瑠美プロの懐かしい東発の四暗刻
麻雀仲間から先日、愚痴のメールが来ました。
「やっぱり麻雀はスタートが肝心。大物手を放銃したらダメ」
Mリーグファン4人が集まった対戦した最初の半荘で、東1局に高め三色の手を聴牌。「今日は勝ちまくるぞ」と勇んでリーチしたところ、国士無双を振り込んだそうです。
出鼻をくじかれ、その日は調子に乗れず、大きなマイナスで終わってしまいました。逆に役満をあがった相手は絶好調だったそうです。
麻雀プロでも東発に役満をあがれば、とても気分が良いと思います。
スタートダッシュの役満で印象的だったのが、2011年の第9回女流モンド杯予選第1戦で二階堂瑠美プロがあがった四暗刻です。
開幕戦の東1局に魅せた強烈な一発でした。瑠美プロの懐かしい一局を振り返ります。
予選第1戦は二階堂亜樹プロ、清水香織プロ、二階堂瑠美プロ、宮内こずえプロの並び順。今も活躍している人気女流プロが対戦しました。
東1局に瑠美プロが1巡目に東をツモって暗刻にした手牌です。
北もトイツで萬子か索子のホンイツを狙いたい手です。瑠美プロはまず6筒を切ります。
瑠美プロは2巡目に中を重ねました。1萬を切って索子のホンイツを目指します。
ところが、4巡目にずばっとカンチャンの8萬を引き入れました。2索を1枚外し、索子から萬子の一色手に方針転換しました。
5巡目に7萬をツモって7索を切り、2索のトイツ落としを連続で見せずにぼかします。瑠美プロらしい細やかな打ち筋です。
7巡目に4枚目の東をツモります。東の暗槓はしないで残し、2索を切りました。
瑠美プロは8巡目に9萬をツモり、東を切ってイーシャンテンです。
萬子のホンイツ狙いに変更したことがずばりでした。
11巡目に中を暗刻にしてカンチャンの8萬待ちで聴牌です。
ツモの効き方がすごく、メンゼンホンイツ・チャンタ・イーペーコー・東・中の倍満の手です。瑠美プロは黙聴に構えます。
そして12巡目に北を暗刻にして、7萬と9萬のシャンポン待ちでツモり四暗刻の聴牌です。
山には7萬が2枚、9萬が1枚残っていました。瑠美プロは慎重に黙聴を続けます。
發を暗刻で持つ清水プロは瑠美プロの大物手の気配を察知したようで、13巡目に亜樹プロが切った6筒をチーし、カンチャンの4索待ちで聴牌に取りました。
4索は宮内プロが暗刻で持ち、1枚だけ山に残っていました。
清水プロの仕掛けを見た瑠美プロは直後の13巡目、抑え込みを図り、4萬をツモ切りして7萬と9萬のシャンポン待ちでリーチします。
この4萬を宮内プロがポンして聴牌。2筒と4索のシャンポン待ちです。
宮内プロのあがり牌は山に2筒が残っておらず、清水プロのあがり牌でもある4索が1枚だけ残っていました。
清水プロと宮内プロの鳴きで、瑠美プロが一発でツモるはずだった7萬は亜樹プロに流れました。守りの堅い亜樹プロは当然切らずに残し、チートイツのイーシャンテンを維持します。
宮内プロは14巡目にドラの3索をツモって5索を切り、2筒と3索のシャンポン待ちに変えます。
タンヤオ・トイトイ・ドラ2のツモり三暗刻の手になりましたが、あがり牌は山に残っていませんでした。
清水プロの鳴きで一度はあがりを逃した形になった瑠美プロ。この一局の勢いはそれでも止まりませんでした。
瑠美プロは15巡目に9萬をツモ。見事なメンゼンホンイツの四暗刻です。
開局早々にあがった役満の興奮を押し隠すように、瑠美プロは少しはにかんだ笑顔を見せていました。