『コミケ早朝、神秘の秘匿』 2023/12/30
全身黒の防寒ジャケットと多様性に媚びない濃い黒髪、眼前に広がるこの光景を見る度に『来たか……!!』と胸が高まる。
それはもうシャンクスさながらに。
コミケが好きだ。もーーっと細かく捉えると、コミケ1日目の早朝が好きだ。
優越感ともドキドキとも取れない、どこまでも綺麗なナニカが確かに存在している気がしてならない。確実に1年で1番好きな朝である。中学の頃からその得も言われぬ魅力に惹かれ、コミケに参加し続けてきた。
しかし、ここ最近は両日参加も止め、かつての情熱が質量を帯びた戦利品は部屋の隅、ピクシブやTwitterでお品書きすら確認しない、あまりの変わりぶりにオタクの芭蕉もビックリな変化を遂げてしまった。
それでも、それでもコミケの朝には気持ちは高ぶるし、行かない日も勝手に早起きしてしまう。この気持ちはなんだ。何に駆り立ているのだろう。ひろゆきにスパチャしてもきっと分からない。
んで、この『朝の魅力』に終止符を打つため、コミケに出向き、その雰囲気をとことん享受することで答えを出してみることにした。
豊洲駅で降りてビックサイトに向かう道中で朝を正面から浴びてみる。涼しくてきもちい。
そんで、ゆりかもめに乗り込む人を見送りながら有明テニスの森方面へと進む。虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会にハマったためにここら辺にはやたらと詳しいのだ。りんかい線使いたくなくて田町からレインボーブリッジ経由でお台場行ったりするし、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会を見なさい(天皇)。
臨海部特有の冷たい風がどこか心地よい、この『ゆっくりしてるヒマねぇだろ…』という急かされる感覚もセットで『朝』なのかもしれない。眼前に楽しいことがぶら下がってるとなんでも楽しく感じてしまうな。
そんなこんなで歩く途中にで気付いた。
きっとこの感覚、言語化はできないんだと思う。
した瞬間に暴かれて消えてしまいそうだし、分からないままのほうがいいのかもしれない。知らぬが仏はそこまで好きな言葉ではないが、好きな感覚のためには如何ともしがたい。