、大きなあがりを2発決めてトップを飾りました。
茅森プロは女流最高位や女流モンド杯などのタイトルを獲得しています。緻密ながら大胆な打牌選択で人気を集め、「天才すぎるオンナ雀士」の異名を持ち、「さや姉」の愛称で親しまれています。
第2試合はEX風林火山の松ヶ瀨隆弥プロ、渋谷ABEMASの多井隆晴プロ、セガサミーフェニックスの茅森早香プロ、赤坂ドリブンズの園田賢プロの並び順。茅森プロは強豪プロを相手に高打点のあがりをものにしました。
1発目は東2局3本場で持ち点は東家・多井37100、南家・茅森28500、北家・松ヶ瀨25500、西家・園田8900です。
茅森プロの配牌です。ドラの中がトイツのチャンス手です。
茅森プロは最初のツモで6筒を重ね、チートイツとドラの中が鳴けたときの両にらみで手を進めます。6巡目でイーシャンテンになりました。
ここから茅森プロはチートイツに狙いを絞りました。字牌を残して中張牌を次々と切って聴牌を目指します。字牌の単騎待ちによるリーチを想定した手順です。
茅森プロは相手に読まれやすいのは百も承知で、出あがりよりもツモあがりを狙っています。チートイツをツモって裏ドラが乗ると大物手になるからです。このような打ち筋が高打点につながっているのだと思います。
11巡目に發を重ねて次の手牌となりました。白と西のどちらの単騎で待つかの選択です。
茅森プロは初牌の白を切り、場に1枚切れの西単騎待ちに取りました。1枚切れのほうが山に残っている可能性が強いので、チートイツでは自然な判断です。迷わずリーチしました。
ところが13巡目にツモったのは白でした。あがりを逃して嫌な流れでしたが流局目前の18巡目に西をツモります。
裏ドラがなんと發でした。リーチ・チートイツ・ツモ・ドラ2・裏ドラ2の4000、8000(+900)です。トップ目から転落し、親かぶりした多井プロが苦い表情を見せていました。
2発目の大きなあがりは南1局です。持ち点は西家・茅森36400、南家・多井35400、東家・松ヶ瀨18000、北家・園田10200で、多井プロが巻き返し、茅森プロと1000点差に迫っています。
茅森プロの配牌です。面子が一つあるもののドラも赤ドラもなく、それほど良くはありません。
しかし、順調にツモが伸びます。3索をツモった4巡目の手牌です。
茅森プロは5筒を切って「123」の形を決め、ジュンチャン・三色を目指します。「打点女王」らしい一打です。
7巡目にジュンチャンが確定する1索をツモり、イーシャンテンです。
10巡目に待望の2筒をツモり、ジュンチャン・三色確定のカンチャンの2萬待ちで聴牌します。茅森プロは黙聴に構えました。
この直後、園田プロが追いつきリーチします。
3索・6索・9索の三面待ちで、3索か6索の高めをツモれば、リーチ・タンヤオ・ピンフ・ツモ・ドラ1・赤ドラ1の跳満の大物手です。
ところが、園田プロの三面待ちは山に3索1枚しか残ってなく、茅森プロのカンチャン待ちの2萬は3枚ありました。珍しいケースです。
2人の決着はすぐでした。茅森プロは11巡目に2萬をツモります。ジュンチャン・三色・ツモの3000、6000(+1000)のあがりです。
茅森プロはそのまま逃げ切り、トップを獲得しました。この試合終了時の平均打点は8550点。子で満貫をあがっても届かない数字なのはびっくりです。打点女王が今後の試合でどんな高打点の手をあがるか注目です。