やられたらやり返す 半荘1回でまさかの国士無双の応酬【鳳凰戦A2】
「やられたらやり返す」を地でいくまさかの展開にびっくりです。
2023年5月30日(火)の第40期鳳凰戦A2リーグ第3節A卓。3回戦の半荘1回で国士無双の応酬がありました。
東2局に前原雄大プロが刀川昌浩プロから直撃すれば、南4局1本場に今度は刀川プロが前原プロからあがるという劇的な一戦となりました。
3回戦は刀川昌浩プロ、黒沢咲プロ、猿川真寿プロ、前原雄大プロの並び順。東2局を迎え、持ち点は北家・刀川33000、南家・猿川31300、西家・前原29000、東家・黒沢26700です。
前原プロの配牌。1・9・字牌が10種11牌あり、いきなり国士無双のリャンシャンです。
前原プロは1巡目に白をツモって三萬を切り、すぐに国士無双のイーシャンテンになりました。
前原プロは4巡目に九萬を引き入れ、中単騎待ちで国士無双の聴牌です。
前原プロは黙聴で出あがりを狙いました。中は刀川プロが1巡目に1枚切っていて、山に2枚残っていました。
超特急で国士無双を聴牌した前原プロの捨て牌は、4巡目までに三萬、五萬、6筒、5筒で変則的です。
けれども、まだ1・9・字牌が余ってなく、巡目も早いので国士無双を聴牌しているようには見えません。
刀川プロが6巡目に中をつかみ、ノータイムでツモ切って放銃。前原プロは国士無双の32000点です。
持ち点は前原61000、猿川31300、黒沢26700、刀川1000になりました。前原プロが大きくリードしてトップ目浮上です。
ところが、役満の一撃はこれだけではありませんでした。
まさに「やられたらやり返す」の逆襲がオーラスにありました。
南4局1本場(供託1)で持ち点は東家・前原59300、北家・猿川35100、西家・黒沢26800、南家・刀川-2200です。
序盤に国士無双を放銃し、ラス目の刀川プロの配牌。1・9・字牌が9種9牌あります。
刀川プロは大きく沈んでいるので、国士無双を目指します。
3巡目に1索、4巡目に一萬を続けて引き入れ、国士無双のリャンシャンテンです。
1・9・字牌のダブりがなく、国士無双13面待ちも狙える手に育ってきました。
刀川プロは7巡目に1筒を重ねました。13面待ちはなくなったものの、国士無双のイーシャンテンです。
トップ目で親の前原プロが8巡目に西をツモった手牌です。
前原プロは場に1枚切れの西を安全牌として残し、2筒を切りました。
この選択が痛恨の裏目となりました。
刀川プロが8巡目に白を引き入れ、西単騎待ちで国士無双を聴牌。黙聴に構えました。
前原プロは8巡目に西をツモ切りしていたら間に合ったのに、手遅れとなってしまいました。
刀川プロの8巡目までの捨て牌は4筒、四萬、4索、4索、3筒、八萬、3筒、3索。1・9・字牌は余っていません。
前原プロは9巡目に1索をツモり、まだ間に合うとみて西を切って放銃しました。
刀川プロは国士無双の32000点(+1300)です。
最終結果は猿川35100、刀川31100、前原27000、黒沢26800。
まさかの「国士無双返し」をくらった前原プロはトップ目から3位に転落しました。
大きくリードしていたラス親の前原プロはさらなる加点を目指していました。「統帥」らしい攻めの打ち筋です。
けれども、8巡目の刀川プロの手出しを見て、慎重に国士無双を警戒し、ノーテン・流局に向かっていたら放銃は避けられたかもしれません。悔やまれる一打となりました。
半荘1回で国士無双の応酬を見たのは2回目です。
「麻雀最極決定戦!サバイバルバトル極雀season5」でお笑いコンビのキングコングの梶原雄太さんが詩人・作詞家の御徒町凧さんからあがれば、次の局で今度は御徒町さんが梶原さんからやり返しました。しかも、あがり牌がいずれも發という奇跡の展開にしびれました。
もう二度とこんなことは起きないと思っていたので、今回とても驚かされました。