有賀プロ發王位つかんだ一発ツモ
勝負どころで一発ツモを決め、ビッグタイトルをつかみました。
最高位戦日本プロ麻雀協会・有賀一宏プロが第31期發王戦決勝で優勝し、初の發王位に輝きました。
有賀プロは最終戦(5回戦)の南2局に三つどもえのめくり合いを制し、一発ツモの満貫が決め手となりました。
決勝は最高位戦日本プロ麻雀協会・有賀一宏プロ、日本プロ麻雀協会・松島リキヤプロ、日本プロ麻雀連盟・藤島健二郎プロ、日本プロ麻雀協会・筥崎弘太郎プロが対戦。
最終戦は有賀プロ、藤島プロ、筥崎プロ、松島プロの並び順です。
南2局を迎え、持ち点は東家・藤島38300、北家・有賀29100、西家・松島27500、南家・筥崎25100。
發王戦はオカがなく、順位点として1位+30、2位+10、3位-10、4位-30のポイントがつきます。
この一局までの総合ポイントは1位松島48.1、2位有賀30.2、3位藤島-13.7、筥崎-64.6です。
松島プロと有賀プロが激しい優勝争いを演じ、藤島プロと筥崎プロが最後の親番に勝負を懸ける展開。
最終戦は接戦となっています。松島プロと有賀プロは互いに相手より上の順位に立ちたいところです。
総合ポイント1位を走る松島プロは2巡目にカンチャンの2索をツモり、トイツの四萬を1枚切りました。いち早くイーシャンテンです。
松島プロは3巡目に七萬を重ね、四萬を続けて外しました。
逆転を目指す有賀プロも3巡目にペンチャンの7筒を引き入れ、イーシャンテンになりました。
松島プロは4巡目に6筒をツモり、トイツの七萬を1枚切りました。
5巡目に六萬を重ね、もう一枚の七萬を外しました。
松島プロは鳴き仕掛けでも「123」の三色が狙えます。
6巡目に安全牌の西をツモってトイツの1筒を1枚外し、三色に照準を定めました。
松島プロは7巡目に絶好の2筒を引き入れました。ペンチャンの三萬待ちで「123」の三色が確定した聴牌です。
場に萬子は安く、松島プロは黙聴の選択もありました。
けれども、4巡続けて四萬を2枚、七萬を2枚手出しで切っていて、三萬が出やすい捨て牌になっています。
松島プロは果敢にリーチに踏みこみました。リーチ・三色・ドラ1の満貫確定の手で、ツモって裏ドラが1枚乗れば跳満です。
この手をあがれば、發王位の座にぐっと近づきます。勝負を決めに行ったリーチです。
山に三萬は2枚残っていました。
その直後、有賀プロは7巡目に無筋の3筒をツモ。ここが勝負どころとみて、イーシャンテンを崩さずにツモ切りました。
総合ポイント最下位でラス目の筥崎プロも10巡目に9索をツモって聴牌。3筒・6筒待ちで追っかけリーチしました。
ところが、3筒・6筒は山に残っていませんでした。
有賀プロが10巡目に9索をツモりました。
リーチしている2人に現物の4索を切れば、チャンタ確定のカンチャンの2索待ちで聴牌です。
2人に筋の1索を外せば、2索・5索待ちで聴牌。あがり牌の枚数は増えるものの、チャンタの役はなくなります。
有賀プロはあがりやすさを優先し、1索を切って2索・5索待ちでリーチしました。
手堅く着実にあがりをものにする有賀プロらしい選択です。
2索・5索は山に4枚残っていました。
三つどもえのめくり合いはあっという間に決着しました。
有賀プロは11巡目に一発で2索をツモ。裏ドラが1枚乗り、リーチ・一発・ツモ・裏ドラ1の2000、4000(+2000)です。
有賀プロの持ち点は39100点となり、この試合のトップ目に浮上。総合ポイントも有賀60.2、松島45.1、藤島-37.7、筥崎-67.6となり、逆転して残り2局で1位に立ちました。
有賀プロは4索を切っていれば跳満ツモでしたが、發王位をぐっと手繰り寄せた一発ツモです。
有賀プロは逃げきって栄冠に輝きました。
第31期發王戦決勝の結果は有賀61.2、松島46.4、藤島-37.7、筥崎-69.9。
多くのタイトルを獲得した故・飯田正人プロを尊敬する有賀プロ。發王戦では、「大魔神」をほうふつさせる重厚な打ち回しが光りました。