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麻雀忍者の的確な間合い

 日本プロ麻雀連盟の藤崎智プロの的確な間合いによる打ち回しを目の当たりにしました。

 「麻雀忍者」の異名を持つ藤崎プロが2022年9月9日(金)に行われた第2回AKRacing杯の予選D卓最終戦で見せ場を作りました。

 2戦勝負で合計点を競う戦いで決勝進出したのは日本プロ麻雀連盟の日吉辰哉プロです。

 藤崎プロは勝ち上がりを逃しましたが、最終戦の南1局1本場(供託2)に試合巧者にふさわしい逆襲を見せました。その一局を振り返ります。

 最終戦は日本プロ麻雀連盟の藤崎智プロ、TEAM雷電の萩原聖人プロ、日本プロ麻雀連盟のHIRO柴田プロ、日本プロ麻雀連盟の日吉辰哉プロの並び順。南1局1本場(供託2)を迎え、合計点は北家・日吉80100、南家・萩原38400、東家・藤崎20700、HIRO柴田-21200です。

 いち早く鳴き仕掛けで11巡目に聴牌したのは大きくリードしているトップ目の日吉プロ。8索・北のシャンポン待ちです。

藤崎1

 ハコ下でラス目のHIRO柴田プロも12巡目に追いつき、カンチャンの2筒待ちでリーチしました。

藤崎2

 HIRO柴田プロの手はリーチ・チャンタ・三色でツモれば3000、6000の跳満です。捨て牌に5筒があり、2筒が引っ掛けの形になっています。

 逆転するため、ぜがひでも連荘したい藤崎プロも「678」の三色のイーシャンテンでした。14巡目にツモったのが6索です。

藤崎3

 藤崎プロが切りたいのは6索です。けれども6索はHIRO柴田プロには通りそうですが、日吉プロにはかなりの危険牌です。

 HIRO柴田プロと日吉プロの捨て牌には5索がありました。藤崎プロは筋の2索を切りました。

藤崎4

 6索を切るのを我慢する一方、連荘するためイーシャンテンを何とか維持するぎりぎりの選択です。

 日吉プロが14巡目にツモったのが2筒。HIRO柴田プロのあがり牌です。

藤崎5

 HIRO柴田プロの捨て牌に5筒がありましたが、日吉プロは筋の2筒を切りません。少し考えた後、慎重に北のトイツを1枚外します。見事な放銃回避です。

藤崎6

 藤崎プロが15巡目にツモったのが北です。

藤崎7

 藤崎プロは北を残して6索を切ります。

藤崎8

 藤崎プロは日吉プロが北を切るまでに間があったことを見逃していませんでした。日吉プロが聴牌を崩して北のトイツ落としに入ったと読み、6索を勝負しました。的確な判断です。

 すると、藤崎プロが16巡目にツモったのが待望の7筒です。迷わず1索・4索待ちでリーチします。

藤崎9

 藤崎プロはリーチ・ピンフ・三色・ドラ1の手で、ツモれば6000オールです。しかし、あがることはできず流局となりました。

 藤崎プロの勝負手は不発に終わりました。それでも危険牌の6索が安全になる間合いをしっかりととらえ、逆襲の手を聴牌する巧みな打ち回しは素晴らしかったです。

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