佐月プロ、リーチの選択は?
第19回女流モンド杯予選第2戦で前年覇者の魚谷侑未プロと川原舞子プロ、佐月麻理子プロ、東城りおプロが対戦しました。川原、佐月、東城の3プロは女流モンド杯初登場です。佐月プロが大物手をあがってトップを獲得し、幸先の良いスタートを切りました。
佐月プロは東場でリーチツモイッツードラドラの3000、6000をあがるなど手が終始入って好調でした。押しの強い攻撃的な打牌でリードを守り逃げ切りました。
ただ、オーラスの南4局で疑問に感じる選択がありました。南家・佐月プロ、西家・東城プロ、北家・魚谷プロ、東家・川原プロの順。持ちポイントは佐月35.1、川原30.2、東城21.6、魚谷13.1でラス親の川原プロがトップに迫ってきています。
10巡目の佐月プロの手牌です。ドラは中てせす。
佐月プロは初牌のドラの中を切り、6索・9索待ちの黙聴に構えます。役がないので出あがりはできません。ひよっこりツモや發を鳴いての出やすい牌での単騎待ちへの組み換え、危険牌をツモったら降りられるようにすることなどを考慮し、黙聴にしたのだと思います。
しかし、鳴かれるのを覚悟でドラを切って勝負するのならば、トップを自ら決めるべくリーチを選択するべきだったのではないかと思います。逆転トップを狙っている川原プロはもちろん、2位浮上を目指す東城プロ、ラス抜けを図る魚谷プロからも降りずに出あがりを期待できるからです。
あるいはドラは切らずに聴牌を崩して7索・8索を切り、發が出たらポンしてドラ単騎にすることを視野に入れた手順もあったと考えます。あくまでも自分からはドラを切らない守備を重視した一打です。この局面は攻めるのならばドラを切ってのリーチ、守るのならば聴牌崩しの2択だったと考えます。ドラ切りの黙聴は少し中途半端に映りました。
この直後、佐月プロは11巡目にドラの中をツモりました。7索・8索を切っていれば、中と發のシャンポン待ちになっていました。
さらに、川原プロから11巡目に9索、12巡目には6索が切られ、ツモれば逆転のリーチがかかりました。もし、佐月プロがドラ切りリーチに踏み切っていればトップを守って対局終了でした。結果は誰もあがれず流局となりましたが、佐月プロは川原プロのリーチに肝を冷やしたことでしょう。
それでも続く南4局1本場に佐月プロはしっかりと立て直し、索子一色の満貫をあがり決着をつけました。この切り替えがプロの強さだと思います。麻雀では前局をひきずらないことが大切なのをあらためて感じました。
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