大魔神・飯田正人プロの三色
最高位、最強位など数多くのタイトルを獲得した飯田正人プロが病気で亡くなられて2022年5月18日(水)で10年になります。
「大魔神」の異名を持つ飯田プロの素晴らしい打ち筋をnoteで随時紹介しています。
今回は2010年の第5回モンド名人戦予選第1戦の南4局であがった三色を取り上げます。
飯田プロは「ずしん、ずしん」と足音が聞こえるかのような対局者を圧倒する重厚な雀風で無類の強さを誇りました。
押し引きに優れ、ピンフ手が得意で三色にはそれほどこだわらず、リーチ・ツモを狙ったあがりやすさ重視の手作りが特長です。
その飯田プロがこのオーラスでは、ツモの流れに乗ってきっちりと三色の手を仕上げ、逆転でトップを獲得しました。麻雀ファンの記憶にとどめていてほしい貴重な一局です。
予選第1戦は飯田正人プロ、新津潔プロ、森山茂和プロ、小島武夫プロの並び順。南4局を迎え、持ち点は西家・新津41400、南家・飯田35100、北家・森山21000、東家・小島2500です。
2着目の飯田プロがトップ目の新津プロを逆転するためには、1300、2600以上のツモあがりか満貫以上の出あがりが必要です。
飯田プロの配牌です。索子が好形でドラも1枚あり、逆転トップを狙える手が入りました。
ツモが効き、5巡目に9索を重ねた手牌です。
何を切るか悩ましいところです。飯田プロは6索切りを選択しました。
飯田プロは9索をアタマに索子で2メンツ、萬子と筒子でそれぞれ1メンツを想定。索子の一気通貫の目を残しているものの、「234」の三色を強く意識しています。
6巡目に3筒をツモって8索を捨て、一気通貫を見切って三色狙いに完全にシフトしました。
9巡目に2筒をツモって6筒を切り、イーシャンテンです。
そして10巡目に待望の4索を引き入れ、8筒を切って「234」の三色が確定したカンチャンの3萬待ちで聴牌します。
黙聴に構えると三色・ドラ1の5200点なので、出あがりでは新津プロからの直撃しかトップに立てません。飯田プロはリーチします。
すると一発で3萬をツモ。裏ドラが1枚乗り、リーチ・三色・一発・ツモ・ドラ1・裏ドラ1の3000、6000です。飯田プロは逆転でトップを獲得しました。
飯田プロが切れ味鋭く決めた三色。Мリーグでセガサミーフェニックス所属の近藤誠一プロのような華麗なあがりでした。
近藤プロは最高位戦日本プロ麻雀協会で飯田プロの薫陶を受け、飯田プロの亡くなった後、モンド名人戦の出場メンバーとなり、2回の優勝など大活躍しています。
近藤プロが勝負どころできっちりと手を仕上げるところは飯田プロと相通じます。せいちゃんが「大魔神の系譜」と称されるのもよく分かります。飯田プロの後継者としてさらなる活躍を期待したいです。
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