内田プロ攻守に切れ味鋭い鳴きでファイナル進出【BEAST Japanext】
攻守に切れ味鋭い鳴き仕掛けが光りました。
BEAST Japanext(ビーストジャパネクスト)のドラフト会議指名オーディションのセミファイナルで、日本プロ麻雀連盟・内田みこプロが1位となり、ファイナル進出を決めました。
セミファイナルは2023年6月10日(土)に行われました。4戦の総合ポイント1位と2位がファイナルに勝ち上がります。
内田プロは1回戦でトップを獲得して波に乗りました。その後も着実に2回戦、3回戦で2位を確保。最終戦(4回戦)も3位でまとめ、総合1位でファイナルの切符を獲得しました。
◎BEAST Japanextのオーデイションは熱戦
BSJapanext(ビーエスジャパネクスト)は来季からMリーグに新規参入します。新チームの名称はBEAST Japanextです。
BEAST Japanextの選手4人のうち1人を決めるドラフト会議指名オーディションを開催。175人の応募者から選ばれた8人のプロ雀士が熱戦を繰り広げています。
◎「鳴きのみこ」でスタートダッシュ
セミファイナルは予選A組・B組でそれぞれ2位と3位に入った日本プロ麻雀連盟・内田みこプロ、日本プロ麻雀協会・浅井堂岐プロ、日本プロ麻雀連盟・宮内こずえプロ、日本プロ麻雀連盟・山井弘プロが対戦しました。
1回戦でスタートダッシュを決めたのは内田プロです。「鳴きのみこ」と異名をつけたくなるような攻守の仕掛けが見事でした。
1回戦は山井プロ、宮内プロ、浅井プロ、内田プロの並び順。
内田プロは東2局1本場にリーチして浅井プロから満貫をあがり、トップ目に立ちました。
裏ドラが1枚乗り、リーチ・三色・裏ドラ1の8000点(+300)です。
東3局を迎え、持ち点は南家・内田33900、北家・宮内27600、西家・山井24100、東家・浅井14400です。
この一局で内田プロはさぼらないハイテイずらしの守りの鳴きで、山井プロの大物手を阻止しました。
山井プロが11巡目に4索・5索・6索・7索待ちでリーチしました。7索は自身で4枚持っているのであがり牌はありません。
山井プロはリーチ・メンゼンホンイツ・白のツモれば跳満確定の手です。5索をツモれば三暗刻がついて倍満。一気にトップ目に浮上できます。
内田プロは17巡目に浅井プロが切った赤五萬をチーしました。
このままだとハイテイのツモ番が山井プロなので、ずらすための鳴きです。自身のツモ番はもう1回残っていましたが、次巡に鳴ける牌が出ないかもしれないので、迷わずチーしました。
このさぼらないチーがすばり的中です。もし、ツモ番をずらしていなければ、山井プロはハイテイで赤5索をツモっていました。
リーチ・メンゼンホンイツ・三暗刻・白・ハイテイ・ツモ・赤ドラ1の4000、8000で、裏ドラが乗っていれば三倍満でした。
この一局は山井プロの1人聴牌で流局。内田プロの丁寧な守りのチーが見事でした。
内田プロが攻めの絶妙な鳴き仕掛けを見せたのは南1局4本場です。この日一番感心させられた打ち回しでした。
南1局4本場(供託2)で持ち点は北家・内田36700、南家・宮内23800、東家・山井22100、西家・浅井15400です。
トップ目の内田プロは8巡目にドラの7索待ちで聴牌しました。
ツモあがりを狙って、ドラのカンチャン待ちでリーチに踏みこむ選択もありました。けれども、内田プロは黙聴に構えました。
その理由は後から分かりました。
内田プロは10巡目に浅井プロが切った7索をチー。トイツの九萬を1枚外しました。
もう1枚の九萬も切り、タンヤオへの移行を図ったほうがあがれるという判断です。黙聴に構えたときから狙っていたのだと思います。
この鳴きもすばり的中しました。
内田プロは11巡目に赤五萬を引き入れ、四萬・五萬待ちで聴牌しました。
一方、ラス目の浅井プロが15巡目に追いつき、4筒・7筒待ちでリーチしました。
その直後、内田プロが四萬をツモりました。タンヤオ・ドラ1・赤ドラ1の1000、2000(+4200)です。
内田プロは持ち点は44900点となりました。トップ目でとても効果的な加点です。1回戦の勝因となるあがりでした。
この鳴き仕掛けは、巧みな打ち回しで人気の渋谷ABEMAS・白鳥翔プロをほうふつさせる切れ味でした。
◎強運のダブルリーチで親の跳満
内田プロは2回戦で強運の親の跳満をあがりました。
南1局の親ですごい手が入りました。一萬・四萬・七萬待ちでダブルリーチ。七萬であがれば三色もつきます。
北家・浅井プロが一発で一萬を切り放銃。内田プロは裏ドラが1枚乗り、ダブルリーチ・ピンフ・一発・赤ドラ1・裏ドラ1の18000点です。
内田プロはこのあがりを活かし、2回戦でしっかりと2位に入りました。
◎決め手となった黙聴の親満
3回戦を迎え、総合ポイントは内田80.5、宮内23.3、山井-15.2、浅井-88.6です。
内田プロのファイナル進出の決め手となる一撃が東1局に出ました。
内田プロは黙聴で宮内プロから親満をあがりました。
東家・内田プロは13巡目に4索・7索待ちで聴牌。出あがりを狙って黙聴に構えました。
鳴き仕掛けをしていた南家・宮内プロが14巡目に高めの4索をツモ切って放銃。内田プロはピンフ・一気通貫・赤ドラ2の12000点です。
総合ポイントで2位につけていた宮内プロから親満を直撃し、1位を独走する態勢を築きました。ここから事実上、内田プロを除く3人の総合2位争いとなりました。
内田プロは3回戦も2位を取り、最終戦も3位で危なげなく、総合1位でファイナル進出です。
2位には3回戦、最終戦で連続トップを獲得した浅井プロが入りました。逆転でファイナルの「最後の席」に座りました。
セミファイナルの最終結果です。
内田79.7、浅井44.0、宮内-22.1、山井-101.6
ファイナルは2023年6月17日(土)に行われます。予選A組、B組でそれぞれ1位の最高位戦日本プロ麻雀協会・新井啓文プロ、日本プロ麻雀連盟・菅原千瑛プロと、セミファイナルを勝ち上がった日本プロ麻雀連盟・内田みこプロ、日本プロ麻雀協会・浅井堂岐プロが対戦します。
Mリーガーの座を誰が射止めるかのか、激しい熱戦を期待したいです。