見出し画像

優勝への道つないだ光る辛抱

 KADOKAWAサクラナイツがMリーグ2021-22で悲願の初優勝を成し遂げました。2022年4月26日(火)に行われた最終試合の第12戦で堀慎吾プロが驚異の粘りと勝負強さを発揮したことが大きかったです。

 堀プロに優勝への道をつないだ影のファインプレーがありました。この日の第11戦で内川幸太郎プロが見せた当面のライバルのあがり牌を抑えた辛抱です。

 高打点をツモったような華やかさはありませんが、「手順マエストロ」らしい丁寧な対応で、きらりと光るしのぎの打ち筋でした。

 ファイナルの第11戦を迎えたチームポイントです。

 ①KADOKAWAサクラナイツ208.8②セガサミーフェニックス206.2③渋谷ABEMAS103.8④KONAMI麻雀格闘倶楽部-179.9

 KADOKAWAサクラナイツはセガサミーフェニックスとわずか2.6ポイント差。第11戦では当面のライバルより上の順位で終え、最終試合に優勝への道をつなげたいところです。

 第11戦は渋谷ABEMASの白鳥翔プロ、セガサミーフェニックスの近藤誠一プロ、KADOKAWAサクラナイツの内川幸太郎プロ、KONAMI麻雀格闘倶楽部の伊達朱里紗プロの並び順です。

 南2局を迎え、持ち点は西家・伊達45900、南家・内川22300、東家・近藤20100、北家・白鳥11700です。

 親の近藤プロが絶好の手で3巡目にリーチします。

内川1

 1筒・4筒待ちで高め「123」の三色の手です。1筒であがればリーチ・ピンフ・三色の親満です。あがり牌は8枚全て山に残っていました。

 4巡目に1筒をツモった内川プロの手牌です。

内川2

 当面のライバルが親番で早い巡目にリーチしてきました。内川プロは放銃を避け、できれば自身のあがりがベストです。

 内川プロにはあがりに向かいたくなる連続形の手が入っていました。早い巡目のリーチなので情報はほとんどありません。浮いている1筒を近藤プロに勝負したいところです。

 内川プロはまず字牌の發を切り、次に1筒を切るものだと思っていました。ところが、ここでは發でも1筒でもなく、選んだのは近藤プロの現物の7萬です。萬子の「57」のカンチャンを外しました。

 その後も慎重に打牌を選んで放銃を避け、浮いている1筒には最後まで手を掛けませんでした。もし、1筒を切っていたら近藤プロへの親満放銃でした。KADOKAWAサクラナイツの優勝はなかったかもしれません。見事な辛抱です。

 内川プロは南場の親番がまだ残っているので、当面のライバルへの放銃を避けることを最優先にしました。手順マエストロの名にふさわしい的確な判断でした。

 ラス目の白鳥プロが追いつき、7巡目に近藤プロのあがり牌の1筒をツモって聴牌。3索・6索待ちでリーチします。

内川3

 近藤プロが11巡目に6索をつかみ、白鳥プロに放銃。裏ドラが1枚乗り、白鳥プロはリーチ・ピンフ・赤ドラ1・裏ドラ1の8000点(+1000)のあがりです。

 近藤プロは山に8枚もあがり牌の残る手で満貫を放銃し、ラス目に転落する最悪の結果となりました。これも内川プロの1筒を切らない辛抱がなければ起きなかったことです。

 第11戦は内川プロが3位、近藤プロは4位で終了。KADOKAWAサクラナイツとセガサミーフェニックスのポイント差は27.5に広がりました。

 KADOKAWAサクラナイツは岡田紗佳プロがムードメーカーとなってチームを懸命に盛り上げ、第11戦で内川幸太郎プロのきらりと光る辛抱、第12戦では堀慎吾プロの驚異の粘りで栄冠に輝きました。

 病気の治療のため、ファイナルを欠場した大黒柱の沢崎誠プロに「絶対に優勝を届けたい」という3選手の強い思いを感じました。

 


いいなと思ったら応援しよう!