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【夜宵★日記165】B'zファンがサザンのLIVEに潜入したら…

2025/2/10

※ネタバレを含みます


✦はじまりはツレ


ツレに泣きつかれ、今回同伴することになったサザンのLIVE。

「サザンオールスターズ LIVE TOUR 2025 Thank You So Mouch」さいたまスーパーアリーナ公演だ。

何を隠そうこの夜宵★、B'zに操を立て、ているわけではないが、かれこれ30年は他のアーティストのLIVEに行ってないセカンドバージンである。

曲もとんと存じ上げないし、チケットが取れなかった真性ファンの方には申し訳ないし、どうなのだろう。しかも楽しめるのか?

なんて思いつつも、お祭り気分のお出かけは望むところ。

案外部外者の気楽な気分で参戦した次第である。


✦会場に入ると

観客層はグレーヘア(←白髪寄りの)と茶髪(←白髪隠しの)の方々だ。

私らは若い部類に入るのではないだろうか?

浮わついた人は誰もいない。

B'zのLIVEの場合、ファンが二世代にわたっていて下の世代は20代くらいだったりするが、サザンの場合、二世代目も成長しきっているのだと思われる。

※あくまでサザンのLIVE新参者の主観的な分析なのでご了承ください。


✦LIVEが始まると


開始のアナウンスがあって、メンバーが登場した。

しかし観客は、歓喜のあまり叫んだり総立ちになったりするでもない。

私らはスタンド席のため、アリーナの様子は知るよしもないが、みなさんゆったりと構え椅子に根っこが生えたような佇まい。

ほぼB'zのLIVEしか行ってない夜宵★からすると、おお!シュール!

しかし、サザンのLIVEはこれでいい。

桑田さんご自身からしておっしゃっている。

「座っちゃってください、立って観るようなものじゃないんで。」

この言葉には謙遜やお年を召した方への気遣いももちろんある。

さらにそこには、勢いやノリ、今風に言うとバイブス?とやらではなく、じっくり腰を落ち着けて聴いてほしい、という願いがこめられているのだと感じた。

これにのっとり夜宵★も、変な話、かえって落ち着かないが、キノコのようになってサザンの世界に入っていく。


✦サザンのLIVE曲



B'zもそうだがサザンも、全曲全シングルと言っていいほど楽曲がみなキャッチーなのだと知る。

私のようによく知らない者も聴けてしまう。

今回のLIVEは、3/19発売の10年ぶりオリジナルアルバムに先行しての開催。

だから本邦初公開のアルバム曲中心でやったわけだけど、やはりどの楽曲もおもしろみがある。

詞はメッセージ性が強い。

ここで疑問に思われる方がいるかもしれない。

なぜ桑田さんのあの洋楽チックな歌い方で詞を知ることができるか。

ここ、結構重要なB'zとの違いなのだが、なんとステージ真上のスクリーンに曲名と歌詞が、まるでカラオケかのように出るのだ。

他のアーティストの場合もそうなのだろうか。

B’zは要点のフレーズのみ強調的に出ることがある。時には右から左、上から下へ流れるように動いて出る。

このあたりにも、年寄りに(←失礼)寄り添いつつ、歌の特性(洋楽的、そして含蓄ある言葉遊び)に合わせメッセージを届けたい、というサザンの想いを夜宵★はしみじみ感じたものである。

一方、B’zは言霊を視覚的に顕在化するかのようにスクリーンを用いる、ということで、このステージの創り方の違いは非常に興味深い。


✦LIVEパフォーマンス



桑田さんは歌いながらおちゃらけたポーズやふざけた合いの手を入れていく。

これは稲葉さんには絶対ない。

でもそのいい加減さに私はつい笑ってしまう。

ウケたのは、埼玉愛のあまり楽屋で思わず創ってしまったという「埼玉のPeople」。

何のことはない、某世界的ミュージシャンの替え歌アコースティックバージョンなのだが、埼玉をディスったもの。

だけど、もっともすぎて桑田さんのちゃらんぽらんさもあっておかしくてたまらない。

根底に愛があるのを感じるから、誰も怒らない、みんな笑ってる。

人徳だ。


✦終盤は


往年のヒット曲連発。

ここで先輩たちは動く。

ん?今までの静観はどうした。

全フロア総立ち、拳を天高く突き上げる! その様はまるで「風林火山」!

なんだこれ。

圧巻は「マンピーのG★SPOT」だ。

桑田さんがおかしな帽子をかぶり、羽が背中いっぱいについたダンサーたちを引き連れ登場すると、パイセンたちのボルテージはMAXに。

桑田さんと、観客の熱いこぶし&重低音の効いた声のシンクロだ。

これこそLIVEの醍醐味というものだが、のはずなのだが、いかんせん曲目は「マンピー」。

言ってみれば下世話でヘンテコな歌、この歌にこの狂信的なグルーヴ感はどうだ。しかもパイセンたちは初老軍団。

おかしい(←ウケるの意)。

「マンピー」のラストは、女性ボーカリストのTIGERさんが高らかにパワフルな声を轟かせる。

そのバックには虎が左右から吠え合っている映像が…。

いや待て、「マンピー」なのになんでこんなに歌い上げているのか?

いくらTIGERさんだからって、虎の映像って…。

おかしいだろう。

シュールでくだらなくって大いに笑ってしまった。

これはディスっているのではない、最大級の褒め言葉である。

ナンセンスなくだらなさは夜宵★の大好物なのだ。

気づけば自分も拳を突き上げていた。

✦宴は終わり


予想外の個人的な大ウケで、大満足で終わったサザンの初参戦LIVEだった。

桑田さんのいい加減ないい加減さ、パイセンたちの動きと「マンピー」ね。

サザンファンはこの特別なおもしろさわかってるだろうか? 特に後者。

相当おもしろいよ。

B’zのLIVEしか行ってないB’zファンだから見えることかもしれない。


✦B’zとサザンの共通点


B’zとサザンは、ファン層や楽曲、LIVE構成、ボーカルのキャラ、何もかも違う。

それでもサザンのLIVEに潜入して感じたことがある。

ファンへの愛と感謝と謙虚さは共通していると。

桑田さんはLIVE中何度も、「ありがとう」「ありがとね」と私たちに伝え続けていた。

日本を代表するアーティストと言われて久しいのに、常に作品とファンとに謙虚な気持ちで向き合っている。

だから、曲のよさは言うまでもなく、稲葉さん・松本さんもそうだがその姿勢や人柄も含めてファンは大好きなのだと思う。

MCさえも聴きたくてライブ会場に足を運ぶ。

ステージが跳ねる最後に桑田さんは言った、「愛してるよ!」。

これが社交辞令でもなんでもなくて真心だと私にだってわかった。

みんなに長く愛されるわけが自然と知れた。


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