コバゴー巧みなドラ切りリーチ
U-NEXT Piratesの小林剛プロがМリーグ2021の2021年12月10日(金)の第1試合で、巧みなドラ切りリーチで親満をあがりました。場況をきっちり読みきった「コバゴー」らしい的確な一打でした。
小林プロは将王などのタイトルを獲得し、スピード重視の雀風と強靭な精神力による全く動揺しない戦いぶりから「スーパーデジタル」の異名を持つ人気プロ雀士です。コバゴーの愛称で親しまれています。
第1試合はEX風林火山の二階堂瑠美プロ、KONAMI麻雀格闘倶楽部の高宮まりプロ、赤坂ドリブンズの園田賢プロ、U-NEXT Piratesの小林剛プロの並び順。東2局の親番で6000オールをあがった高宮プロがトップ目で、東4局を迎え、持ち点は西家・高宮42400、北家・園田27600、東家・小林15400、南家・瑠美14600です。
反撃を目指す親の小林プロに絶好の配牌が入ります。
ドラと赤ドラを1枚ずつ抱え、高打点の狙える手です。順調にツモが伸び、1索をツモった6巡目の手牌です。
小林プロはトップ目の高宮プロと27000点差あることから7筒を切って、カンチャンの4筒待ちのリーチ・ドラ1・赤ドラ1の7700点の手でリーチするものとみていました。
ところが小林プロが選択したのは、ドラの3筒切りのリーチ。カンチャンの6筒待ちのリーチ・赤ドラ1の3900点の手です。
このとき場には8筒が3枚切られていて、6筒・9筒待ちはワンチャンスでした。9筒も2枚、1筒、2筒、7筒もそれぞれ1枚切られていました。6筒・9筒待ちの可能性は低く、トップ目と点差が離れていて「357」の形からドラの3筒を切って6筒待ちに取るのは考えにくいです。6筒は盲点になりやすく、出あがりの期待できる牌でした。
さらに、筒子の捨て牌状況から6筒は山に多く残っていそうでした。実際4牌全てありました。
また、親のリーチに子はなかなか向かっていきません。出あがりを期待するには工夫が必要です。小林プロは打点をわざわざ半分にしてでもあがりやすさを優先しました。場況と山の残り牌をしっかりと読みきったコバゴーらしいしたたかな判断でした。
これが見事に当たりました。小林プロは10巡目に6筒をツモりました。
裏ドラが5筒でリーチ・ツモ・赤ドラ1・裏ドラ1の4000オールです。打点もしっかりついた大きなあがりとなりました。このドラ切りリーチはいわゆる工夫を凝らしすぎた「うまぶり」ではなく、コバゴーの技が光る一打だったと思います。
Мリーグの個人成績で上位に常連の小林プロは、今季まだポイントを伸ばせていません。しかし、先ごろ行われた将王決定戦ではオーラスの大逆転でタイトルを奪還しました。Мリーグでも活躍が楽しみです。