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醍醐プロに地獄単騎のドラ待ちリーチに踏みこんでほしかった【Мリーグ】

 思いきって地獄単騎のドラ待ちリーチに踏みこんでほしかったです。

 Mリーグ2024-25レギュラーシーズン第64戦の南1局。セガサミーフェニックス・醍醐大プロの興味深い選択がありました。

 第64戦はセガサミーフェニックス・醍醐大プロ、U-NEXT Pirates・仲林圭プロ、EX風林火山・二階堂亜樹プロ、TEAM雷電・黒沢咲プロの並び順。

 南1局を迎え、持ち点は東家・醍醐34200、西家・亜樹27200、南家・仲林25900、北家・黒沢12700です。

 トップ目で親の醍醐プロは10巡目に7索を重ね、チートイツのイーシャンテンになりました。 

 いち早く聴牌したのはラス目の黒沢プロです。10巡目に二萬を重ね、4筒を切ってカンチャンの三萬待ちでリーチしました。

 黒沢プロは「234」の三色にはならなかったものの、萬子のイーペーコーとタンヤオが確定しています。

 その直後、醍醐プロは11巡目、九萬を重ねました。ドラの東か中を切れば聴牌です。

 東は場に2枚切れ、中は初牌でした。いろいろな選択があります。

 一つは中を切って、東の地獄単騎待ちです。黙聴にするか、思いきってリーチもありです。

 東を切り、中の単騎待ちにも取れます。こちらも黙聴、リーチの両方あります。

 あるいは、ラス目のリーチに対する一発放銃を慎重に避け、現物の九萬を1枚外し、聴牌に取らない一打もあります。

 「先切り十段」の異名を持ち、守りに定評のある醍醐プロは九萬を切りました。

 トップ目とはいえ、接戦であることを考慮した醍醐プロらしい堅実な選択だなと感じました。

 醍醐プロは12巡目に8索をツモってもう1枚の九萬を外しました。そして、13巡目に中を重ね、筋の8索を切り、東単騎待ちで聴牌です。

 醍醐プロは危険牌をつかんだときに回れるよう、黙聴に構えました。

 攻守のバランスを取った丁寧な打ち回しです。

 けれども、ここでは、ドラの東の地獄単騎待ちでリーチしても良かったのではないかと思います。

 それにはいくつかの理由があります。

 まず、止めていた初牌の中を重ねてもう一度聴牌し、手牌に勢いが出ています。

 さらに、踏みこんだ攻めの許される「追い風」が吹いているからです。

 セガサミーフェニックスはチームポイントで1位を走り、醍醐プロも個人ポイントでトップに浮上しています。

 それに加え、この日の第63戦でチームメイトの浅井堂岐プロが勝利。第64
でも醍醐プロが好調を維持し、トップ目に立っています。

 ここで醍醐プロがリーチ・チートイツ・ドラ2の親満、ツモって「インパチ」をあがれば、勝利にぐっと近づきます。

 チームにかなり余裕のある状況なので、ラス目のリーチとケンカして順位を落とすリスクを背負ってでも、大きな加点によるトップを狙い、思いきった攻めを選んで良かったのではないでしょうか。

 昨季に厳しい戦いを強いられた醍醐プロは今季絶好調です。

 その要因として昨季よりも手が入っていることはもちろん、各試合で鳴き仕掛けなど積極果敢な攻めが奏功していると実感しています。

 だからこそ、ここでも地獄単騎のドラ待ちでリーチしてほしかったです。

 醍醐プロは14巡目、自身が2枚切っている通っていない6索をつかみ、現物の七萬を外し、聴牌を崩しました。

 その後、2着目の亜樹プロが「345」の三色で追いついたものの、黒沢プロと亜樹プロの聴牌で流局です。

 もし、醍醐プロが東単騎待ちで押しきっていたら、黒沢プロが17巡目に東をつかみ、親満を放銃していました。

 あがりを逃した形となり、ノーテン・流局で親番を失った醍醐プロ。この後、仲林プロに逆転されたほか、ラス親の黒沢プロに親満を放銃し、3位で終了しました。

 第64戦の結果は黒沢40600、仲林34600、醍醐17400、亜樹7400。

 醍醐プロの1位・2位の「連対」は7試合連続でストップです。

 守りの雀風からすれば自然な選択が裏目となり、流れは一気に変わりました。麻雀の恐ろしさを感じた一戦でした。

 

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