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井上プロが裸単騎待ち小四喜の一撃 他家の絞りに?【最高位戦A1】
目の覚めるような強烈な一撃でした。
2023年4月19日(水)に行われた第48期最高位戦A1リーグ第3節C卓の2回戦です。
井上祐希プロが南1局に早い鳴き仕掛けで裸単騎待ちの小四喜をあがりました。
劇的な役満の一方で、過去の経験から他家の役牌や字牌の絞りに疑問も感じました。
新井啓文プロ、石田時敬プロ、津田岳宏プロ、井上祐希プロの並び順。
南1局を迎え、持ち点は北家・井上36500、南家・石田33600、西家・津田25100、東家・新井24800です。
トップ目の井上プロの配牌。東、南、西がトイツで北、白、發が1枚あり、役満の夢が膨らむチャンス手です。
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井上プロは親の新井プロが1巡目に切った西をポン。字牌以外はバラバラですが大胆な鳴き仕掛けです。
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トップ目がオタ風を一鳴きしたので、他家から役牌は簡単に出てこないと思っていました。ところが、井上プロは2巡目に場風の南をポンすることができました。
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3着目の津田プロが2巡目に7筒をツモった手牌です。
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浮いている2筒はドラで外せません。東、南、中のうちから切るのが自然です。津田プロは南を切りました。
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ただし、トップ目のオタ風の一鳴きを警戒して、南を残して9筒を慎重に外す選択もありました。
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津田プロが3巡目に5索を重ねた手牌です。
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津田プロはタンヤオ・ピンフ・イーペーコーや「456」の三色まで狙える手になり、東を切りました。
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井上プロは3巡目にすかさず、この東をポンしました。
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津田プロは井上プロの手牌がまだバラバラと読んで、いち早く間に合ううちに処理しようと、東を外したように思いました。
トップ目がオタ風の西を一鳴きし、場風の南も続けてポンしています。個人的にはここでは仕掛けを警戒して、東を絞ってほしかったです。
最高位戦のプロと昔、対局する機会がありました。ツキに恵まれ、トップ目に浮上した直後、南1局の西家で配牌から役牌の南と白、オタ風の北をトイツで持っていました。
さらに、一色手を目指して加点しようと北を一鳴きしたところ、南と白が一向に切られず、ノーテンで終わったことを鮮明に覚えています。
対局終了後にそのプロに感想を求めたところ、「トップ目がオタ風を一鳴きしたら、役牌は簡単に切らないよ。鳴き仕掛けは要注意」と話されました、南と白を徹底的に絞っていたことを明かしてくれました。
「プロの役牌や字牌の絞りはとてもきつい」と強く実感しました。
だからこそ、津田プロの東切りはもちろん、最初の南切りも意外でした。
役牌や字牌を絞って鳴き仕掛けのチャンス手をつぶすよりも、早いうちに切って自身のあがりを目指すことを重視しているのかもしれません。
井上プロの3巡目までの捨て牌は九萬、二萬、白です。他家から一色手だとしたら索子か筒子が分からず、3副露で北はもう切れません。
津田プロは4巡目に7索をツモって六萬を切りました。萬子のターツを外して井上プロにこれ以上鳴かせないようにしています。
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井上プロは6巡目に8索をツモり、3索を切ってイーシャンテンです。
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井上プロの6巡目までの捨て牌は九萬、二萬、白、一萬、一萬、3索。3索の手出しで一色手ならば、索子ではなく、筒子の可能性のほうが強く見えます。
2着目の石田プロは6巡目に北をツモりましたが、もちろん切らず、手牌に残しました。
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井上プロは7巡目に8索を重ね、發を切りました。
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すると、親の新井プロが8巡目に6筒をツモりました。
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ラス目の新井プロは井上プロのあがりを阻止して連荘したいところです。8索を外し、イーシャンテンに取りました。
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この8索を井上プロが8巡目にすかさずポン。北の裸単騎待ちで小四喜の聴牌です。
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北は山に1枚だけ残っていました。
井上プロは9巡目にラス牌の北をツモ。小四喜の8000、16000です。
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井上プロはオタ風一鳴きからの早い仕掛けが奏功しました。
裸単騎待ちの小四喜では、日本プロ麻雀協会・木原浩一プロの懐かしいあがりがあります。
最高位戦の対局では、U-NEXT Pirates・鈴木優プロが2021年の決定戦であがった小四喜が印象的です。
井上プロの裸単騎待ちの小四喜も力強く、忘れられない役満の一つになると思います。