ひなたんとりお オーラス明暗
第19回女流モンド杯予選第5戦で、日向藍子プロと東城りおプロが激しいトップ争いを繰り広げました。Мリーガー同士の戦いで最後に明暗を分けたのは日向プロの黙聴の選択。トップ目の東城プロから直撃して逆転で勝利しました。
対局は佐月麻理子プロ、池沢麻奈美プロ、日向藍子プロ、東城りおプロの並び順。南3局でラス目だった親の日向プロが連荘し、親満を3回あがり、大きくリードしてトップ目に立ちました。
しかし、南4局でラス親の東城プロが反撃。リーチ・ツモ・チートイツ・ドラ2の6000オールの跳満をツモり、流局をはさんでさらに2000オールをあがり、日向プロを逆転してトップに浮上します。
南4局3本場でポイントは東家・東城プロ53.2、北家・日向プロ42.0、南家・佐月プロ10.0、西家・池沢プロ-5.2です。日向プロはもう一度トップになるためには、満貫以上をツモるか、5200点以上を東城プロから直撃することが必要です。
日向プロの配牌です。ドラは3筒。
日向プロはジュンチャンを軸に手作りします。ここから9筒ツモ・6筒切り、5筒ツモ切り、北ツモ・西切り、1萬ツモ・白切り、8萬ツモ・北切り、7萬ツモ・中切り、西ツモ切りで、8巡目に9筒をツモって次の手牌となりました。
日向プロは満貫が狙える手になり、少し考えた後、ドラ3筒ツモにも対応できるよう7萬を切りました。さらに、次巡1索をツモり、手を止めて考えた後に2筒を切り、1索と9筒のシャンポン待ちの黙聴に構えました。
この直後、さらなる加点を目指して手を進めていた東城プロが9筒をツモ切りし放銃。日向プロはトップ目からジュンチャン5200点(+900点)を直撃し、トップを取り返して対局を終えました。女流モンド杯でひなたんの黙聴の選択がまたも見事にはまりました。リーチをしていたら東城プロから9筒はまず出なかったと思います。
放銃したときの東城の手牌です。
この手から9筒を切るのはやむを得ないです。ただ、日向プロは第1打に6筒を切り、その後もほとんど手出しで8巡目と9巡目には手を止めて少し考えていました。かなり手が進んでいることは濃厚で、さらに日向プロは黙聴を選択することが多いです。東城プロが手牌読み、人読みで、どこまで日向プロからの直撃を警戒していたのか興味深いです。
また、東城プロはこの局、オーラスに連荘し大物手をものにして逆転した勢いで、日向プロが満貫ツモで届かないようさらなる加点を目指していました。第1打から南、北、東、白、東、中と字牌を続けて切り、手を進めていました。攻撃を信条とする東城プロらしい戦いぶりです。
しかし、東城プロは最初の試合は3位で、ぜがひでもトップを取りたかったこと、日向プロに2連勝を許して総合ポイントで走らせないようにすることなどを考慮すると、もっと守備的に字牌を残してオリを軸に打つ選択もあったのではないかと思いました。
この試合では、あと1牌が来なくて3位にとどまった佐月プロ、2試合続けて厳しい展開だった池沢プロの今後の巻き返しに注目です。