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【ネット歯科大】歯が割れたらどうするか
小学生のころに生えてくる永久歯は、その後の生え変わりがありません。長い年月にわたって機能する歯なので、ときに割れてしまうこともあります。
歯が割れることを破折(はせつ)といいます。
歯の破折は部位によって区分けされ、上の方で割れた場合を歯冠破折、根で割れれば歯根破折と表現します。
歯冠破折であれば、場合によって神経を取ることもありますが、多くは歯を保存できます。その際、つめものやかぶせものを用いて修復することとなります。
一方、歯根破折では、抜歯するしかないというケースが多くなります。根のどこでどのように割れたかにもよりますが、それくらい歯を支える根は大事だといえます。
歯が割れた場合であっても、ただちに強い痛みが出るとは限りません。
歯ぐきが赤くなったり、腫れてきたりすることはよくありますが、割れた歯があっても特に痛みを感じないという方もおられます。
歯が割れる原因として、過度に力がかかることが挙げられます。
強い力が短期間にかかった場合もそうですが、ある程度の力が長期間にわたって影響し、ひび割れが徐々に広がってきて最終的に割れてしまう、ということもあります。
また、歯と歯を接触させている時間も大切です。
たとえば寝ている間に歯ぎしりやくいしばりをしているケースでは、知らないうちに強い力が歯にかかっていることになります。
さらに、歯の神経を取った歯は比較的割れやすいことも知られています。神経を取ったあとは、材料を装着する必要性があり、しばしば歯を大きく削ることになります。これが歯の破折を生じやすくさせてしまう原因のひとつとなります。
歯の本数が減ってきた方も、要注意といえます。
歯の本数が少なくなるほど、1本の歯にかかる負担は増すことになります。したがって、多くの歯を抜いている方では、日ごろから歯に大きな負荷がかかっているといえます。
抜歯原因としていちばん大きなものはむし歯と歯周病ですが、歯の破折はそれに次ぐ要因です。むし歯や歯周病は徹底的なブラッシングによりある程度予防することが可能ですが、歯の破折はなかなか防ぎ方が難しいものです。
歯が割れて、抜歯するしかないケースが多くあります。歯に負担がかかりすぎていないかどうか、定期的にチェックされることをおすすめします。
神奈川歯科大学 青山典生