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【アークナイツ】収録曲 『狂人共の船歌』 和訳と意味を考えてみる


はじめに

アークナイツはイベントごと、または主要なキャラクターに合わせてイメージソングが作られる。
どれもハイクオリティで楽曲の公開を楽しみにしているプレイヤーも少なくないだろう。

さて、今回和訳に挑戦した「狂人共の船歌」は日本版で2022年11月3日から始まるイベント「狂人号」のイメージソングである。

※本和訳記事は、公式が発表しているガイドラインに基づき作成しております。不備等がございましたらコメント等でご連絡ください。

楽曲情報

作詞:?
作曲:Steven Grove
歌:?
リリース:?
登場作品:アークナイツ(Hypergryph · Yostar スマートフォン向けゲーム)

以下(楽曲提供元のMONSTER SIRENのサイト)から曲が視聴可能である。

https://monster-siren.hypergryph.com/music/953915

歌詞(和訳)

以下の和訳はサイト筆者が書いたものであり、公式からの情報ではないことにご注意ください。

The Golden age will return again

黄金時代が再び到来する

Remember when the days were young
Iberia’s future’s bright as the Sun
She whispers when the sails ascend
The Golden age will return again [x2]

若かりし日を思い出せ
イベリアの輝かしい未来は烈日の如く
帆が揚がるとき彼女は囁く
黄金時代が再び到来する

The morning sky warns of threatening seas
Years go by more forget our beliefs
And the storm we must endure my friend,
before The Golden age will return again [x3]

朝間の空が迫りくる海を警告する
過ぎ去る時は我々の信仰を風化させていく
友よ 我々はこの嵐を耐え抜かなければならないのだ
黄金時代が再び訪れるその時まで

考察的なもの

曲の意味

過去に栄華を誇ったイベリアの復活を待ち望んだ信者たちの歌のように感じられた。曲調や歌詞からも力強さからイベリアに、そしてイベリア人であることに自信と誇りを感じる。

歌詞中の黄金時代やら若かりし日やらは、イベリア全盛期のことだろう。
また、それらが過去のものとして語られているので当然これはイベリア衰退後に歌われていると考えられる。

イベリアの現状はストーリーからも分かるようになかなかひどいものだ… …。つまり、そんな現状でも「未来は明るい」と歌えてしまうイベリアそのものが持つ傲慢さ、あるいは彼らなりの誇り、もしかすると海への恐怖でおかしくなってしまった狂気などが含まれているのかもしれない。

歌詞への解釈を深める

曲全体の持つ意味がなんとなく分かりほぼ考察する部分もないが、強いて言うなら

She whispers when the sails ascend

ここの"She"は誰か、だろう。
私は曲だけ聴いた時はスペクター(ローレンティーナ)かなとも思っていたが、ちゃんと和訳した感じ「狂人号」スタルティフィラのことを指すということでここでは着地点としたい。

英語圏の人たちは船に対して女性代名詞の"She"を使う、というのは学校で聞いたことがあるかもしれない(最近では"it"を使う場合も増えてきたらしい)。
私の憶測に過ぎないが、愛着のある物への感情であったり、嵐から身を守ってくれることから母性のようなものを感じたりして、そこから船を"She"と呼ぶのではなかろうか。

話が逸れたが、とにかく船を"She"で呼ぶこと自体は一般的であり、つまりここでも"She”=船(スタルティフィラ)で良いだろう。
ちなみに「船が囁く」というのもまぁ想像しにくいが、「帆が揚がる」⇒「出発する」ときに、船体が軋んだり風や潮の音が聴こえてそれを「囁く」としているのだろう。その音を聞いて狂人号の船員たちは「スタルティフィラもやる気だな」とか思っていたのかもしれない。

和訳について

今回、英語⇒日本語は容易だったが、せっかくなので日本語をどう訳していくかをこだわった。以下2点が今回のこだわりポイントなのである。

The Golden age

直訳  :黄金時代
今回の訳:黄金時代

まんまじゃないか!と思った方はこの解説で納得してもらえると幸いだ。黄金時代という言葉は古代ギリシャ、ヘシオドスの書いた叙事詩『労働と日々』にて初めて登場する。

この詩では人類の歴史を5つの時代に分割しているのだが、そのうちの一つなのである。そこでは黄金時代とは楽園のような時代として表現されている。そこから黄金時代⇒全盛期も表す言葉となったので全盛期と訳しても良かったが… … まぁ黄金時代の方が格好いいだろう。

(参考:https://www.y-history.net/appendix/wh0102-121.html

The morning sky

直訳  :朝の空
今回の訳:朝間の空

朝を表す日本語はいっぱいある。特によく言われるのが「暁」「曙」そしてアークナイツのアニメのタイトルにもある「黎明」… …これ以外にも調べると朝の3、4時間を表すために色々な言い方がある。昔の日本人すごい。

しかし悲しいかな、前述の3つを含め、日本語で表現される朝という言葉はほとんどが英語の"dawn"に吸収されてしまうのだ。
まぁそれだけ日本人が夜明けの空の移り変わりを愉しんだともいえるが、今回の訳ではそこまで拡大解釈はできない。歌詞で"morning"と言ったのだから"dawn"ではない。

編集後記的なもの

今回はアークナイツ 愚人号のイメージソング『狂人共の船歌』を翻訳して色々考えてみた。曲自体もかなり印象的で気に入っているドクターは多いのではないだろうか。この和訳を参考に曲、さらにはストーリーへの理解を深めてもらえたらうれしい。

このサイトの和訳記事では、「和訳の正確さ」と「読者の考える余地」に重きを置いています。
読者が正確に楽曲を捉え、理解を深めてもらえるよう、和訳にミスがあればぜひご連絡いただければ幸いです。

お読みいただきありがとうございました!

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