シテ……コロシテ……
生意気な言い方になるのは許してほしいが昔から割と運動は得意な方だ。鉄棒の逆上がりなんかも幼稚園の同期たちの中で最初に出来るようになったし、自転車の補助輪も幼稚園の同期たちの中では二番目くらいに外れたように記憶している。二番目、と言ってしまうと一番最初に外れた奴と比べて俺の能力が劣っているかのように邪推する輩もいるかもしれないが決してそのような事実はない。当時の俺たちといえば猫も杓子も補助輪野郎だらけで、自分たちの愛機に付いている補助輪が着脱可能であるなどという知識すら持ち合わせていなかった“移動黎明期”の状態であり、相当に早熟な友達(川越くん)が真っ先に補助輪を外した────どうせ3つか4つ年上の兄あたりの入れ知恵で外したに決まっているのだが────姿を見て俺も外したいと親にせがみ、その結果として二位の座に甘んじたに過ぎない。つまり俺が二位なのは俺が孤高のエキセントリック長男ボーイだからであって、決して我が運動神経が一位(川越くん)のそれに後塵を拝したからではないのだ。このあたりは俺の圧倒的自分語りを聴き流していく上でかなり重要なポイントなので真っ先に頭に叩き込んでおいて頂きたい。間抜けな勘違いをされては非常に困る。困るといっても俺は別に困らない。後で困るのはあなた自身なのだ。補助輪外し第二位(実質一位)の立場として忠告しておくが、お前の考え方は社会で通用しない。社会で通用しなかったら俺みたいになるんだぞ。絶対に気をつけろ。とにかく、何故か知らんが俺のことを勝手に運動オンチみたいに捉える勢力が強固に存在するせいでかなり困っている。誰に何の得があるのか知らんがそういうプロパガンダを吹聴するのは絶対にやめて頂きたい。現に俺は「10~11歳の頃に友達と実況パワフルプロ野球12をけっこうプレイしていた」以外の野球経験が皆無の状態から昨年唐突に草野球チームを立ち上げ、小学校から高校まで野球部だったような奴らと、それはまぁそれなりの手加減を加えられながらもそこそこ渡り合ったりしているのだ。手加減されてるくせに何が運動神経だとのたまう邪(よこしま)な輩もいるかもしれないが、俺はなにも事前に「手加減してくれ」と泣いて懇願しているのではなく、俺に対してロクに手加減をしない経験者に対して容赦なく「あいつは球は速いが姉がコスプレイヤーだ」などと野次を飛ばしてデバフをかけているに過ぎず、手加減してもらっているというよりは高度に心理的な駆け引きを行っているといった方が本質に近いのであり、幼少期からどんなに厳しい練習を耐え抜いていようが全国大会でどんな結果を残していようが姉がコスプレイヤーになった時点でそいつのスポーツマンとしてのキャリアは終了したも同然であることを考えれば実質あのチームの中で最もスポーツマンなのは俺だと言い切ってもそこまで過言ではない。なぜなら俺はコスプレイヤーの姉も、アニメアイコンの兄もいない、純然たるエキセントリック長男ボーイだからである。ナンバーワンにならなくてもいい。元々特別な長男ボーイなのだから……ってなんやこの終わり方!《……コロ………シテ…………》俺ってば、今年でもう27歳になるって《…………シテ…………》いうのに、こんなことで本当に大丈夫《……コロ……………シ………》なのか!?………ん?………なんだ!?!?《……コ………シテ…………》あまりの不甲斐ない文章に《…………コロ…………シ……》俺の奥底に眠る自我が《……テ……コロ………シ……テ……》ブログの行間で、うめき声を上げている……!?
ウゥ…………
………シテ……………
コロ…………シテ………………
……コロッケ………モウ………イランカラ……
サランラップ……シテ………オイトイテ…………
いや、おなか一杯なだけかい!!
どうも、ありがとうございました。