藤根プロが桜蕾戦決勝で国士無双 優勝にあと一歩届かず
今後の活躍を期待させる一撃です。
日本プロ麻雀連盟・藤根梨沙プロが第5期桜蕾戦決勝で国士無双をあがりました。
優勝にはあと一歩届かなかったものの、晴れの舞台での役満はスター性を感じさせました。
桜蕾戦は次世代スターの発掘を目的に日本プロ麻雀連盟が2021年に新設した若手プロの大会。予選初日に29歳以下が参加できます。
年2回開催で前期は一発・裏ドラ・赤ドラなどがあるWRCルール、後期は連盟公式ルールで行われています。
第5期桜蕾戦決勝は藤根梨沙プロ、後藤咲プロ、御子柴佑梨プロ、 川上玲プロが対戦。決勝は半荘4試合で総合ポイントを競いました。
1回戦は御子柴プロ、後藤プロ、藤根プロ、川上プロの並び順。東4局を迎え、持ち点は北家・藤根38700、東家・川上36100、西家・後藤23100、南家・御子柴22100です。
トップ目の藤根プロの配牌です。8種9牌あります。
藤根プロはバラバラの手なので、萬子のホンイツやチャンタ、国士無双を視野にじっくりと手作りを進めました。
4巡目に1索をツモった手牌です。
藤根プロは萬子のホンイツ狙いと国士無双のぼかしで1筒のトイツを1枚外しました。
5巡目に9筒をツモってトイツの三萬を1枚外し、国士無双一本に絞りました。
6巡目に一萬が重なり、もう1枚の三萬を切ってリャンシャンテンです。
こうなると、早い1筒切りが少しだけ国士無双のぼかしになっています。
7巡目に九萬をツモって二萬を切り、イーシャンテンです。藤根プロの手が一気に進みました。
藤根プロの欲しい9索は1枚、北は2枚山に残っていました。
9巡目に中を重ね、手牌が1・9・字牌だけになりました。
藤根プロは10巡目に西をツモ切りました。1・9・字牌が余ったので他家も警戒を強めます。もうぼかしの効果はありません。
ラス目の御子柴プロが12巡目に3索・6索待ちで果敢にリーチしました。
御子柴プロはリーチ・タンヤオ・ピンフ・イーペーコー・ドラ2の跳満確定の手です。ラス目なので踏みこみました。
山には6索が1枚だけ残っていました。
藤根プロは12巡目に危険牌の5筒をツモり、現物の中を切りました。
さらに、13巡目に5筒をもう1枚重ね、そのままツモ切りました。強烈な押しです。場が凍りつきました。
14巡目に2索をツモり、もう1枚の5筒を切りました。
藤根プロは15巡目にラス牌の9索を引き入れました。現物の2索を切って北単騎待ちで国士無双の聴牌です。
川上プロにはこの2索切りで藤根プロがオリに回ったように見えたのかもしれません。16巡目に北を切って藤根プロに放銃しました。
藤根プロは国士無双の32000点(+1000)です。
藤根プロは1回戦でトップを取り、勢いに乗って2回戦も連勝。普通ならば優勝できそうなのですが、そううまくいかないのが麻雀タイトル戦の恐ろしさです。
1回戦、2回戦と2位を確保していた御子柴プロが3回戦に大きなトップを獲得して逆転。4回戦も続けてトップで優勝しました。
御子柴プロの底力を感じた決勝でした。
藤根プロは国士無双の一撃で幸先の良いスタートだったのに悔しい2位です。けれども、決勝の大舞台で役満をあがる強運、思いきりの良い攻めの打ち筋は今後の活躍が楽しみしかありません。