龍龍杯2022summerで一瀬プロが劇的な逆転優勝
一瀬由梨プロが2022年8月21日(日)に行われた「龍龍杯2022summer」の決勝に出場し、オーラスの劇的な逆転で初優勝しました。
南4局の土壇場でトップ目の二階堂瑠美プロから満貫を直撃。瑠美プロはあと1牌しのいで放銃を防いでいれば優勝でした。
決勝で一瀬プロのあがりは南場の2回だけだったものの、倍満と満貫の高打点を決め、華やかな一撃が印象的でした。
一瀬プロは未来のMリーガーとして期待される若手女流プロです。
「龍龍杯2022summer」の決勝はユーザー代表のぺんさん、一瀬由梨プロ、齋藤豪プロ、二階堂瑠美プロの並び順です。
一瀬プロは東場でリーチがことごとく空振りとなり、全くあがれませんでした。
◎目の覚めるような倍満
南1局1本場を迎え持ち点は西家・齋藤42300、北家・瑠美40100、南家・一瀬21800、東家・ぺん15800です。
3着目の一瀬プロに絶好の配牌が入りました。白と中はトイツでドラの發が1枚あり、小三元はもちろん、大三元も視野にありました。
一瀬プロは1巡目に中、3巡目に北をポンし、筒子のホンイツの手を進めました。
6巡目に白を暗刻にしてイーシャンテンです。
そして7巡目にカンチャンの6筒をずばっと引き入れました。
一瀬プロはドラの發単騎待ちで、ホンイツ・白・中・小三元・ドラ2の倍満の聴牌です。
一方、親のぺんさんも負けじと9巡目に聴牌し、5筒・8筒待ちでリーチします。8筒であがれば「678」の三色です。
リーチ・タンヤオ・ピンフ・高め三色・赤ドラ1の手で、安めでも12000点、高めならば18000点です。ぺんさんはあがれば、ラス目から一気に浮上できます。
ところが、その直後に一瀬プロがドラの發をツモりました。
一瀬プロはホンイツ・白・中・小三元・ドラ2の4000、8000(+1300)のあがりです。目の覚めるような倍満で、持ち点は一瀬39100、齋藤38200、瑠美36000、ぺん6700で、一瀬プロが微差ながらトップ目に立ちました。
◎瑠美プロあと1牌足りず痛恨の放銃
その後、瑠美プロがしっかりと加点してトップ目に立ちました。
南4局を迎え、持ち点は東家・瑠美41100、西家・一瀬32200、北家・齋藤30000、南家・ぺん16700です。
親のあがり止めありのルールなので瑠美プロはあがれば優勝です。逆転優勝するためには、一瀬プロと齋藤プロが満貫ツモ、ぺんさんは三倍満ツモが必要です。
一瀬プロの配牌です。ドラの6索がトイツで逆転条件を満たす手を十分狙えます。
一瀬プロは1巡目に東をツモって西を切り、2巡目には6萬をトイツで重ねました。
メンツ手とチートイツの両天秤をかける選択もありましたが、一瀬プロは東を1枚外し、メンツ手に絞って手を進めました。
3巡目に5筒を引き入れ、もう1枚の東を外し、4巡目に1索を重ねて2萬を切りました。
一瀬プロが5巡目にツモったのが8索です。
一瀬プロは少し考えた後、「678」の三色の可能性を残し、6萬を先切りしました。
一瀬プロは場況から5萬・8萬待ちの「景色」が良いと見ていました。2萬、6萬と続けて早めに切れば、出やすくなると読んでいました。
東のトイツを外してメンツ手に絞ったこと、6萬を早めに切った判断は的確でした。一瀬プロの巧さを感じました。
一瀬プロは7巡目に9筒をツモり、「678」の三色を見切って8索を切り、イーシャンテンに構えました。
いち早く聴牌したのは齋藤プロです。10巡目に2索・5索待ちでリーチしました。
リーチ・赤ドラ1の手です。逆転優勝するには一発でツモるか、ツモって裏ドラを乗せるしかありません。
齋藤プロは逆転条件確定の手ではありませんが、思いきって勝負に出ました。山にはあがり牌がなんと5枚も残っていました。
一瀬プロも11巡目に待望の2索を引き入れ、狙いの5萬・8萬待ちでリーチです。
一瀬プロはリーチ・ピンフ・ドラ2の手です。齋藤プロからリーチ棒が出たので、ツモはもちろん、出あがりでも逆転できます。山にはあがり牌が2枚残っていました。
瑠美プロとぺんさんはオリに回り、一瀬プロと齋藤プロはなかなかツモあがりできません。
一瀬プロが14巡目に2索をつかみますが、齋藤プロは逆転条件を満たしていないので当然あがれません。
ここで瑠美プロが齋藤プロに放銃することはなくなりましたが、瑠美プロは知る由もありません。瑠美プロは2軒リーチに挟まれながら懸命に安全牌を探り、しのぎ続けます。
そして、瑠美プロが18巡目に1筒をツモった手牌です。
一瀬プロと齋藤プロのツモはもうありません。瑠美プロにとって最後のツモ番です。ハイテイはぺんさんでオリているので、ここで放銃しなければ親のノーテン・流局で優勝です。聴牌料のやり取りでは逆転されません。
4萬、5萬、7萬、4筒、5筒、7筒、8筒は2人に通ってなく、ワンチャンスでもノーチャンスでもありません。切る牌の候補から外れます。
7索は齋藤プロの現物ですが一瀬プロに通ってなく、ワンチャンスでもノーチャンスでもありません。
1萬はノーチャンスですがシャンポン待ちであがられる恐れがあり、2人に通っていません。
8萬はワンチャンスで齋藤プロの現物なものの、一瀬プロには通っていません。
1筒はワンチャンスですが2人に通っていません。
1萬、8萬、1筒からどれを切るかの選択だったと思います。瑠美プロは長考して悩んで切ったのは8萬でした。
一瀬プロは6萬を手出しで早い巡目に切っていたことも、瑠美プロの最終判断に影響したのではないかと思います。
瑠美プロは土壇場に選んだ8萬切りで一瀬プロに放銃。一瀬プロはリーチ・ピンフ・ドラの2の8000点(+1000)をトップ目の瑠美プロから直撃し、ドラマチックな展開で逆転優勝しました。
瑠美プロはゴール寸前で優勝を逃す痛恨の放銃でした。安全牌があと1牌足りていれば逃げきっていました。
一瀬プロのオーラスの勝負どころで逆転の手が入るスター性、その手をしっかりと仕上げる技と勝負強さに魅せられた試合でした。サポーター「ゆりんちゅ!」の応援を背にさらなる活躍を楽しみにしています。