これぞ最速・最強の底力 多井プロがハギーの猛追振りきりトップ【Мリーグ】
これぞ「最速・最強」の底力です。
渋谷ABEMAS・多井隆晴プロが2024年1月11日(木)のMリーグ2023-24レギュラーシーズン第125戦でトップを獲得しました。
TEAM雷電・萩原聖人プロの猛追を振りきり、南4局6本場にラス親であがった親満の打ち筋は秀逸でした。
トイツで持っていた自風の東を2枚とも鳴かず、攻守バランスを取りながらとどめの一撃を決めました。
セガサミーフェニックス・茅森早香プロ、赤坂ドリブンズ・渡辺太プロ、TEAM雷電・萩原聖人プロ、渋谷ABEMAS・多井隆晴プロの並び順。
東4局に東家・多井プロはリーチしていた西家・太プロとのめくり合いに勝利。中・ドラ3・赤ドラ1の4000オール(+1000)をあがり、一気に抜け出しました。
さらに、多井プロは南1局4本場(供託3)に親の茅森プロのリーチを不発にし、タンヤオ・三暗刻・ツモ・ドラ2の3000、6000(+5200)をあがり、大きくリードしました。
南2局を迎え、持ち点は西家・多井56000、東家・太15100、北家・茅森14900、南家・萩原14100。
3人を沈め、1人5万点台の多井プロの勝利が確定的と思っていました。
ところが、ここからハギーが猛追します。
南2局は萩原プロの1人聴牌で流局。南3局1本場を迎え、持ち点は南家・多井55000、東家・萩原17000、北家・太14100、西家・茅森13900。
この一局で萩原プロは先制リーチした茅森プロとのめくり合いに勝ち、タンヤオ・ドラ1・赤ドラ2の12000点(+1300)を直撃しました。
さらに、萩原プロは流局を挟んで迎えた南3局3本場(供託2)に鳴き仕掛けで南・ドラ1・赤ドラ1の2000オール(+2900)を加点しました。
南3局4本場を迎え、持ち点は南家・多井49700、東家・萩原40200、北家・太11800、西家・茅森-1700。
萩原プロは多井プロに9500点差まで迫りました。
この一局で萩原プロは太プロから發の1500点(+1200)をあがり、多井プロとの点差を6800点に縮めました。
南3局5本場はリーチした茅森プロの1人聴牌で流局。
南4局6本場(供託1)で持ち点は東家・多井48700、北家・萩原41900、西家・太8100、南家・茅森300です。
萩原プロは多井プロと6800点差。供託と積み棒があるので1000、2000のツモあがりか、5200点の出あがりで逆転できます。
猛追を受けた勝負どころで、多井プロは最速・最強の名にふさわしい底力を発揮しました。
トップ目で親の多井プロの配牌。「特急券」の自風の東をトイツで持っていました。
多井プロは2巡目に七萬をツモりました。
太プロから2巡目に1枚目の東が切られたものの、多井プロは全く動きません。攻守のバランスをしっかりと取り、手牌を狭くしません。
多井プロは3巡目に6索、4巡目に9筒を引き入れました。
6巡目に萩原プロの現物の一萬をツモり、8筒を切って形を決めました。
7巡目に自身が1枚切っている北をツモり、安全牌として残し、2筒を先切りしました。
この牌を残す選択も繊細で配慮が行き届いています。
8巡目に太プロから2枚目の東が切られました。多井プロはここでも鳴きません。ノーテン・流局もにらみながら、徹底して手を狭めずにメンゼンで手を進めます。
多井プロは10巡目に五萬をツモり、イーシャンテンです。
一方、2着目の萩原プロも10巡目に三萬をツモり、イーシャンテンになりました。
萩原プロは赤ドラが1枚あるので、聴牌すればリーチしてツモると逆転トップです。
その直後、多井プロが11巡目に9筒を暗刻にして聴牌。4索・7索待ちでリーチしました。
攻守のバランスを取りながら2枚の東を見送り、メンゼンで順調に聴牌。ツモが効いているのでリーチに踏みこみました。
多くのタイトルを獲得している強豪ならではの鋭い勝負勘でした。
多井プロは12巡目に一発で4索をツモ。裏ドラが1枚乗り、リーチ・一発・ツモ・赤ドラ1・裏ドラ1の4000オール(+2800)です。
多井プロの持ち点は63500点となり、萩原プロに26200点差をつけました。
勝利を決める親満の一撃となりました。
この一局では2枚目の東を鳴く打ち手が多いと思います。
また、メンゼンで手を進める打ち手はノーテン・流局の逃げきりを考え、リーチせずに黙聴を選択するほうが主流かもしれません。
独自の選択で決定打を放った最速・最強の底力に魅せられました。
第125戦の結果は多井62100、萩原36200、太7100、茅森-5400。
渋谷ABEMASはチーム3連勝です。