誘惑に負けず仕上げた宮内プロの四暗刻
四暗刻を狙うときに一番の敵は何でしょうか?
それは鳴き仕掛けへの誘惑だと思います。
ドラを暗刻かトイツで持っていたり、役牌が2つ鳴けそうなときなど、どうしても仕掛けられる牌が出るとポンして、トイトイとの役を重ね、満貫のあがりに向かいたくなります。
両面よりもシャンポンのほうが待ちは少ないので、持っているトイツの牌で2枚目が出るのを待てず、1枚目でも切られると、ついポンしてしまうのです。
今回、「麻雀バトルロイヤル チームチャンピオンシップ2020」の予選第2戦で、宮内こずえプロが鳴き仕掛けの誘惑に負けず、四暗刻に狙いを定めて我慢強くあがった一局を取り上げます。
宮内プロは昨年の麻雀最強戦2021では、あとわずかのところで最強位を逃しました。
長年活躍している人気女流プロです。放送対局での強さには定評があります。チーム対抗戦の麻雀バトルロイヤル チームチャンピオンシップ2020でもロン2チームの一員としてその力を存分に発揮。四暗刻で勢いに乗ってチームを優勝に導き、MVPに輝きました。
予選第2戦はロン2の宮内こずえプロ、MONDTVの与那城葵プロ、週刊大衆の二階堂瑠美プロ、アルバンの内田みこプロの並び順。東2局を迎え、持ち点は北家・宮内35100、西家・内田22900、東家・与那城21000、南家・瑠美21000です。
トップ目に立つ宮内プロの配牌です。暗刻が1組、トイツが3組あるチャンス手です。
2巡目に3萬を重ね、早くもチートイツのイーシャンテンです。
しかし、宮内プロの本命はツモり四暗刻。気持ちはまだリャンシャンテンです。
宮内プロは与那城プロが3巡目に切った9索を悠然と見送ります。
すると、宮内プロが3巡目にツモったのがなんと9索です。
狙い通りのツモり四暗刻のイーシャンテンになりました。
内田プロが4巡目に8索を切ります。宮内プロは鳴けば、3萬と白のシャボン待ちでトイトイ・ツモり三暗刻の聴牌です。
1人抜け出したトップ目なのでポンする選択もあったと思いますが、宮内プロは鳴きません。
さらに、瑠美プロが5巡目に3萬を切ります。3萬はなかなか出にくい中張牌ですが、宮内プロはここでも見送ります。
3回の鳴き仕掛けの誘惑に負けない我慢強さです。宮内プロから四暗刻を必ずあがるぞという決意が伝わってきました。
宮内プロは我慢したかいがありました。6巡目に白を暗刻にしてツもり四暗刻の聴牌です。
3萬と8索のシャンポン待ちでリーチします。山には1枚ずつ残っていました。
内田プロが7巡目に3萬をツモって手牌に残し、宮内プロのあがり牌は8索1枚だけになりました。
親の与那城プロが10巡目に追いつき、カンチャンの6索待ちでリーチしました。
リーチ・タンヤオ・イーペーコー・赤ドラ2のツモれば6000オールの手です。山には6索が3枚残っていました。
ところが、12巡目に瑠美プロと内田プロが続けて6索をツモって手牌に残し、与那城プロのあがり牌も1枚だけになりました。
めくり合いに勝ったのは宮内プロでした。13巡目に8索をツモり、8000、16000(+1000)のあがりです。
好配牌を活かして我慢強く、丁寧に仕上げた四暗刻でした。
華のある宮内プロには、最強位というわずかに届かなかった夢をいつかかなえてほしいです。