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最強戦リベンジの人選にモヤモヤ

 「麻雀最強戦2021ザ・リベンジ」の出場者が麻雀最強戦実行委員会から発表されました。2021年11月14日(日)午後2時からABEMAで放送され、優勝者は12月11日(土)の「ファイナル1stStage」に進出します。12月12日(日)には「ファイナル2ndStage」と「ファイナル決勝戦」が行われ、2021年の最強位が決まります。

【A卓】

佐々木寿人プロ(タイトルホルダー頂上決戦4位)

白鳥翔プロ(タイトルホルダー頂上決戦3位)

小林剛プロ(男子プロ歴代王者決戦2位)

馬場裕一プロ

【B卓】

黒沢咲プロ(女流チャンピオン決戦2位)

魚谷侑未プロ(女流チャンピオン決戦3位)

仲田加南プロ(女流プロМの城壁3位)

茅森早香プロ(女流プロМの城壁4位)

 今年の全大会を観戦し、女性プロメインの大会がもう一つあっても良かったのではと考えていたので、男性プロ1卓、女性プロ1卓とするのはしっくりきました。ファイナル出場を決めているМリーガーが現最強位の多井隆晴プロと「男子プロ一撃必殺」を制した瀬戸熊直樹プロだけということもあってか、Мリーガーが6人出場します。とても豪華な顔ぶれがそろい、対局へのワクワク感が高まる一方、人選についてモヤモヤ感も残りました。

◎一番のヒットは馬場プロ

 今回の選出で一番見事と感じたのは馬場プロの選出です。馬場プロは「男子プロ一撃必殺」の大会に出場予定でしたが、体調不良のため無念の欠場。馬場プロの推薦で代わりに参戦した長村大プロが盟友の思いを受け継ぎ、活躍しました。瀬戸熊プロにオーラスで逆転されなければファイナル進出を決めていました。

 今度は復帰した馬場プロがその長村プロの無念を晴らそうと、リベンジに挑むのはとても楽しみです。麻雀ファンの心をぐっとつかむストーリー性のある演出になったと思います。

 また、「女流チャンピオン決戦」で川原舞子プロの大逆転がなければ、ファイナル進出だった黒沢プロや魚谷プロ、「男子プロ歴代王者決戦」で荒正義プロと互いに一歩も引かないたたき合いを演じた小林剛プロの選出も納得です。

◎なぜ河野プロは選ばれなかったのか

 一方、とてもモヤモヤ感が残るのは河野高志プロが選ばれなかったことです。河野プロは「タイトルホルダー頂上決戦」で優勝した醍醐大プロに及ばず2位でしたが、玄人好みの見事な打ち筋で強さを示しました。強豪ぞろいのこの大会はトッププロの実力を感じるとともに、一打一打の選択の厳しさをまざまざと見せつけられ、頂上決戦の名にふさわしい白熱した戦いが繰り広げられました。

 だからこそ大会の結果は尊重されるべきだと思い、2位となった河野プロではなく、3位の白鳥プロ、4位の佐々木プロが選ばれたことに違和感を覚えます。

 もちろん白鳥プロ、佐々木プロもそろって人気・実績のあるМリーガーです。特に佐々木プロは破壊力のある攻めの打牌で麻雀ファンの心をつかみ、ここ数年タイトルを続けて獲得しています。リベンジに出場させたいプロの投票を募ったら1位になるでしょう。私もファイナルでぜひ見たいです。

 それでも麻雀最強戦が「日本で麻雀が一番強いヤツは誰だ」を掲げているのならば、各団体のタイトルホルダーを集めて開催した大会の順位を重視し、佐々木プロや白鳥プロより上位で、令昭位を今年連覇している河野プロを優先して選んでほしかったです。この大会から「ザ・リベンジ」に出場するのが河野プロと、佐々木プロ、白鳥プロのいずれか1人だったらもっとスッキリした気持ちだったと思います。

◎委員長ツイートがモヤモヤに影響

 モヤモヤする一因として、金本晃麻雀最強戦実行委員長のツイートがあります。金本委員長はこうつぶやいています。

 「今年の最強戦、プロが12人ファイナル決まってるけど8人が連盟やん!連盟強すぎんか? これでいいのか麻雀界!!」

 ところが、「ザ・リベンジ」にはRMU所属の河野プロや「男子プロ因縁の血闘」2位で最高位戦日本プロ麻雀協会所属の朝倉康心プロ、「男子プロ鋭気集中」2位でRMU所属の松ヶ瀨隆弥プロではなく、いずれも日本プロ麻雀連盟所属で大会3位、4位だった白鳥プロ、佐々木プロを選んでいます。出場する8人のうち5人が連盟所属です。ツイートの内容と「ザ・リベンジ」の人選にはどうしても矛盾を感じてしまい、モヤモヤが増幅しました。

◎リベンジの名にふさわしいのは

 リベンジ本来の意味を考えると、ファイナルに手が届きそうで届かなったプロの名前が浮かびます。「男子プロ超技能バトル」でオーラスに暗刻の危険牌5筒を切って勝負していたら七対子をあがり優勝していた三浦智博プロや、「全日本プロ選手権」でオーラスに原佑典プロの連荘でまくられ、悲願の実現にあと一歩だった古本和宏プロが印象的です。

 「男子プロ最強新世代」、「女流プロ最強新世代」でそれぞれ惜しくも2位にとどまった尻無濱航プロと相川まりえプロもその打ち筋で確実に爪痕を残しました。

 また、「女流プロМの城壁」から2位の高宮まりプロではなく、3位の仲田プロと4位の茅森プロが出場者に選ばれたのはなぜか興味深いです。

 昨年は「ザ・リベンジ」で優勝した多井プロが一気に駆け上り、頂点に輝きました。今年も対局に注目です。


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