『AI偽りノスタルジー』 2023年4月1日

PCのファイルを整理していたら、4年くらい前に作った『エンジュシティ』というポケモンのBGMアレンジが出てきた。音が悪すぎたのでAIのミックス・マスタリングソフトを差してみたら、目ん玉飛び出るくらい音がマシになった。AIくん、見直したぞ。

私はこういったアレンジやオリジナル曲を向上心もなくダラダラと作っていた高校当時、恥ずかしいことに全く青春という青春をした覚えがない。ホントは『電波女と青春男』みたいに青春ポイントとかつけてみたかったかもしれない。いやそれはないです嘘です。

実際、冒頭に貼ったアレンジも青春の代名詞ともいえる文化祭の事前準備をいたたまれなくなって抜け出し、コンピューター室で作ったモノである。

再現VTR

ちなみに私と同タイプの友人たちも『敗北が知りたい』とクラスの黒板に書き残し、図ったような同じタイミングでコンピューター室へと襲来。コンピューター室は各々がPCでギャルゲーをする空間へと変貌を遂げた。その様子はさながらはカスのEスポーツのようだった。

しかし、基本的に思い出というモノは脚色、美化されて記憶に残るものである。人間の脳ミソはあんなに面倒だった部活や受験、授業も終わってしまえば、「まァ、あれもあれで良い思い出だよな笑」と壊れたEQの如くマイナス方面の記憶をことごとくカットしてくれる。あまりにも都合がよすぎる。

ただ、真実をそのままに示すデータとして残っていたらそうもいかない。たまに振り返り、「アレ、こんなに音の重ね方ヘンだったっけ……?」と純度100%の事実に真っ向から向けあわなくてはならないため、ちゃんと虚しくなってしまう。

しかし、AIがあればどうなのだろうか。今もミックスAIを後付けで差し込むことによって、「全然何もしていなかったけどDTMだけは続けてたなぁ私」という偽りの充足感を得ることができた。本当は毒にも薬にもならない曲を作り続けてきたのに。

AIの技術、今のところ全てが全て私の良い様に働き過ぎ。褒めちぎってるワケでもなく、もう少しデメリットもないと怖くなる。


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