100点差逃げきり 内田プロが麻雀最強戦女流プロ令和の乱優勝
日本プロ麻雀連盟の内田みこプロが2022年9月17日(土)の「麻雀最強戦2022 女流プロ令和の乱」で優勝し、12月に行われる「麻雀最強戦2022」のファイナルに進出しました。
内田プロはラス親で連荘して3着目からトップ目に浮上。南4局2本場から3回続けてあがり、2着目の日本プロ麻雀連盟の川原舞子プロに逆転条件を倍満ツモまで点差を広げました。
ところが、川原プロが南4局5本場に裏ドラが乗れば逆転というメンゼンホンイツの手をツモ。裏ドラは乗らず、内田プロがわすが100点差で初のファイナル行きを決めました。
内田プロは薄氷の優勝だったものの随所に勝負強さが光り、麻雀ファンを魅了する闘牌でした。
女流プロ令和の乱はA卓でいずれも日本プロ麻雀連盟の中田花奈プロ、内田みこプロ、和久津晶プロと日本プロ麻雀協会の豊後葵プロが対戦。B卓ではいずれも日本プロ麻雀連盟の清水香織プロ、川原舞子プロ、仲田加南プロと日本プロ麻雀協会の中月裕子プロが対戦しました。
決勝に勝ち上がったのは中田プロ、内田プロ、清水プロ、川原プロ。並び順は川原、清水、中田、内田です。
◎勝負強さ発揮しラス親でトップ目に
南4局2本場(供託1)を迎え、持ち点は南家・川原35900、北家・中田30400、東家・内田26200、西家・清水6500です。
あがれば2年連続ファイナル進出が決まる川原プロに絶好の手が入りました。3巡目にダブ南を暗刻にしてイーシャンテンです。
親の内田プロも聴牌に時間はかかりそうなもののチャンス手が入っていました。6巡目に4萬をツモった手牌です。
ここから索子のペンチャンのターツを外して1索を切り、好形の聴牌を目指します。
内田プロは8巡目に7索を重ねました。
10巡目に8索をツモって3筒を切ってイーシャンテンです。
内田プロは索子のペンチャンと筒子のカンチャンのターツを外し、必死にイーシャンテンにこぎ着けました。
一方、川原プロは手の変化はあったもののなかなか聴牌できません。
先に聴牌したのは内田プロでした。11巡目に絶好のドラの5索を引き入れ、3萬・6萬待ちでリーチです。
川原プロも13巡目に4索をチーして何とか追いつき、3筒・6筒待ちで聴牌しました。
一騎打ちの様相となりましたがあがったのは内田プロです。14巡目に3萬をツモりました。
内田プロはリーチ・タンヤオ・ツモ・ドラ1の4000オール(+1600)のあがりです。一気に逆転してトップ目に立ちました。
南4局3本場を迎え、持ち点は東家・内田39800、南家・川原31700、北家・中田26200、西家・清水2300です。
川原プロに1300、2600をツモられれば再逆転されるので内田プロはあがりに向かいます。リーチしてツモあがりしました。
リーチ・ピンフ・ツモの1300オール(+900)です。
さらに、内田プロは続く南4局4本場も黙聴で場風の南を暗刻にしてツモあがりしました。
南・ツモの1000オール(+1200)です。
南4局5本場を迎え、持ち点は東家・内田48800、南家・川原28700、北家・中田23200、西家・清水-700です。
内田プロが3連続のあがりで点差を広げました。逆転優勝するのに川原プロと中田プロは倍満ツモ、清水プロは役満ツモが必要という極めて厳しい条件になりました。
◎川原プロが幻の大逆転
このまま内田プロの逃げきり優勝と思っていましたが。幻の大逆転というすごい「ドラマ」が待っていました。
強運の持ち主がいました。昨年の麻雀最強戦2021でも跳満ツモの条件を満たして逆転でファイナル行きを決めた川原プロです。
川原プロはツモがとても効き、發と中を暗刻にした索子のメンゼンホンイツの大物手を育てました。
8巡目に9索をツモった手牌です。
白を切ればペンチャンの7索待ちで聴牌です。
メンゼンホンイツ・發・中の手です。リーチして一発でツモるか、裏ドラを乗せれば倍満ツモなので逆転できます。
しかし、まだ8巡目です。川原プロは一発か裏ドラ期待のリーチではリスクが大きく得策でないと判断。手牌の変化を待って聴牌に取らず、9索をツモ切ります。
すると、9巡目にツモったのがなんと7索でした。
川原プロはリーチをしていれば、リーチ・メンゼンホンイツ・發・中・一発・ツモの倍満で逆転優勝していました。
あがりを逃した川原プロから画面を通じて悔しさが伝わってきました。
それでもまだチャンスは残っています。川原プロは少し考えた後、白を切って6索・9索待ちでフリテンリーチに踏みこみました。
今度は6索をツモればイーペーコーが付きます。リーチ・メンゼンホンイツ・イーペーコー・發・中・ツモです。高めの6索をツモれば無条件で優勝となります。安めの9索ツモならば一発か裏ドラが必要です。
川原プロは一発でツモれず、14巡目にツモったのが安めの9索でした。
川原プロは裏ドラが乗らず、リーチ・メンゼンホンイツ・發・中・ツモの3000、6000(+1500)のあがりです。
最終持ち点は内田42300、川原42200、中田19700、清水-4200。川原プロは100点差で勝利を逃しました。
川原プロは大逆転できる道が現実にあったのに幻で終わり、悔しい気持ちでいっぱいだと思います。それでも2年続けてオーラスにこんな素晴らしいチャンス手が入るところにスター性を感じました。
内田プロが100点差の紙一重で勝利できたのは、しっかりとあがりを重ねて厳しい条件を作り上げたおかげだと思います。
内田プロはこの日、思いきりの良い鳴き仕掛けなど持ち前の勝負強さを存分に発揮しました。初挑戦となるファイナルの活躍に期待したいです。
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